恋愛障害 どうして「普通」に愛されないのか? (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.57
  • (3)
  • (16)
  • (7)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 161
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039295

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 普通の幸せって、難しい。
    「自分には、一生いい恋愛なんてできないかもしれない」
    と考えるあなたへ贈る22のエクササイズ
    恋愛障害とは、「別れた男を忘れられない」「長期間、恋愛経験がなく、焦っている」「いつも恋愛が短期間で終わり続かない」「異常な奥手」「 “本当の自分"を愛してくれる女性を求め続ける」というように、恋愛において対等なパートナーシップを作ることができず、長期的に苦しむことを指す。
    人気ライター・トイアンナ、初の著書!

    「なぜいつも都合いい女で終わってしまうのか?」「なぜ自分が好きになる男は、自分を好きになってくれないのか?」などなど苦しい恋愛を繰り返してしまう人は、「恋愛障害」が原因なのかもしれない。
    作者の恋愛アドバイザーとして相談を受けた経験から、恋愛障害の方の共通点は、「強烈な寂しさを抱えてること」。また女性を傷つける男性は、何故か恋愛障害の女性の寂しさに気づきやすい傾向にあるため、恋愛障害の女性は「この人は自分の寂しさを埋めてくれる存在だ」「彼の苦しみを理解出来るのは、私だけだ」と惹かれてしまう。
    そんな「恋愛障害の女性」と「恋愛障害の女性を食い物にする加害男性」のパターンを、作者が受けた相談を絡めて紹介。
    特に、加害男子のモラハラ傾向に合わせてしまう「相手の好みに合わせなければ、愛してもらえない」という恋愛障害の女性の心理、男性からの押しに弱い反面に自分からのアプローチが苦手な傾向、モラハラ男性が自分の辛い過去を話すことなどで恋愛障害の女性をコントロールするテクニック、自尊心を育んで来れなかったために世間体や男性のイメージに適わなければ自分を愛することも人も愛することが出来ないという恋愛障害女性の正体を、様々なケースを通して説明するくだりは、女性だけでなく男性には「わかるわー」と膝を叩きまくったくらいわかりみしかない。
    恋愛障害を修正するために、自分を「自尊心が高い女性の行動や言葉」に変えるエクササイズ、「自分がしたいことの伝え方」を身につける方法や「飲み会などで自分が楽しむことを優先する」やり方や「むやみにプレゼントしたり世話をやらないこと」や「気持ちいい奢られ方」や「親の期待を小さく裏切る」や「パートナーにきちんと怒る」などなど、具体的かつ些細なことから始められるものなので自分が思いついた時に試せるし便利な内容。
    究極的には、「ひとりで過ごしても、自分はこれでいいんだ」と思える女性を目指す恋愛セラピー本。
    「親や他人から言われたからって、自分で自分を見捨てる必要はないんだ。自分で自分を見捨てなくてもいいんだ。お前はもう充分自分を見捨ててきたじゃないか。お前はもう充分自分を傷つけてきたじゃないか。もう充分じゃないか。お前はもう自分を見捨てなくていいんだ。これからは自分を大事にしよう」
    「境界例と自己愛の障害からの回復」というサイトの言葉より。


  • 恋愛対象と対等の関係が築けず、普通の恋愛関係の構築ができない人たちの実態と対処法がまとめられた本。

    一方的に貢いでしまったり、異常なほど相手に合わせてしまったり、あるいは酷い相手なのにそれを指摘できず追従してしまったり、様々なケースが紹介されている。
    そういった問題を受け入れてしまう側の原因だけではなく、そういった行為を押し付けてしまう側にも根本的な問題があるという切り口は興味深かった。

    交際関係がどういった点で問題があるのか、その原因や対処法もまとめられているので、自分の状況と比較してみて似たような状況であったら該当するタイプについて読んでみると参考になる箇所も多いかもしれない。

