- Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334011857
感想・レビュー・書評
-
32706
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
すごい。30年前の本なのに、今の日韓関係をも説明できる理由が述べられている。最近の嫌韓本は韓国の欠点をあげつらうものばかりだが、この本はなぜ相互理解ができないのかの理由を、歴史、宗教、血縁、経済という多面的な見方で説明している。面白い。
-
刊行直後の1985年に読了。当時は日韓の文化的軋轢に実感がなく、印象に残ったのは①借金経済、②過度の貿易依存性、③日本経済への従属性という韓国経済の脆弱性だった。その後も韓国経済は急成長を続けたが、こうした構造的問題は却って増幅し、今や韓国の全負債規模はGDPの3倍に当る3,000兆ウォンに迫り、対GNIの輸出入比率は2012年で112.7%に達している。今回再読して驚くのは、約30年前に執筆された本書が、既に日韓関係のねじれの淵源を是々非々で明らかにしているということである。もちろん著者は日韓関係の改善を志向し、ねじれを正常化するための様々な提案を行っている。しかし、その後も韓国は日本に対して一方的な主張を続け、日本もこれにまともな反論をすることなくたかられるままに借款を供与しあるいは資金を提供し続けた。著者が「グロテスク」と評した日韓関係は更に混迷の度を深め、本来自己主張を苦手とする日本人が「ヘイト・スピーチ」デモまで展開するに至っている。いつも「ヘイト・スピーチ」を繰り返している国民にはわからないだろうが、これは案外深刻な事態なのである。朴大統領が宣言したように、関係改善は今後「1000年」はないものと覚悟すべきなのかも知れない。