- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334038052
感想・レビュー・書評
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広告代理店等に務める会社員でありながら現代アート作品の収集を続け、日本を代表するアートコレクターの一人として知られる著者が、これまであまり語られてこなかった現代アートと経済に関する論考集。先日訪問したロサンゼルスの現代アートのみを収めた私設美術館「The Broad」(ジェフ・クーンズ、草間彌生、ダミアン・ハーストなど超一流n作家の作品が多い)で、改めて現代アートの持つ価値を実感し、その経済的インパクトを知りたいと思ってセレクト。
ここでの経済は2つの意味がある。一つは作品そのものを巡る経済圏であり、アーティスト・ギャラリー・コレクターというステークホルダーと、その売買が行われるオークション会社や世界各国で開催されるアートフェアが中心となる。もう一つはヴェネツィア・ビエンナーレや、ドイツのドクメンタ、日本における横浜トリエンナーレ等、地域を巻き込んだ大規模国際アートイベントによる地域経済へのインパクトがある。
この現代アートを巡る経済圏においても、中国がアーティストの質と取引される金額の高さ、アートフェアの規模等で活況を誇っているというのはやはり興味深い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
現代アートをめぐる世界的なカネと人の流れが概観できてよい。基本的に楽観的な現状認識なのかと思ったら、日本の立ち遅れた状況も指摘されていて初心者としては勉強になった。
カネの話なのに読後アートに触れたい気持ちが喚起されたのは、やはり著者のアート愛にあてられたからか。 -
価値の定まっていない現代アートに投資するには、何らかの意図が存在すると感じる。都市おこしに活用するケース、成功者は芸術に投資する傾向を読み、オークションやアートフェアを仕掛ける集団、価値を創り出すために活動するキュレーターやコレクター、批評家。現代アートを取り巻く環境に触れる書。
ただ、、、文章としては、ちと、分かりにくい。 -
経済学を語るには浅過ぎたが、
アートの世界の超絶初心者が読むには良かった。 -
76まで
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コレクター歴20年。アートフェアやオークションに代表される経済活動や、大規模国際展を始めとする地域の文化振興策といった様々な事象を通して、アートの存在意義や社会に対する影響力を、経済的、政治的な視点で紐解く。
美術館で観るだけの一般人に対して、コレクターの見る目はちょっとちがうな、とわかります。 -
アートを取り巻く状況がわかり、勉強になった。
印象的だったのは、ベネッセ福武總一郎氏のメッセージ「経済は文化の僕である」。
ベネッセアートサイト直島に行ってみたくなった。 -
マネーゲームに翻弄されるアート、などという図式はできれば目にしたくない、というのが本音ながら、残念ながらグローバル資本主義があまねく支配するこの世界でアートもまたそのシステムを駆動するエンジンの一つである。それを渋々でも認めるのなら本書が怒涛のごとく紹介する絢爛たるアート・マネジメントの世界が今まさに熾烈な覇権競争を繰り広げているさまに瞠目ししかと知らなければならない。100年前とは全く様相を異にするアート界のプレイヤー達の配置図は複雑に絡み合い、その中でアーティストが今後美術史に名を残していくことは極めて難しい、と著者は認める。しかしその上で美しいものを一人の一生以上の時を超えて受け継いでいくことの重要性をも一プレイヤーとして熱心に説く。アートの有り様の現在を知る上で有用な書。
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確かにそうだなぁと思いたいアートの考え方。