定年前、しなくていい5つのこと 「定年の常識」にダマされるな! (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334045135

感想・レビュー・書評

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  • 著者は、60歳で証券会社を定年後、半年間だけ再雇用で働いたそうです。
    ちなみに、私の場合、現在60歳で、今月末で定年退職になるようです。
    詳しい説明は受けていないのですが、継続雇用になるのは間違いないようです。
    関連書類は、自宅に送付したということなので、多分明日には着くと思います。
    定年かああああ~。
    早いものです。

    さて、この本の章立ては、

    第1章 お金の心配、する必要はナシ!
    第2章 サラリーマン脳は捨てよう!
    第3章 夫婦で旅行なんて行かなくてもいい
    第4章 地域コミュニティとは付き合わなくてもいい!
    第5章 趣味がなくても一向に平気!
    第6章 でも、これだけはやっておこう
    第7章 人生は60歳からが面白い

    となっており、興味深い内容が想像されます。


    ●2024年1月6日、追記。

    亡くなられたとのこと。

    ---引用開始

    経済コラムニストの大江英樹(おおえ・ひでき)さんが1月1日午前5時26分、神奈川県内の病院で死去した。71歳だった。喪主は妻、加代さん。

    野村証券で定年まで勤務した後、資産運用やシニアライフ、行動経済学などの分野でコラム執筆や講演、テレビ、ラジオのコメンテーターとして活動した。

    「90歳までに使い切る お金の賢い減らし方」など著書多数。

    ---引用終了

  • 本書が主張する5つのしなくていいこととは、

    1.お金の心配
    2.再雇用で働くこと
    3.夫婦での旅行
    4.地域コミュニティデビュー
    5.趣味デビュー

    1については、一時話題になった「老後2000万円問題」は誤解に基づくもので、年金制度も絶対破綻しないことから、支給される年金に合わせた生活をすればよい、という主張。

    2については、再雇用は責任、権限および報酬が縮小され、最長でも65で強制終了になってしまうので、それだったら早めに起業した方が良い、という主張。

    3については、定年後に今更妻を大切になどと言っても、相手も迷惑なので、お互いに適度な距離を保った旅行なコミュニケーションの構築で十分、という主張。

    4については、今までの会社という縦社会をホームとしてきた人が、地域コミュニティというフラットなアウェイ組織へ入ってもお互い苦労するだけで、かつもめた際も地元であるだけに逃げられないことからも、無理して入る必要はない、という主張。

    5については、定年後に何か急に趣味を始めても金と時間の無駄になることが多いので、無理して始める必要なし。定年後に趣味に集中したいということであれば、定年前から始めておいて、定年後に本格的に集中した方が良い、という主張。

    上記5つは、本書内では派生する話題も含め、さらに著者の実体験を含む事例やデータを挙げて、詳述されている。

    定年間際の人はもちろんだが、定年が視野に入ってくる50歳くらいのサラリーマンは読んでおいて損はない本だと感じた。

  • ここ数年で法律が整備されたこともあり、私が社会人になった頃には当たり前だった定年60歳も変わってきています。ですが、少なくとも7年位前までは現在勤務する会社でも、定年後は静かに暮らすという先輩を見てきた私にとっては、最近の変化には驚いています。

    60歳を過ぎてからどう過ごすかという指南本は多く出ていて何冊か読んできましたが、共通しているのは「働き続けなさい、年金はできる限り後で受け取る」というものが殆どでした。

    この本に惹かれたのは、60歳まで40年近く頑張ってきたのだから、60歳以降の定年以降は、再雇用・再就職ありきではなく、もう少し肩の力を抜いて、自分の好きなように、注意点として、他の人(特に伴侶)に迷惑をかけない生き方を目指しては、という提案がなされていたからです。

    私も60歳の誕生日を迎えるまで、あと3年と少し、自分のやりたいこと、やりたかったことを見つめ直し、それを実現するために、現在の生活スタイルのどの部分を変更すべきか考えてみる良いきっかけを与えてくれた本となりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・年金の大きな改定が行われたのは2004年、それまではお年寄りに払う年金額が固定、それに応じて現役世代の負担を決めていたが、それ以降はまず現役世代の負担を決めて、それに合わせてお年寄りが受け取る年金額を調整するという形になった、これにより社会全体で全世代的に痛みを分かち合う仕組みになった(p21)これから20年間ぐらいが財政的に厳しい時期になるが、強い味方もある、それが「年金積立金」2019年末で200兆円あり、これは4.9年分に相当する、米:3年分、欧州:数ヶ月分と比べて多い(p22)

    ・老後に2000万円必要という話があるが、20年間の保険料(年間40万円支払っていれば800万円)を止めれば、その4割はカバーできる(p43)保険に入る必要のある3条件とは、1)滅多に起こらない、2)もし起こったら自分で賄えない、3)いつ起きるかわからない(p49)

