統計数字を疑う なぜ実感とズレるのか? (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033750

感想・レビュー・書評

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  • たぶん分かり易く書いてあるのだろうと思う。
    でも、難しい。
    視点はなかなかユニークな気がするが、面白さが分かるレベルに達しないのが残念。

  • 統計学の本かと思って買ったら、全然違う内容… 知りたかった内容じゃないから、あんまり面白く読めなかった… タイトル、適切に付けて欲しいです。

  • ka

  • 1/4 ぐらい読んで挫折。平均が実感とずれる、とか言う話して、分布の形があるからメディアンやモードも見ないとねー。ってところで、あぁ、もういいや。ってなった。

  • 平均と地下経済については興味深かった。
    統計の手法や効果の出し方はよくわからない。

  • 経済を例にしたものが多く、あまり興味がわかなくて途中でだれてしまった。

  • 「エコノミスト」の著者が、
    世にはびこる「統計数字の扱いの誤り」を筆舌鋭く、
    かつわかりやすく解説していく。

    よくビジネスシーンでは「感情ではなく、データをもって説得せよ」
    ということが取り上げられる。
    とりわけ、日本では数字を持ち出すよりも、感情で通そうという
    傾向があるのではないかと私は思ったりもするのだけれど、
    じゃあ、そこで数字(定量データ)を使えば万事解決かというと、
    それがとんでもない罠であるということを
    本書はよく示してくれる。

    数字やデータそのものは中立で無色透明かもしれないが、
    それを利用する人間の「意図」や「数字理解の無知」によって
    それらの統計は簡単に歪んでしまう。
    そして、事実とはまるでかけ離れる主張の補強材料になってしまう。

    感情論ならば、「それは感情だ」ということで否定できるものでも、
    データが絡むと、それを見抜く知識や経験がないと、正しく否定できない。
    ますます統計データが氾濫するようになる時代では、
    その知識や経験を持っていると持っていないでは、
    危機に陥る可能性に大きな開きが生じるだろう(それは個人でも企業・組織でも)。

    とりわけ私が面白かったのは
    「経済効果」と「地下経済」の話。
    前者は、よくニュースで取り上げる「経済効果」がどれほど雑に、
    恣意的に仕立て上げられたものか、という話。
    もう二度とこの手のニュースは信用しない!…と言ってしまうと
    それもどうかと思うが、とりあえず相当に眉唾だと思って受け止める
    必要があると感じた。
    たしかに、そう、A地域の消費が上がったら、本来同じときにB地域で
    発生されるはずだった消費が失われているというのは、
    (常に成り立つとは限らないとはいえ)当たり前のロジックである。
    だが「○○億円経済効果!」と言われた瞬間、そういうロジックは消えてしまう。
    恐ろしい。

    後者は、地下経済というものが日本(含め各国)のGDPで占める割合は
    かなり多く、また国によってかなりばらつきがある
    (…と推定される。そもそもデータに出てこないから地下経済なのだから)
    という話が面白い。
    そして、地下という響きからはどうしてもマフィア的感じがするが(笑)
    それだけではなく、
    市場統計でカウントできない無償労働や家事、ボランティアなども
    含まれることが重要である。というか、それの占める割合がとても大きい(らしい)。

    たとえば釣りをして手に入れた魚を家族で食べたり、近所に
    おすそ分けしても、それは「表の経済」にはカウントされない。
    では、だから、その人々が貧しいかといえば、
    そうとは限らないのは当然である。

    よく言われる「心の豊かさ」のようなものは大抵あいまいで、
    それをお題目のように掲げるのは変だろうと私は思っていたのだが、
    地下経済的な観点から捉えて「統計に出ない消費」という扱いにしてみれば
    ある意味で計測可能なのではないかと思った。
    ボランティア活動に精を出して、生き生きしている人がいたら、
    その人は「地下経済で豊かさを生み出している」と評することが
    できるのではないか
    (って、地下経済って言われたら怒られそうだが・笑)。



    目次

    まえがき――死んでも死者にならない、交通事故死者数の怪
    第一章 「平均」に秘められた謎
    第二章 通説を疑う
    第三章 経済効果を疑う
    第四章 もう統計にだまされない――統計のクセ、バイアスを理解する
    第五章 公式統計には表れない地下経済
    あとがき
    参考文献リスト

  • 5章の地下経済のケースが一番興味深かった。
    統計に表れない母数に含まれない集団を意識せずに統計だけを見てしまうと実感と異なるものになるらしい。しかし、ケースの限られる実感よりは統計のほうが正しいことが多いらしい。
    要は鵜呑みにするなということですか。
    経済効果とかは面白いから好きなんですが案外適当なものらしく、面白い程度に留めておきたいと思います。

  • 東証株価、合計特殊出生率、豊かさ指標、・・・・。卑近な統計に隠されたバイアス、クセ、謎をわかりやすく解説。短い文章でコンパクトにまとめられている。地下経済の存在、意外と出鱈目な各国のGDP数値、統計のバイアスを見誤った日銀。などなど、意外な事実に驚かされた。

  • 経済統計の実感とズレる理由として ①平均の出し方の問題 ②通説がみせかけの相関が使われていること ③経済効果の出し方の問題点 ④外国の統計デ-タが当てにならないこと ⑤無視できない地下経済の5点をあげている。

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著者プロフィール

神奈川県立横須賀高等学校出身。慶應義塾大学経済学部卒業。浜銀総合研究所入社。1999年日本経済研究センターへ出向。2000年シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)へ出向。2005年6月まで第一生命経済研究所経済調査部主任エコノミスト。2005年7月からBRICs経済研究所代表。2007年同志社大学大学院非常勤講師。日本で初めて地下経済の研究に取り組み、地下経済に関する著作も多数発表している。またワーキングプアの啓蒙書も多数発表。BRICsに続く経済発展が見込まれる国々として、ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチンを総称したVISTAという造語を提唱した。

「2018年 『日本の「地下経済」最新白書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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