  • トイアンナさんのコラムとかTwitterは読んでいますが、書籍をがっつり読むのは初めてです。
    とても良かったです。
    恋愛だけでなく、人間関係全てについて為になる気がしました。
    わたしもとことん自尊心が無いので、第五章のエクササイズはやってみます。
    目指すは「一人で過ごせる人」となっています。
    わたし今一人で過ごせるや…と思いましたが、きっとどこかに寂しさを抱えていて、こちらに書かれているような「自己受容しているから一人で過ごせる」という人ではないので、これも目指します。
    変にテンション高く危機感を煽らない優しい語り口で、それも好きでした。

  • 文字通り、恋愛がうまくできない男女の話。

    機能不全家族が恋愛にも大きく影響を及ぼすことを改めて理解した。

  •  どうも、独身男性会社員(31才)です。

     本書では恋愛障害を「対等なパートナーシップを作ることができず長期的に苦しむこと」と定義している。
     したがって、パートナーシップの相手すらいない俺は恋愛に苦しんではいない。よって恋愛障害ではない。QED。やったね!

     最近は後輩の結婚式にも呼ばれるようになり、なんでみんな普通に結婚できてるのか、まるで理解不能。
     みんなが普通にできていることを、自分はどうしてできないのか。
     恋愛せずとも、恋愛に苦しんでいるのは。俺は。

     本書では恋愛障害に至る原因を深堀するところからスタートして、自尊心を取り戻すことを目的としている。
     この、自尊心というのが大切らしい。
     自尊心がなく、卑屈である。あ、それワタシのことです。ワタシ私はいはい!

     なぜ俺には自尊心がないのか。チラシの裏感覚で過去から掘り下げてみる。

    ・幼稚園~小学校時代
     音大附属幼稚園でコーラス部をしていた。
     好きでもないのに、一人舞台で歌ったのは一生のトラウマもの。
     小学校前には水泳、三年生からは学習塾、どれもやりたくて始めたわけではなく、実際やりたくなかった。
     
     いい大学に入って、いい会社に入ることが人生の目的と刷り込まれていた。
     押し付けに従うことが目的の日々だったが、与えられた指令はこなして勉強できていたので、小学校では他人と比べて自分は有能だという自尊心があった。

    ・中学校~高校時代
     中学一年半ばにして、とある一件から中高一貫の六年間、女子に恐怖を抱いて会話が全くできなくなる。思い返しても未だに腸煮えくり返る。
     
     普段は勉強できないくせに、テスト前一週間の詰め込みで成績上位を維持する。
     成績が悪くなければ目立たない。真面目を免罪符にして全く将来のことを考えていなかった。

     中学校の時に就職氷河期で、将来就職に困ることはなさそうだからと理系コースに進む。しかし、数学・科学には全く興味がなかったことを思い出す。
     本当に好きだったのは英語・工芸だった。
     
    ・大学時代
     最初の数か月は友人ができずに毎日苦しんでいたが、サークルに入って人間関係はうまくいくようになった。
     初めて自由にどこでも行けることを実感した時期だった。
     相変わらず将来の夢を考えてこなかったので、まだ就職したくないと大学院二年間のモラトリアム。相変わらず、電気は全く好きじゃない。
     
     そして就活。いきなり将来の夢を考えろと言われてものすごく戸惑う。将来やりたいことないから。
     リーマンショックの影響食らった2011年卒で、そんな中身空っぽな人間に与えられる仕事などなく、研究室では最長の半年以上就活を続けてた。
     他の人は四月には内定を複数持っているのに、どうして俺はダメなんだろうと、不安で軽く不眠症になる。
     最終的には某社二次採用試験で、ようやく地方支社の一般職に滑り込む。
     ここで、俺は何やってもダメだと、ルサンチマン精神が刷り込まれる。

    ・会社員
     どうせ期待されていないなら何やってもいいかというのが内面の自分。上司からは、これもやってみたら?と言われるままに海外留学や論文提出をこなしてしまい、飛び級で東京に引っ張られるまでになってしまう。
     ダメ人間の内面の自分と、対外的には良い顔して期待されている自分とのギャップには今も苦しんでいる。
     
