- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334044305
感想・レビュー・書評
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喜瀬さんの愛情を感じつつも、客観的な文章が加わって一気読み!
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shampoo2006さん喜瀬さんの、愛情を感じつつも、客観的な観点を交えた文章に惹きつけられて一気読みしました✋喜瀬さんの、愛情を感じつつも、客観的な観点を交えた文章に惹きつけられて一気読みしました✋2022/08/17
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私には、この人を批評する資格はない。読み終わってしばらく本を置けなかった。帯を読んである程度結末がわかっていながらも、読みながら主人公の根鈴氏を応援してる自分がいた。日本は、はみ出しものや、異端児に冷たい社会だ。落ちこぼれという言葉がそれを象徴してる。個性が強いと言えばいいのだろうが、それすらマイナスのイメージがつきまとう。そして、彼らの心の中にこびりついた垢が溜まり過ぎてしまった時に、意図とは違う形で爆発して表れがちだ。そしてそれが誤解を生み、衝突を起こし、悪循環に陥ってしまう。その巨大なエネルギーを許容し、理解し、導いて行けると、すごいパワーが生まれ、すごい輝きを放つというのに、世間は得手してそれを知らないし、取り扱い説明書もない。根鈴氏の周りには、そういった素晴らしい大人もいれば、そういう境遇を理解しようとしない鼻持ちならないエリート主義者が対峙したりもしている。けれど、彼の得たかけがえのない様々な経験は、現在根鈴道場として発展し、オリックスのラオウこと杉本選手など多くの野球人に継承され始めている。本の中では、光の道を歩いた同期のイチローとの対比が描かれていくが、この無類の野球好きの二人は、最後の最後まで無様になろうとも完全燃焼してやり切ったという点で初めて交わる。二人とも人と違う道ややり方でも、悔いのない人生というかけがえのないものを人生で得ている。そこはやり切ったものにしかわからない清々しい境地で、凡人の我々には眩しいばかりに羨ましい。
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不登校、引きこもり、高校中退、渡米、定時制高校、法大、再渡米、帰国し独立リーグ、現在は野球塾経営。移植の経歴の野球選手の半生。
高校野球の名門校に入学するも中退。日本ではコースを一旦外れると復帰は難しい。屈指の強打者は渡米や人との出会いを通じて野球を続けていく。そしてあと一歩でメジャー。イチローより早く日本人野手初のメジャーリーガー目前まで行ったという根鈴雄次という野球人。
根鈴の薫陶を受けた廣瀬純(元カープ)、GG佐藤など。2021年ブレイクしたオリックスのラオウ杉本も野球塾で打撃開眼しているそうだ。
高校から大学や社会人野球。名門校からプロという流れだけでない他の道。一人の野球人を追った屈指のノンフィクションです。
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かつてイチローと同学年に不登校から紆余曲折の野球人生を経て、メジャーまであと一歩となった男がいた。
高校不登校からアメリカ留学、定時制高校を経て23歳での大学生活、そこからマイナーからメジャーへの挑戦へ。根鈴雄次は野球人生もバッティング理論も独特のもので、それが多くの人を惹きつけていく。
根鈴が高1で不登校になったのは89年。中学校で不登校が爆発的に増加して一気に10万人を越えるのは90年代の後半で、そこには約10年の開きがある。その後、不登校の世界ではフリースクールやサポート校などができて、オルタナティブな学校の在り方が少しずつ広がっているが、これは根鈴が野球界の中でやってきたことと非常にリンクしていると感じた。
最後にイチロー引退につながっていくのも良かった。
不登校関係者も野球関係者も必読。 -
東2法経図・6F開架:B1/10/1022/K