会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034962

作品紹介・あらすじ

日本が停滞する「すべての原因」は終身雇用制度にあり。このままでは、袋小路の状況が続くと考えられる日本において、個々人は、企業は、国は、何を考えなければならないのか。将来に向けた新しい意識を得るための、具体的提案の書。

感想・レビュー・書評

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  • メルカリ売却

  • 不確実な時代、リスクといかに付き合っていくべきか。
    このコロナショックにより国、自社、及び自分自身のリスク予測の甘さに改めて気付かされた。
    大企業という大きな船に乗っていると日々世の中で起こっているリスクに対するアンテナが錆びつき、対策への情報収集の精度やスピードが鈍くなっているというのがよく分かる。
    いつまでも大企業が安泰だという神話もとっくに崩れている。自分の将来は自分で切り開くためにも、リスクマネジメントは欠かせないと感じた。

  • 本書は、一言でいうとリスク・リテラシーに関する本である
    なお、ここでいうリスクとは、予測できない危険のことではなく、損害・損失を被る可能性の予測量のこと

    内容は大きく3つ
    ①会社に人生を預けるな
    ②リスク・リテラシーを磨く
    ③「お上」に人生を預けるな
    と、まとめとして21世紀のパラダイムシフトという構成

    例えば、終身雇用制度のリスクとして収入源が会社のみであればその勤務先が倒産した場合などはつまり収入源がなくなることを意味する
    そういうことを認識し、リスク分散として収入源の多角化を検討する
    そのようなリスク・リテラシーについて説明している

    また、リスク・リテラシーについて
    ・リスク・リテラシーで一番大事なことは、「そこにリスクが存在すること」に気づくこと。
    ・リスクを考えずにリターンだけを目標にするのは間違い。リスクの見返りとしてリターンがある。
    ・リスクについての情報を鵜呑みにしない。自分の頭で考える。
    といったあたりもなかなか参考になる話

    あとは「日々0.2%の改善で1年で倍になる」あたりはいい気づき

    【参考になった点】
    ・終身雇用は非正規社員の増加、女性の再雇用の阻害原因である。
    ・残業代などの変動費を除いた収入の80%で生活してみる。
    ・家族子供向け公的支出と高齢者向け公的支出の対GDP比率はそれぞれ0.75%と8%と明らかに歪んでいる。
    ・共産主義の失敗は、政府がリスクの管理を集中化一元化したことで、リスクの管理がしきれなくなったが理由
    ・小さな政府の問題は、所得の再配分効果の希薄化、格差社会の是認。

  • 勝間和代さんの書籍は、好きですが『リスクを取れる自由はすばらしい』?
    そんな事はあり得ません。

  • 日本人は総じてリスク・リテラシーが低い。その原因は会社に任せて従っていれば面倒を見て貰えるという終身雇用制にある。士農工商の時代からリスクを取ることをお上に任せてきて、現在は会社にそれを任せている。一方で、お上である政府もリスクを取れなくなってきている。その結果、企業もリスクを取ることができなくなってきて、今の日本は誰もリスクを取らないために行き詰っている。この閉塞感を打ち破るためには、各自がリスク・リテラシーを身に付け、適切なリスクを取るようにする必要がある。という趣旨の本。

    さすが勝間氏と思わされるところも多いが、リスク・リテラシーを身に付けたいと思った人が具体的にどうすればよいか、身に付けた後どうするか、というところが弱いというか話が飛躍している感じがした。

  • 90円購入2012-01-09

  • 会社に人生を預けるなというショッキングなタイトルであるが、その裏にあるリスクというわかりにくい概念を理解させるための本。リスク管理というと、マネジメントに関わる時に出てくる話だったが、この本を読んで、リスクとはいろいろなところにあり、自分でコントロールしていく必要があるということがよく分かった。共産主義は制度的合わずに崩壊したと理解していたが、リスクという観点から見ると崩壊もやむ読み終わったということがよく分かった。なんらかのリターンを得るには常にリスクを取る必要があるということも、当たりまえのようでいて、なかなか腹に落ちていなかったところである。

  • 著者は、終身雇用慣行のために多くの日本人は「リスクを取る」ことの意味を理解していないと指摘しています。その上で、「リスク・リテラシー」を磨くことによって一人ひとりがみずから社会の動きを見据えつつ、みずから決断を下していくような社会へ向けての展望を提示しています。

    さらに本書は、変化の激しい時代に個々人が生き延びるための知恵を読者に授けるのみならず、終身雇用をはじめとする日本社会の働き方をめぐる環境が、生産性の向上を阻害し、ライフ・ワーク・バランスの問題を引き起こしていると指摘し、これからの日本社会が取り組むべき課題を指示しています。

    著者の議論は非常に明晰で、全体を通して興味深く読みました。ただ、個人のレヴェルにおけるリスク・マネジメントと、日本社会全体の制度設計の議論を接続するときに、終身雇用慣行的な社会的風土という要因を介在させているところに、いささか引っかかりをおぼえてしまいます。

  • 「リスクリテラシー」
    リスクを予測計量し、リターンを判断して取捨を選択し、観察し制御し続けることとあります
    「インターネットの発達」と「グローバリゼーション」「終身雇用」
    なにが正解かはわからないです。
    ただ日本人は雇用者も被用者も「終身雇用」が好きなんやろなあと思います。
    ただ昔と今では「インターネットが発達」し「グローバリゼーション」も浸透して社会情勢が変わっています。
    僕が何より変わったと思うのが教育レベルが社会の求めるレベルに追いつかなくなっているのかなと。
    アメリカでも低所得者向けの教育制度の充実が蔑ろにされたので所得格差がとんでもないことになったとあります。
    やっぱり結論的には会社に頼らない、リスクを取れる人生の中を歩むために自分磨きが必要になるということです。

    昔は「解があり」「正答を覚えて」「いかに早く導くか」という能力が求められていたレベルと思います。
    今はもっと創造的なレベルとの指摘があります。
    しかし守破離を出すまでもなく昔のレベル(守)がなければ創造的なレベル(離)もないのかなと。

    「守」となるリスク教育は家庭教育ですべき内容となります。
    インターネットを引くまでもなく予測不能なリスクを予測して対応策を練るのは公教育では限界があり家庭教育の場面です。
    家庭教育の教師たる親のレベルが低すぎるのが問題なのかもしれません。
    亡くなったグルメ杵屋の椋本さんも初芝学園に乗り込んだ時に教師の改革だけでなく親の教育が絶対必要になると仰ってました。
    耳の痛い話ですが我が身に振り返って日々精進したいとおもいます。

  • どう行動したらいいかわからない時、
    リスク管理の観点から行動するのもいいかも

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著者プロフィール

東京都生まれ。経済評論家(兼公認会計士)。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。
当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産。在学中から監査法人に勤めるが、ワーキングマザーとしての働きにくさから外資系企業に転職。以後、外資系数社を経て、経済評論家として独立。労働生産性の改善などが得意分野。
男女共同参画会議「仕事と生活の調和に関する専門調査会」専門委員。ワーキングマザーのための無料会員制ウェブサイト「ムギ畑」(http://www.mugi.com)を主宰。3女の母。
著書に『インディでいこう!』『猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?』(共著)『無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法』『無理なく続けられる年収10倍アップ時間投資法』(以上、ディスカヴァー)、『マッキンゼー組織の進化』(ダイヤモンド社、共著)などがある。

「2007年 『ワーク・ライフ・バランス手帳2008』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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