     本当にやりたかったのは
    ・自転車で世界を駆けずり回ること、
    ・高校時代に唯一、二期連続学年一位だった工芸が俺の進むべき道だったのではないかということ、
    ・自転車を中心にしたゲストハウスの運営
     だったのではないかと、今になって夢を持ち始めているのに、その間にも、好きでもない仕事で成功を重ねてしまっていて、もはや退出不可能なことをわかっていること。

     というのが、自尊心なく卑屈なワタクシになぜなっているのかを振り返ってみた。
     遺伝的に躁鬱の気がある。今が鬱状態になっている自覚もあり、躁状態の時には何でもできる気がするという二面性もある。
     面倒な奴だな。俺。


     自尊心を取り戻すにはどうするか。
     自分を肯定して褒めてあげるというのが大切だというが、こんな自分は褒めてあげるに値しないと思っている。

     理想と現実、
     内面と外面、
     躁状態と鬱状態、
     
     全てにおいて二面性を持つのが俺の特徴であり、全てを肯定するには範囲が広すぎる。


     さて、ここまで自己分析してこれからどうするの?
     最終章では「一人で過ごせる人」になることを目指す。
     すでに、なっている。

     じゃあ結論。このままでいっか!おしまい!!
     一人で生きて一人で死ね。

  • 「こじらせ」を治したくて読んだ本。
    健全な恋愛、健全な人間関係のほうが当然幸せなので。

    ・「ついで」をお願いする
    ・気持ちよく奢られる→「いいの?ありがとう!今日はすごく楽しかったです。」
    ・きちんと怒る→「この人は自分と同じじゃないんだ。大事な人として尊重しなくてはいけないんだ。」

  • 自己分析させられる本。

    自分がどういったタイプに当てはまって、今後どういったことを心がければ良いかは分かると思う。
    私は男ですが、参考になりました。

    パートナーに要望は言わんとやし、そういうときは自分も譲歩の姿勢を見せれば大丈夫よね。
    常識の食い違いを擦り合わせていくのが恋愛を長く続ける秘訣かもと思いました。

  • トイアンナさんのブログが好きなので、読んでみました。

    タイトルは「恋愛障害」だけど、恋愛に限らず人との関わり方に悩みを持っている人とか、自分に自信がないと思っている人が読めば、何らかのヒントが得られるんじゃないかと思う。

    人に対する愛情の抱き方には、幼少期に愛情をどのように受けたかが影響している―
    そう聞いて、私は普通の家庭で育ったし、学校でいじめられたこともないし、と思っていた。けれど、4章以降の「自尊心を高めるエクササイズ」に従って過去を思い出してみると、今の自分の特徴を作ったきっかけが確かに見つかった。それは家庭での出来事もあるし、幼稚園や小学校で友達に言われたこともある。そして、20年近く前のことなのに情景をはっきり覚えていて、思い出すことによってショックを受けている自分にびっくりする。
    けっこうつらいエクササイズだけど、自分の特徴が客観視できるようになるし、当時と今とは違うのだからもう同じことで苦しむ必要はないんだ、と思えるようになる。まだ本文を追いながら軽く思い出してみただけなので、一度はノートにちゃんと書き出してやってみたい。

  • 読了。なかなか本屋になくて結構探した。凄く筋の通った話であった。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

慶應義塾大学法学部卒。P&GジャパンおよびLVMH ウォッチ・ジュエリー ジャパン株式会社でマーケティング業務を担当。ライターとして「外資就活ドットコム」をはじめとする就活媒体を支援しつつ確実内定メソッドをSNSで公開。大手企業の採用ページを執筆するなど広く採用へ関わる。これまでに4,000人以上の就活生の相談に乗る。ブログは月間最大50万PVを記録。現在はオンライン・ビジネススクール「スキルブートキャンプ」を運営。

「2021年 『改訂版 確実内定 就職活動が面白いほどうまくいく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

トイアンナの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村田 沙耶香
恩田 陸
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×