武器としての人口減社会 国際比較統計でわかる日本の強さ (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039370

感想・レビュー・書評

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  • 経済協力開発機構(OECD)の東京センター長らしい。日本では平均的に労働スキルは高いのに活かしきれてないとの論調。欧米では働く女性は子供をベビーシッターに預けてフルタイムで働く。日本では保育園待ち問題でフルタイムは困難。各種のデータでいかにも説得力ありそうだが、何か重要なところが抜け落ちているようにも思える。

  • 国際比較統計ということで大局的すぎて具体的に何がどうということが腹落ちしないまま読み終えてしまった。日本人は能力はあるのだから、特に女性や高齢者やニート層などの埋もれた人材を活用し、日本の技術を生かすシステム、政策を取り入れていけばそれが強みになるということだったのかな。埋もれた人材の活用は大いに賛成。仙台市でも人口1パーセントが生活保護を受給していて、多額の税金を垂れ流している現状。今や通勤しなくてパソコン一つアイデア一つで仕事ができる時代。こうした人材を活用して社会に役立てていくことは必要。女性については、子育て世代を支援する仕組みが必要。保育士の所得向上と保育園の教育システム構築が望ましいかな。小学校の学童保育も在り方を考えて欲しい。無償化よりも質の向上と子供の受け入れに柔軟な対応ができる仕組み作りを望むかなぁ。本書は人口減少が武器になるというよりは、人口減少でも悲観しなくていいよというレベルの本だったように思う。何かワクワクするような視点の転換が起きるような本ではなかったことが少し残念だった。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・著者の主張には賛成できる部分もあるが、その主張の裏付けに説得力の乏しいものがあるだけではなく、牽強付会としか思えないほど強引なものもあり、そのせいで「主張」自体が色褪せてしまっている。

    ・著者の属人性を割り引いて読もうとも思ったが、ここかしこで、私がどうした、私の時はと例示するので、それもできなかった。

    ・週刊ダイヤモンドの新年号で2016年に出た経済書のベスト10プラスアルファがあり、本書は17位に選ばれているが、これで17位とは、昨年の出版事情がお寒かったのか評者連が大したことないのか。

    【目次】
    第1章 人口減少が武器になるとき
    ICT・AI革命が仕事のあり方を変える
    必要とされるのは定型化できない仕事
    低い失業率がオートメーション化を後押しする
    日本人のスキルはトップレベル
    「人口ボーナスの時代」から「人口ペナルティーの時代」へ
    小国からの教訓
    【コラム】OECDの教育、技能調査について

    第2章 眠れる「人材」大国・日本
    埋もれた人材を掘り起こすとき
    日本の中高年齢層は優等生
    企業の世代間交流が多様性を生む
    日本のニートは高学歴
    出る杭を伸ばす
    「人材」を「人財」に変えられるか
    30代で幹部になる
    アップ・オア・アウトのキャリアシステム
    アマゾンの働き方騒動
    ハイブリッド人事への道
    労働市場の二重構造の解消

    第3章 女性は日本社会の"Best Kept Secret"
    古くて新しいウーマノミクス
    女性がGDPを押し上げる
    男女の賃金、昇進格差の解消が急務
    女性活用とイノベーション
    日本の女性の実力と意欲
    リケ女を増やすには
    M字カーブに見る日本の損失
    生涯賃金で考えるキャリア断絶のコスト
    賃金格差が貧困を生む
    賃金格差が解消すれば結婚したくなる?
    One More Babyの壁
    インフラ以上に重要な周囲の理解
    機会均等実現には「ムチ」の議論が必要
    ロールモデルの重要性
    ルールモデルは女性とは限らない
    日本の女性は"Best Kept Power"

    第4章 働き方革命のススメ
    Time is Money !
    時間は有効資源
    優秀なボスの条件
    「もうビジネスディナーはしない」
    人生の波を乗り切る働き方革命
    高齢化社会で求められる多様な働き方

    第5章 日本のイノベーション力を活かせ!

  • 日本が、これから入っていく (あるいは既に入っている)
    人口減の社会でどうやったら頑張れるか、という話だった。
    OECD東京のトップをしている、というだけあって、
    普段の視点とは違った視点で物を見ることができて面白かった。

    その一方で、会社の中でもどんどん出世できるような優秀な人が著者なので、
    ほとんどの人には参考にならない情報も多いような気がする。
    「優秀な人が全体を引っ張る」というアメリカみたいなスタイルに
    日本はなっていないので、「優秀なひとも優秀でない人も頑張れる」
    っていうことが必要なのかな、とも思う。

  • 日本人の能力の高さの客観的なデータによる考察と、イノベーションを起こす事に注力するのではなく、拡散、浸透、活用していく事に焦点を絞り、国家戦略を構築していくという視点に共感した。但し、女性活躍推進や時間価値を注視した「働き方改革」の記述については、データはあるものの、今ひとつ雑な記述が多いかとも感じた。

  • 自分の言いたいことに合わせて、データを利用している感が否めないのと、新しい視点というよりも、あちこちで言われていることをまとめた感じ。武器としての、、というほどの提言になっていないのも?ただし、理路整然としていて読みやすい。

  • 定型的な仕事はコンピュータやロボットによる自動化に任せ、高度なスキルを要する仕事に集中すること。中高年齢者、女性、ニートから眠れる人材を掘り起こすこと。とは言え、長時間労働で休暇も少ない現在の日本の労働環境をガラッと変え、労働市場を流動化させ、多様な働き方が出来るようにしないと難しい。今後の日本の深刻な労働力不足が本当に追い風になるだろうか?

  • 2016/11/1 読了12

  • 失業率が高く人材が余った状態にある欧米諸国に比べれば、労働力が不足している日本には、人口知能の技術発展による雇用革命を受け入れる環境が整っているはず・・
    だとか。
    今までマイナスと捉えられていたことが、逆にプラスになっていくということか、そうなればいいのだが。

  • 書かれている内容、提言されていることは標準的・教科書的で読んでいて熱くなるようなことは全くなかった。ただ、グローバルに活躍してきた日本人エリート女性の見方・考え方に触れ、自分の頭を整理するという点では、読む価値のある書と言える。

著者プロフィール

京都大学

「2023年 『中国新石器時代文明の探求』 で使われていた紹介文から引用しています。」

村上由美子の作品

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