    ・現役時代の働き方ではく、月に5万円でも10万円でも稼げれば良いと考えることが大事(p54)楽しいと思える仕事をする、その理由は、好きなことをやっているというよりも自分に決定権があることが大事(p62)

    ・定年起業でやってはいけないこと、1)人に勧められてなんとなく起業、2)起業にお金をかけすぎる、3)規模の拡大と借り入れをする(p86)

    ・趣味というものは、毎日忙しく仕事をしている中で週末とか休暇の間にやるから楽しいことのであって、毎日趣味三昧になったらそれは趣味とは言えない(p89)

    ・自分で仕事を始めると、全てを自分で考え、自分で判断していかなければならない、それまで優秀だったサラリーマンだった人ほど、こうしたことが苦手だったりする(p97)

    ・妻が夫に願うのは「放っておいてほしい」ということ、上品に言えば「私の世界を尊重してほしい」ということ(p108)夫婦で共通の趣味を持つということが大事なのではなく、楽しい生活を送るために、どうするのが一番いいかを考えることが大事である(p115)

    ・女性は「解決策を求めようとしている」のではなく、「困った問題に直面しているということに共感して欲しい」のである。「ああ、そうか、それは大変だね、でもよく頑張っているね」という声かけが大事である(p118)

    ・定年になった夫は、名もなき家事(後片付け、食器洗い、掃除のチリ捨て、掃除機の掃除など)こそやるべきである(p125)歳をとって起きる三大不安は、健康・お金・孤独、である。最も大事なのは「健康」であり、次は「孤独」である(p136)

    ・人生を25年ずつ4つの時期に分けると、0−24歳:学生期、25ー49歳:家住期、50−74歳:林住期、それ以降が遊住期、人生で最も充実しているのは、25−49歳であるが、人生のゴールデンエイジは、50歳から始まる「林住期」である(p137)

    ・気持ちはともかく生活様式は、やはり変えた方が良い。具体的には、それまで「時間をお金で買う」生活から、「時間でお金を買う」へ変化させる。具体的には、少々時間がかかっても、何でも自分でやってみること(p182)

    ・定年退職後は、遊びの年間計画書を作成する、計画を立てたらそれは達成しなければならない、というサラリーマン脳から抜け出すようにする(p198)これを作成すると、流されない生活を送れるようになる。(p199)

    ・定年を前にしたら「成仏すべし」つまり、いつまでも会社人生にこだわらないで、新しい人生に向かうということ(p203)健康面では、早く寝る、食べ過ぎないように気をつける、ちょっとした運動(エスカレータの代わりに階段を利用する)をする(p210)

    ・60歳を過ぎたら、貯金よりも「貯人=人との繋がりを大事にする」そのためには、「貯信=信用を貯める」こと、信用されるには、「ギブファースト」の気持ちが大事(p215)貯蓄よりも、減蓄=お金に限らず、自分が身につけてきたもの、蓄えてきたものを人生の後半で少しずつ処分する、ということも大事(p218)

    ・寿命中位数(50%の人が生存している年齢)で考えると、現在は男性:84歳、女性:90歳、今の50歳の男女が今の平均年齢に達する頃には、男性:90、女性:97歳となっているだろう(p236)

    ・今まで自分は大した仕事なんてしてこなかった、と考えることはとても大切である。定年後に自立することが最も大事、普段はゴロゴロしていても良いが、自分が家に居ることで家族に負担がかかっていないかどうかを考えるべき。自分が家に居るのであれば、料理でも洗濯でも掃除でも何でも良いので妻の負担を減らすことを考えるべき(p247)

    2021年1月17日作成

  • 年金の心配と再雇用がしなくていいこと。あと奥さんの身になって老後の振る舞いを考えてみることが、行うべきこと。

  • サラリーマンは不安はないけど不満だらけ、自営業は不安はあるけど不満はない。
    終身雇用は懲役38年、っていうのは唸ったな笑

    起業で一番大事なのは、企業理念を持つこと。ミッションステーショメント。これが私の仕事の使命だと思っていたら、やるべき仕事とやらざるべき仕事が明確になる。

  • 心配性&めんどくさがりなので、やらなくていいことはやりたくない、ということで気が早いが読んでみた。仕事を辞めたらどうするかを最近考え始めた、あまり転職したことがない男性向けの本だった。心配性のわたしには基本のき、みたいな情報が多い。「退職金で投資を始めるな」とか。そうですね。

