蕎麦屋の系図 (光文社新書 111)

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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334032111

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  • そば。その歴史は寿司や天ぷらよりもはるかに長い。
    我が国のソバ栽培の始まりは5世紀に遡るといわれる。記録として最も古いものは『続日本紀』にある元正天皇の詔だ。
    庶民の食べ物となり、そば文化が、花開いたのは江戸の世である。江戸と言ってもその年間は長いのでその中でも隆盛はもちろん存在する。
    そんな中で、江戸、明治、大正、昭和、平成とソバの歴史を俯瞰してみる一冊。
    代表的なところとして、砂場、更科、藪、東家、一茶庵。歴史の知ると蕎麦屋の楽しみ方も変わるな。
    ざるそばともりそばは、海苔の有無かと思っていたが、それは明治からこっちの大部ざっくりな分け方で、そもそもは材料から違ったんだな。
    老舗の蕎麦屋。戦災、震災を乗り越え、現代に続く。
    しかし、ソバの発祥が大坂だったとは...

  • 第一章はそばの文化史。
    一体いつ頃からそばは食べられてきたのか?とか、正しい蕎麦の食べ方とか、いつからそばは麺になったのかとか、雑学がずらり。
    元々は江戸でもうどんのほうが人気があったとか、東京で人気のそば店の発祥は大阪だったなど、思いがけない事実も。

    第二章「砂場」の系図
    第三章「更科」の系図
    第四章「藪」の系図
    第五章「東家」の系図

    二章から四章は東京の人気そば店の系図。
    創業者から中興の祖、それぞれにどんな苦労、どういう工夫、そうやって継承してきたかを克明につづる。

    東京には美味しいお蕎麦屋さんがたくさんあるのはわかっているけど、どうにも敷居が高くてなかなか行けない。
    こまやかな心遣いや、そばにかける情熱、意気込みを、実際にお店で味わってみたいと思った。けど…やっぱり敷居が高いな。

    五章の「東家」は明治10年、小樽に初めてできたお蕎麦屋さんだが、紆余曲折あって釧路で店舗展開をすることに。
    そして、札幌にも。
    井桁に東のマークのお蕎麦屋さん、見たことあるわ。
    そうか、そんなに由緒あるお蕎麦屋さんだったか。

    どの店も、実は一子相伝ではなく、一族で暖簾をつないでいきつつ弟子に暖簾分けもして、味の根底は変わらないのだろうけれど、それぞれの店での工夫をつけ足しながら味を繋いでいく。

    今は手打ちそばの方が機械打ちよりいいと思われがちだけど、その時代によっては、手で打つなんて不衛生だから機械打ちにしないと営業許可が出ない、なんて時もあったそうです。
    お役所ってのはほんとにさあ。

  • そば好きなので、興味を持って購入したのはいいけれど、なかなか読み進められていませんでした。
    蕎麦屋さんの歴史。
    うんちくがたくさん書かれています。

    お蕎麦屋さんで、こんな話をしながら、一杯!といきたいところです。
    おそば、たべたい。

  • 蕎麦好きと申すからには読んでおかなければなるまいよ。

  • 中島のぶ選

  • 砂場・更級・藪という三大暖簾に加えて、東屋と一茶庵を加えた5つの名暖簾の歴史を綴った資料性の高い一冊。古くは江戸時代まで遡って、名店の系譜を解きほぐす。婚姻や養子縁組の計らいも含めて、屋号や味をつないでいく有様が生々しく描かれていて、伝統という重さを感じざるを得ない。同じ暖簾を共にする一門の、結束の強さにも、感銘を受ける。どの店も複雑な系図を持つ一方、本文には図版が少なく、丸ごとの理解は難儀だが、蕎麦の味や製法には敢えて言及せず、老舗の系譜を客観視した筆致は潔い。

  • 新書版ながら堅苦しくなく蕎麦屋の系譜が判ります。

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