- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334044763
感想・レビュー・書評
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私自身は高学歴ではない。
どちらかというと、就職氷河期世代_ワーキングプアである。
非正規公務員を長くしていた中で、ポスドクの人に接する機会がかなりあったと思う。彼らの生き様を垣間見てきたこともあり、この本を手に取った。脱出という言葉に少しだけ希望が持てる。
私が研究者でないから言えることなのかもしれないが、最後まで生きること、食べていくということを諦めてはいけない。大学移転に伴い、様々な事情を抱えて焼身自殺された方のニュースは本当に痛ましく、衝撃を受けた。
コロナだけでなく、数々の自然災害にも見舞われ、益々生きていくことが困難な時代になりつつある。生きようとする人を応援できる心を持ち続けたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
博士になったらいい仕事がもらえるわけではないことを改めて感じた一冊。安定雇用で給与をもらえるようになると安心してしまって研究意欲が下がるというのは筆者以外にも心当たりがありました。本書をとおしてわかったことは「教職員みんな(=人間)安定が好き」ということです。
●この問題は解決しない
ノーベル賞受賞者が訴えても、政治に関係しないからなど筆者の主張には納得感がありました。とはいえ近年、若手研究者の補助金などを意識的に増やす傾向はありますが、その先のポストが増えているわけではないというトラップがあるのです。
●学校の内紛の話は少し冗長でした
様々な関係者との根回しなど、おそらく関わった筆者の感覚はさらに長かったからでしょう。大学を支配したい経営層とその方針に反対する教職員というのはよく見られる構図だと思います。が、外野から見るともっと大事なことあるんじゃないかな、その場所で学ぶ学生を置いてっていないかなと思わざるを得ません。でも内紛関係者は自分の仕事(給与)がかかってると思うと、ステークホルダーがどうでもよくなってしまう時があるのは、どの仕事でもあるあるかもしれません。 -
◾️概要
博士号を持ちながらも、パーマネント職につけない人材が多数に及ぶ現状を、鋭く切り取る。世間では触れられない不都合な真実にも目を向け、ノウハウを余すところなく伝授する一冊。
◾️所感
自身のキャリアに活きる学びを得るため、読みました。
偶然によるところが大きいが、チャンスを引き寄せる場にいるように常に心がけていたことは無視できない要因。
どのような環境に身を置きながらも、直面する出来事に対して、それがうまくいこうとそうでなくとも、自分なりの意味づけと解釈を見出すことができるか。己をどう納得させ充実感と誇りを持てるか。
というのは、一般のビジネスパーソンにも当てはまると思いました。 -
前書を興味深く読んだので本書も楽しみに読み始めたが、エッセイ色がかなり濃いかなという印象。
「人事は決める側が握っていていろんな事情があるから、落ちたとしてもあなたの力量のせいとは限らない。切り替えて頑張ろう」というのがメッセージかな。 -
「高学歴ワーキングプア」からの脱出。水月昭道先生の著書。高学歴博士が高学歴博士という事実だけで評価されて尊敬された時代は過去のものだし、末は博士か大臣かなんて言葉はとっくに死語。全ての高学歴博士がきちんと評価されて尊敬されることが本来あるべき姿だけれど、全ての高学歴博士をきちんと処遇するほどの余裕は今の時代にはないのが悲しい現実なのかも。高学歴博士というだけでは生きていけいない。高学歴博士たちもコミュニケーション能力やしっかりとしたコネや人脈を持つ高学歴博士じゃないと生き残れない現実に直視すること。
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結局コネクションな、大学現場。
・人事権はそれを掌握するものがすべてを握る→だから落ちたとしても、自分の実力不足など思い悩む必要はない。それよりも自分のするべきことに邁進しろ!!
・必要とされるのは潰しが効くマルチな人材、業績も大事だがそれよりも人柄。
・最終面接に一度でも呼ばれたなら、壁を越える日は近い。 -
・教授会vs理事会、教授の人事は教授会が掌握
・医学部入試点数調整問題を擁護するのはいただけない、応募要項に「男女差別をします」と書いておけば問題ないのか?都立入試の問題と同じになるだけでは?
・学校歴格差と男女差別は違うと思う
・高学歴ワーキングプア問題は1991年にはじまる大学院重点化計画に端を発している
・仏教的な観点は、何事もプラスに読み替えていくこと
・コネ大事 -
夏目漱石の高等遊民