    とはいえ、定年後も肩の力を入れずに楽しく生きているおじさんの話を聞く感覚は悪いものではない。健康なバイブスというやつである。対象読者にはおすすめできる一冊。

  • 早く成仏したいと思います。

  • 一般的に言われている定年後の懸念が綺麗に払拭され、前向きな気持ちになれて非常に良かった。
    しっかり定年後を楽しみたい。

  • 点訳のために読んだので、自分の意思で買って読んだわけではないのですが、役に立ちました。この手の本はたくさんあるので、あまり信用してなかったのですが、年金問題にしても、マスコミに踊らされて安易に行動するのではなく、きちんと事実を知識として仕入れて、判断をしないと思いました。そういうことが、年金以外にもいろいろ書かれていて、またすごくわかりやすく解説されていて良かったです。いろいろ共感できたことは多かったのですが、50過ぎれば、会社から少しずつ距離を置いて、自分の知識、ノウハウを後進に引き継ぐ、ここに一番共感が持てたと思います。こういう人が多くなれば、会社も若い人の居心地が良くなるのでしょう。そう思うと、会社ってめんどくさい場所だと改めて痛感しました。

  • ◆年金は絶対に破綻しない ◆再雇用で働くのはおやめなさい ◆地域コミュニティは伏魔殿
    「お金」「仕事」「夫婦」「地域」「趣味」
    不安に駆られるより大切な“定年楽園"の考え方 【内容】
    間違った定年対策に惑わされないために 世の中の「定年準備」のアドバイスの多くは、不安を煽るタイプのものや、「べき」「ねばならぬ」論がほとんどである。
    そうしたものを見聞きしていると、定年を迎えることに対して憂鬱で心配な気持ちになってしまう?だが、実際に経験してみると、定年後の生活は、お金にしても仕事にしても、それほど心配する必要はなく「楽園」とすら思えることがよくわかる。むしろ不安に煽られて間違った行動を起こすほうがよほど危険である。自身の体験と豊富な取材・知識に基づいて、老後の不安解消のための考え方と「不安に駆られてやらないほうがいいこと」を具体的に指南する。【目次】
    第1章 お金の心配、する必要はナシ!
    1 「年金2000万円問題」の嘘
    2 年金は絶対に破綻しない
    3 これだけは絶対にやってはいけない! 「退職金投資デビュー」 4 投資は儲からなくても大丈夫
    5 年金っぽい金融商品を買ってはいけない
    6 老後に必要なのは「保険」ではなくて「現金」
    7 私が入っている三つの保険とは?
    8 退職金は取り崩してはいけない
    第2章 サラリーマン脳は捨てよう!
    1 「仕事のイメージ」が180度変わった私
    2 再雇用で働くのはおやめなさい
    3 タニタに見る働き方の流儀 4 定年起業が楽しい理由
    5 定年起業でやってはいけないこと
    6 早期リタイアはよいけれど……
    7 「女性の定年」不安な気持ちはわかるが、それほど恐れなくてもよい
    第3章 夫婦で旅行なんて行かなくてもいい
    1 【異論! 】定年後の夫婦のありかた
    2 男性目線のクサいテレビCM 3 共通の趣味なんて無くてもいい 4 夫も妻も異性の友人を持つべし
    5 名もなき家事こそ大切
    6 家事の協力――妻の言い分、夫の言い分
    7 熟年離婚も悪いことばかりではない
    8 「コロナ離婚」で考える定年夫婦のあり方
    第4章 地域コミュニティとは付き合わなくてもいい!
    1 地域コミュニティは伏魔殿
    2 困った〝マウンティングおやじ〟たち
    3 働く女性の地域デビューはもっと危険
    4 ボランティア活動も勘違いは禁物
    5 SNSはシニアの新しいコミュニティ
    第5章 趣味がなくても一向に平気!
    1 定年後に趣味を始めて失敗するパターン
    2 時間をお金で買うのではなく、時間でお金を買う生活
    3 勉強することは最高の贅沢
    4 こんなきっかけで趣味を始めるのも悪くない
    5 〝遊び〟の年間計画書を作ろう
    第6章 でも、これだけはやっておこう
    1 早く〝成仏〟すべし
    2 ちょっと無理する日常生活で健康維持
    3 「貯金」よりも「貯人」 4 「貯蓄」よりも「減蓄」
    5 介護不安に備える三つのこと 6 何でも自分でやるクセ
    第7章 人生は60歳からが面白い
    1 「人生100年」と言うけれど……
    2 今までたいした仕事なんかしてこなかった
    3 家でゴロゴロしていて何が悪い!
    4 アンチエイジングという間違い
    5 ついに僕は〝自由〟を手に入れた!

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著者プロフィール

経済コラムニスト/㈱オフィス・リベルタス代表
1952年、大阪府生まれ。大手証券会社で個人資産運用業務や企業年金制度のコンサルティングなどに従事。定年まで勤務し、2012年に独立後は、「サラリーマンが退職後、幸せな生活を送れるように支援する」という理念のもと、資産運用やライフプランニングに関する講演・研修・執筆活動を行なっている。『定年前、しなくていい5つのこと』『お金の賢い減らし方』(ともに光文社新書)、『知らないと損する年金の真実』(ワニブックスPLUS新書)など、著書多数。

「2023年 『50歳からやってはいけないお金のこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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