- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334045357
感想・レビュー・書評
-
納得感のある考え方で面白かった。
見てきたかのように語ってるけど、実は私とあまり歳の差なくてびっくり。研究熱心でお笑いが大好きなのが伝わってきた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
年末は『M-1グランプリ』、新しい笑いを堪能します。
-
面白かった。今までのお笑いの流れ。
世の中の変化とお笑いも一緒に変化?しているのがよくわかった。この本に出てきたお笑い芸人。ほとんど知っていてそれも面白く読めた一つかな。でも著者はよく調べたなあ!
仕事とはいえすごい! -
東大文学部で哲学を学び、お笑いに精通した著者が論じる「お笑いの歴史」。
テレビが始まった時代から、最近のお笑いまでを、その時代の流行とブレイクのきっかけとなったお笑いの発明とともに分析しているのが面白かった。
特に「芸はテレビに必要か」「テレビをいちばんと思うか」という視点(捉え方)が、時代によって違うのも読んでいてうなずけた。
著者も、自分も、いわゆる第6世代なので、この世代の分析もすごく身近に感じたし、他の分析本も読んでみたいと思った。 -
お笑い世代論。
売れたにもかかわらず深く探求されていない芸人もいるが、ここまで幅広く扱うというのであればやむを得ないか。
割と的確に分析されていると思うが、第三世代で最も人気があったのはウッチャンナンチャンというところなど(個人的にはどう考えても「夢で逢えたら」開始前でもダウンタウンだとおもうが)、ちょっと個人的な意識と違う部分もありし、なるほどね思うところも。 -
第一世代、「テレビ芸」の発明。第二世代、その確立。第三世代、「芸」から「笑い」へ。笑いの自由化。第四・第五世代、量産される「テレビ芸」への適応。第六世代、テレビでの限界。そして第七世代、テレビからの解放。
よくある恣意的な世代論の一つ、と切って捨てればそれまでだが、大略を掴むのにはちょうどよかった。芸人とテレビの関係を中心に「芸」「素人」など軸となるテーマがきちんと据えられており、また世代論による説明にも概ね筋が通っていると感じた。
特に第一から第三世代までは記述も厚く、レジェンド芸人たちの若かりし日の話は興味深い。各世代2組ずつを取り上げている、つまりタモリ、ウッチャンナンチャンが除かれているのも、この本の主題からすれば一応納得はいく(それだけ大きな部分を捨象していることにはなるが)。
一方で第四世代以降の章は、仕方の無い部分はあるもののどうしても苦しい印象がある。特に第六世代の章でキングコングとオリラジを取り上げるのは、結論ありきとの誹りを免れないのではないか。いかにも収まりの良さそうな芸人を選び出してやれさとり世代はどうのと性格診断をするくらいなら、例えばバラエティ番組における非芸人タレントの台頭など、芸人を取り巻く環境的な側面から言えることは他にあったはずだ。 -
●戦後、芸人が売れるとは、テレビにたくさん出るという事。
❶ドリフ、欽ちゃん
❷たけしさんま
❸とんねるず、ダウンタウン
❹❺ナイナイ、ロンブー
❻キンコン、オリラジ
❼霜降り、EXIT
●いかりや、娯楽は戦時中には禁止されていたアメリカを映画を見ることだった。戦後にアメリカ文化の洗礼を受けた世代
●初期のメンバーが一気に抜けてしまい、残ったのは加藤茶だけだった。そこから、ブー、注、工事が加入。ポスト、クレージーキャッツ。ポスト黄金時代のテレビ芸の体現者。74年の志村加入から雰囲気が変わった。 -
歌は世につれ、世は歌につれとはいうけれど、歌以上に世に連れ添って動くのは「お笑い」だろう。
本書は「お笑い」という切り口でありながら、見事に戦後日本の世代論になっているのは、そういうことだから、だ。
お笑いが世に連れ添って動くというのはいまの第七世代のネタを見てもわかる。
本書には収録されてないが、第七世代である三時のヒロインでネタを書いている福田が「女の自分がブスをネタにしても笑えない空気になる。ネタはネタであって、笑ってもらいたいという意図で作っているから、そういう空気が生まれてしまう以上、自分が気にしているとかではなくて、そういう視点はネタに入れずらい」と『ワイドナショー』で語っていた。
本書に引用された見取り図、盛山のすっぴん女の件は単純に滑っただけだと思うけれど、事程左様に一世代前とは笑いの基準が世の動きにつれて変わってきているんである。
世につれ…という意味では氷河期世代とも重なる第六世代がサムイ状況なのは切ない。
77~88年生まれ世代が頭角を表せないのは、明らかに時代の巡り合わせにあるとまたひとつ証明されてしまった感じ。
ツラい。 -
お笑い芸人とは、テレビという新大陸を見つけて繁栄し、そしていま、そこから離脱しようとしている人たちだ。日本の現代史を振り返るようで、とても興味深い。
第1世代の萩本欽一は、伝統的なお笑いの芸ではなく「テレビ芸」を開発した。「素人いじり」という鉱脈を掘り当てたのだ。これが次世代の明石家さんまに引き継がれる。ビートたけしは、本気でふざける。プロがあえて素人のようにふるまう。まさに80年代の空気だ。その次の第3世代ダウンタウン。彼らは、お笑いをスポーツのような競技に引き上げだ。一気に笑いのレベルを上げた。彼ら以降、芸人たちは、生きるか死ぬかの資本主義にほうりだされたのだ。これも90年代~ゼロ年代論といえる。
さて、現代はどうか。もはやテレビという共通の土台が失われつつある。お笑い芸人というくくりも、明確ではなくなっていく。きっと、お笑い世代論は、本書が最初にして最後となるだろう。 -
世代論にするとちょっと面白みが落ちる
面白い記述もたくさんあったけれども
やはりM1評などの方が面白いなラリー様