日本語は敬語があって主語がない 「地上の視点」の日本文化論 (光文社新書)
- 光文社 (2010年9月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334035846
感想・レビュー・書評
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著者が子どもの頃,父が読んでいた寺田一男著『英語に強くなる本』を読み,英語と日本語との違いに衝撃を受けたといいます。その衝撃の一節とは,日本語の「ここはどこですか?」を英語に訳すと「Where am I?」であったことだといいます。
現代英語のための文法を日本語に当てはめることのばからしさを語り,「ある」文化である日本語独自の文法創造を提案しています。相撲の四股名にまで話題を広げて自分の主張を裏付けるのは,ちょっと勇み足かもしれませんが,なかなかおもしろかったです。
今の学校の国語教育(文法教育)に違和感を感じている人には,読んで欲しいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「主語」・「敬語」について、視点をポイントに考究しています。
日本語は「対話の場、地上の視点」、英語は「神の視点」という考え方で、
この視点は言語のみならず、庭園など文化にも及んでいます。
この本で印象的だったのは、『「語らう」(katarau)のauは共同性を示す』という部分。
「語源はローマ字で考える」という姿勢から、
交互態「あう」(「殴り合う」など)が隠れていることがよくわかります。
そうしたヴォイスや可能形にも一部言及しているので、
予想より充実しているように思いました。 -
敬語や日本語のあいまいさ、といわれている部分をカナダ在住で外国人にアルファベットを使って教えているからこそ解る視点で書かれている。
この人の本をもう少し読みたいと思った。