時代劇ベスト100 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334038229

感想・レビュー・書評

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  • 「なぜ時代劇は滅びるのか 」、「天才 勝新太郎」の著者が時代劇ビギナーの為に戦後の映画 、TV時代劇から第1章「これだけは押さえておきたい40本」第2章「隠れた名作40本」第3章「個人的な趣味で選んだ20本」の三章に分けてオススメの時代劇を紹介しているのだが、気になる点が幾つかある。

    まず、水戸黄門、遠山の金さん、桃太郎侍、といった有名作品が紹介されてなかったり(有名すぎるから敢えて外したのかもしれないが)、鬼平犯科帳、御家人斬九郎が第1章に入っているのに剣客商売(藤田まこと版)が第2章に入っていたりと何を基準にして作品のセレクトや各章への振り分けをしたのか疑問が残る。
    全て「個人的な趣味で選んだ」にしても良かったような気がするのだが………

    次に作品の紹介で幾つかの間違いがある事。
    例を挙げると、「必殺仕置屋稼業」では中村主水が南町から北町へ転勤(北町から南町が正しい。)
    ・「刀を通さない甲冑に身を包んだ旗本(大木実)」(甲冑→鎖かたびら、旗本→岡っ引き。)
    ・「四六時中、子分を廻りに配置している地回り(多々良純)」(多々良純→北村英三。)
    ・「狂気に憑かれた主水の剣の師(佐藤慶)」(剣の師→兄弟子。)と書かれていたり、
    「必殺仕業人」では大出俊が演ずる やいとや又右衛門の強度の縁起担ぎが潔癖症になっていたり、「新必殺仕置人」では「戦いが終わって、傷つき去ってゆく鉄の後ろ姿を主水は黙って見送る。」(実際は主水がその場に来た時には既に鉄の姿はない。)
    といった具合である。(自分の知っている(好きな)作品に関しての間違いを挙げたが知らない作品 何本かにも間違いがあるかもしれない。)

    三つ目はソフト化されていない作品や映像が殆ど現存しない作品を紹介している事。
    ソフト化されていない作品は「はじめに」でも書かれているように名画座、BS、CSでも観られる(可能性もある)が映像が現存せず観られる事が叶わない作品を紹介するのはどうだろう?(著者自身も脚本集を読んでの紹介だし。)
    「時代劇を、これからちゃんと観てみたい」というビギナーの為の作品紹介というのならやはり確実に観られる作品を紹介するべきだし、読み手を選ぶ本であるのならそれに合わせた内容にするべきだったのでは?

    一応、時代劇マニア(TVドラマがメインだが)でもある自分が読んでみての感想だが色々と不満が残る本だった。

    • mkt99さん
      darkavengersさん、こんにちわ!(^o^)/

      むむむ。
      自分は未読ですが、確かに誤りの多いのと、ベスト100をうたっておき...
      darkavengersさん、こんにちわ!(^o^)/

      むむむ。
      自分は未読ですが、確かに誤りの多いのと、ベスト100をうたっておきながら、マイナーな作品を紹介するのは良くないですね。(>_<)

      下手をすると自分の知識をひけらかすだけに終わってしまうので、著者も読者を甘く見ない方がいいですよね。

      それにしても、その誤りに気が付くdarkavengersさんも相当な手練れですね!(^o^)
      2016/08/31
    • darkavengersさん
      mkt99さん。
      遅くなりましたがコメントありがとうございます。

      「天才 勝新太郎」「なぜ時代劇は滅びるのか」の著者の本だけに期待し...
      mkt99さん。
      遅くなりましたがコメントありがとうございます。

      「天才 勝新太郎」「なぜ時代劇は滅びるのか」の著者の本だけに期待していたのですが正直なところ期待はずれでした(泣)

      こんな作品がある。もしくはあったんだ。といった作品回顧録的な本だったならまだ納得いったのですが……

      それ以上に誤りがあるというのが残念なんですよね。
      尚、指摘した誤りに関しては自分は必殺シリーズファンで全シリーズDVDを持っているからでしてレビューにも書いたように他の作品にも誤りがあるかもしれません。

      mkt99さんがもし読もうと思うのでしたら、あまりおすすめできる本ではないのですが買うのなら定価で買うよりもブックオフ等の中古店で買うか図書館で読むので充分かと思いますよ。
      2016/09/11
  • いくら、最近の時代劇のできがあまり良くないとは言え、ちょっと昔の作品に振りすぎかなぁという印象。
    ページ数の制限もあるんだろうけど、最近撮り直された作品なんかについては、比較があっても良かったんじゃないかと思います。

  • 「これだけは押さえておきたい40本」「隠れた名作40本」「筆者の個人的な趣味で選んだ20本」で構成された時代劇ガイド。特定ジャンル愛好者がよく使う「あるタイトルを褒めるために他タイトルを貶す」書き方を一切しておらず、「よし見てみよう!」と素直に思えるのが良い。クラシックなもの以外にも『蝉しぐれ(TVシリーズ)』など比較的新しい作品や、『るろうに剣心?追憶編』といったアニメ作品も取り上げている。

  • 戦後から現代まで必見やオススメなどに分類した紹介本。
    必殺シリーズに細かく筆が及んでいる。トリが流浪に剣心追憶へんとは分かってるぜ!

  • 時代劇専門チャンネルが観られればいいのかしら。
    るろうに剣心が挙がってて和んだ。何気に同世代。

  • 古いから見ないだなんてもったいないにも程がある。これは時代劇のベストガイド!

  • どの作品もいずれ見られる日が来るといいのだが。

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著者プロフィール

映画史・時代劇研究家。1977年東京都生まれ。日本大学大学院博士後期課程修了。映画界を彩った俳優とスタッフたちのインタビューをライフワークにしている。著書に『時代劇聖地巡礼』(ミシマ社)、『天才 勝新太郎』(文春新書)、『ドラマ「鬼平犯科帳」ができるまで』(文春文庫)、『すべての道は役者に通ず』(小学館)、『時代劇は死なず! 完全版』(河出文庫)、『大河ドラマの黄金時代』(NHK出版新書)、『忠臣蔵入門 映像で読み解く物語の魅力』(角川新書)など多数。

「2023年 『時代劇聖地巡礼 関西ディープ編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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