古市くん、社会学を学び直しなさい!! (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
3.61
  • (27)
  • (73)
  • (55)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 809
感想 : 84
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334039479

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 社会学のカタログ的な本。それぞれの研究者の思いや考えを引き出しています。参考文献も多数あり、少し腰を据えて社会学を学んでみようと思いました。

  • 社会学のプロに、社会学とは何か?問う事をテーマに古市氏が述べている。

  • 社会学とは?
    小熊英二 評論家。社会学が他の学問と違うところは、経済とか政治とかに分類できない社会を対象にしたことだった。しかし私の見解では実際には社会学は、残余項目の学問になっていったと思うんです。
    佐藤俊樹 90年代より前の時代は、マルクスとパーソンズが東と西の二大巨塔。それを学ぶことが社会学だった時代。社会学と言う学問はダイアログですが学べない部分があります。優れた説明というのは、複数の選択肢を整合的かつ具体的に説明できることです。社会学者に無限の寿命を与えたら、いつかは疲れて社会学者を止めて宗教家にになるのではないか?
    上野千鶴子 人と人との間に起きる現象について研究する学問。エビデンスに基づく経験科学だということです。仮説とは何かを学生に説明するときは、あなたの思い込みと偏見の事だと言っています。研究がエビデンスに基づくと言う事は、敵を正確に知るということ。そこを間違っちゃいけない。研究と言うのは、アーティストの仕事じゃなくて職人の仕事なんです。社会学は経験科学だから、答えの出ない問いは立てない。英語で受発信できない研究者はグローバルには存在意義がない。
    仁平典宏 社会学者の1人で社会学の定義があるといわれます。方法論の部分から見た方が、社会学の特徴は家やすいだろうというのが僕の考えです。
    宮台真司 僕たちのコミュニケーションを浸している、自然的ではない〜前提の、総体を研究する学問。マルクス主義を解毒する為の共通認識が、レヴィストロースの構造主義。宮台、大澤、一般理論を作ろうとした最後の世代。
    大澤真幸 社会学は社会の自己意識です。社会が自分自身を意識するときに、自分が何者かと言うことを考える。
    山田昌弘 家族社会学 パラサイトシングルや婚活
    日本では、まだ前期近代的な考えがあって強く残っています。終身雇用だとか安定を望む学生が多いのもその表れです。多少景気が良くなると、前期近代に戻れるんじゃないかと言う人が増えてしまうのが困った所です。

  • 「社会学とは何か?」を10名ほどの社会学者の対談相手に質問していく。素人には小難しい内容。確かに社会学を説明しろと言われると難しい。「○○社会学」となるとなんでもありになってしまう。メディアマーカーへの登録のタグもとりあえずジャンル分けに困ると「社会学」か「雑学」にしている。雑学といっしょにしてしまうのは失礼だけれども。

  • 橋爪大二郎/大澤真幸「社会学講義」と一緒に読んだ。
    入門性★★★★☆
    専門性★★☆☆☆

  • 学者同士の対談なので基礎知識がないとわからない言葉がたくさん出てきます。注釈がほしかった。

  • 「社会学とは、なんですか」と聞かれたら、みなさんはどんな答えを出すでしょうか

     テレビでも活躍中の社会学者である古市憲寿さんが、12人の社会学者達と対談をしながら研究者たちにとっての社会学観を探っていく1冊。大澤真幸さん・上野千鶴子さんをはじめとして、代表的な社会学者達がどんな考えを持っているのかが、非常に分かりやすく述べられています。

     さて、社会学ってなんだか遠い存在だと思っている人もいるのではないでしょうか
     社会学者たちが浸透させた言葉や考え方の中には、みなさんにとって身近になっているものもあります。例えば「婚活」という言葉は、社会学者山田昌弘さんが提案して社会に浸透した言葉です。

     この本を読むことで、自分にとっての「社会学」の位置づけが構築される1冊です。ちなみに、私は大澤真幸さんの「社会学を勉強すると、自分が直感的に押さえていたことを、概念を使って、精密に複雑に説明できるようになるんです」という言葉に、非常に納得させられました。
     
     この本を通して、自分なりの「社会学」を見つけて下さい。

  • 社会学とは何かを知るのに良い本。

    でもそれ以上に、社会学を切り口として、これだけの研究者たちについて、その頭の中や人となりに触れることができるのが楽しい。

    また、古市氏の立ち位置と素直で遠慮のない問いが、手慣れたインタビュアーには見せないであろう顔を引き出していて、面白い。

    それにしても東大出身者が多いのは、単純に著者がそこに在籍しているためなのか、はたまた世の名の知れた社会学者は東大出身者が多いためなのか?

  • 社会学入門の入門

  • わかったようでわからない学問分野のひとつ、「社会学」が、何を勉強する分野なのかがよくわかります。

    経済学、法律学、経営学のあたりはなにを勉強するかなんとなく想像ができます。

    社会を学ぶ、と言われると、何を勉強したって社会勉強でしょ?となってしまいます。いわゆる「社会勉強」と社会学とが全然ちがうことは、日本の社会学の大家であるセンセイ方の言葉を読めば理解ができます。
    年代も学ぶ対象のちがう複数のセンセイを並べ、それって〇〇ってことですか?と、無邪気に聞いてしまえる立ち位置は、今のところ古市センセイが独占しています。

    自分が語るのではなく、語らせて、理解する。
    聞き上手の進化系が学べるのが、古市本のいいところですね。

全84件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1985年東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。2011年に若者の生態を的確に描いた『絶望の国の幸福な若者たち』で注目され、メディアでも活躍。18年に小説『平成くん、さようなら』で芥川賞候補となる。19年『百の夜は跳ねて』で再び芥川賞候補に。著書に『奈落』『アスク・ミー・ホワイ』『ヒノマル』など。

「2023年 『僕たちの月曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古市憲寿の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×