アホ大学のバカ学生 グローバル人材と就活迷子のあいだ (光文社新書)
- 光文社 (2012年1月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334036645
作品紹介・あらすじ
TOEICで100点台を取ってしまう学生、ツイッターでカンニング自慢をしてしまう学生から、内定取りまくりのすごい学生、グローバル人材まで、今日もキャンパスは大騒ぎ。『最高学府はバカだらけ』『就活のバカヤロー』の石渡と日本の全大学を踏破した大学研究家の山内が、日本の大学・大学生・就活の最新事情を掘り下げる。難関大なのに面倒見のいい大学、偏差値は高くなくても在学中に鍛えあげて就職させてくれる大学、少数精鋭、極限の「特進クラス」を持つ大学、グローバル人材と言えばあの大学、などなど、お役立ち最新情報も満載。廃校・募集停止時代の大学「阿鼻叫喚」事情。
感想・レビュー・書評
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就活に関係するさまざまな「分野」にもの申す一冊。
学生、大学、就活業者、それぞれに「なんか問題あるんじゃないですか?」と投げかけている。
興味深いのは第七章の「定員割れ大学のサバイバル競争」と第八章の「マンモス大、グローバル人材とバカ学生の間で揺れる」だ。このあたりの大学事情は、簡単にニュースチェックしているだけではまず入ってこない。
いろいろな大学が、生き残りをかけて、あるいは学生の将来を考えて、さまざまな施策を打っているのだな、と改めて感心した。まあ大学も「ビジネス」扱いされれば、当然そういう経営努力は必要になってくるだろう。それが、是なのか非なのかはわからないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
辛口だけど頷ける。
大学生の息子にも送りつけてしまった。 -
大学ジャーナリストと大学研究家による著書。
学生のことよりは、大学について重点的に書かれている。
特に、大学名の変更や、無意味なグッズ配布、高校校長のOBを高校訪問担当として採用していることなどの、受験生集めに関する空回りについての指摘は、大学研究家ならでは。
一方で、改革に成功した大学や、ユニークな教育活動を実施している大学などは前向きに評価されていて、宣伝ではなく客観的、具体的書かれているので、高校生や保護者にはオススメ。
また、過去50年ほどの「大学生史」も読み応えがあって面白い。
ただ、章立ての流れが悪く、内容も少し拡散しすぎている気がする。
新書というよりは、複数の連載コラムをまとめて読んでいるような感じ。
そのため全体としての主張もぼやけてしまっているけれど、きちんと手間隙をかけて学生を育てることと、そのための教育内容をきちんとアピールすることが、これからの大学の命運を分けるのだろう。 -
タイトルから、大学や学生をこき下ろす低俗な内容かと思われたが、なかなか興味深い内容である。単なる大学批判ではなく、評価すべきところはきちんと評価している。また、大学だけでなく企業の採用のあり方に一石を投じている。
とはいえ、提言については一般論に終始し、目新しいものは特にない。この手の本の限界なのだろう。 -
バカな学生の方がマジメ学生よりも上手くいく、というのが面白い。一般の「馬鹿」とは定義が違う部分もあるが。
結局のところ要領の良いヤツが上手くいき、馬鹿真面目なやつが損をする。
これ大学受験する前に読んどきたかった。もし現大学生がいたら、それでも読んどくべきとお薦めしたい。 -
『最高学府はバカだらけ』(2007)で定員割れに悩む「崖っぷち大学」の生き残り戦略を描いた自称・大学ジャーナリストの【いしわたり・れいじ】氏と、日本国内で700を超える全ての大学を訪問取材した大学研究家の【やまうち・たいじ】氏による共著。校名の変更によって逆に人気が落ちて定員割れを招いた大学、学部名をカタカナ化して改革したつもりになっている大学、広報が下手で受験生が集まらない大学などの迷走を指摘する一方で、そんな大学生活で勉強も成長もせずに就活で苦労する学生たちの実情を追跡する。タイトルはちょっと強烈だが、昨今の大学政策の「アホさ」を分析し、迷える大学生に充実した学生生活と幸せな就職を望む気持ちに溢れている。
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題名とは違い、大学、学生を応援しているとても真面目な内容
文体が軽いので気軽に読めるが、綿密な取材をもとに説得力のある論が展開されている -
タイトルからすると、学生批判かと思いきやそうでもない、なんだか後半は面白さが半減したような笑
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実例がたくさん盛り込まれているので、いかに○○かという問いかけが本書の中で散りばめられていました。
読みながら、円安で利益を上げる企業が多い中、英語教育は果たしてこれで大丈夫なんだろうか、海外勢に既に負けているとも言える現状の打開策は見えてくるんだろうか、などなど、考えざるを得ませんでした...