教育大国シンガポール~日本は何を学べるか (光文社新書)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334046453

感想・レビュー・書評

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  • シンガポールの教育というと、世界的競争力を持つ、先端のものをイメージしていたが、日本の受験と重なる部分があるのは意外だった。学歴でその後の人生が決まってしまう様子はアジア共通なのか。興味深い一冊だった。

  • シンガポールは教育大国であるとは聞いていたけれど、その弊害も大きいことがよくわかった。
    資本主義の社会で、何でもかんでも競争や目的
    持ちすぎるのもかえって不幸になることがあるのだと思った。

  • 東2法経図・6F開架:B1/10/1238/K

  • のびのびとした教育を受けさせるために、熾烈な受験を勝ち抜かなければいけないという皮肉。親としてじぶんの態度を決めきれないでいます。

    #中野円佳

  • 本書でメインで取り扱っているのと同じ高学歴の母親として、仕事と教育の両立についてすごく考えさせられた。
    教育とケア、ジェンダーの問題は常に問題意識をもって自分自身の行動を省みるようにしたいし、それが子どもに与える影響についても考え続けていきたい

  • 子育てがしやすいと言われているシンガポールだが、本当にそうなのだろうかという疑問を常日頃感じていたが、本作を読みその問いに納得感を得られた。
    子育てへの経済的支援は一時的なものであり、出生率は1.2程度と低水準。また教育に多額のお金がかかり、競争も激しい。日本の教育が悪いとは言えず、子育てのサポートも手厚いことを再認識した。教育について大事なことは機会を多く与え、自分の頭で考えることを学ばせ、好きな道に進む事をサポートしてあげることだと思う。

  • 特に幼児教育に関して、シンガポールに理想郷のようなイメージを描いていたが、日本と同じかそれ以上の苦労があるのだなと目から鱗が落ちる思いであった。

  •  「ネオリベメリトクラシー」シンガポールの教育競争や母親への負担を、負の面を主に描く。小学校卒業時の試験で快速(2/3)と普通(1/3)に分かれその後のコースが決まるのが特色。
     学校教育以外の習い事熱。政府がある意味「ゆとり教育」を掲げてもミドルクラスの親の意識は変わらない、文化資本も含めた格差再生産、といった点は日本とも共通するだろう。
     女性の就労が当然というイメージがあり、メイドや親への外注の不信や葛藤も指摘。それでも、子育て世代では3割前後の妻が無職だ。
     ただ、その教育熱から外れた、1/3の普通コースのような家庭の模様は本書の対象外なのか、ほぼ出てこない。著者が駐在員の妻という立場だったからかと思ってしまう。

  • シンガポールは教育競争、とくに中学受験がすごい(その時に全国統一テストがある)乳幼児期というかむしろその児童期以降の受験期に母親が専業主婦になりたいと希望する人も多い。


    シンガポールの方が国家形成の歴史としてより合理的に教育システムができあがっていて、できない子へ対する段階的な進路とかも用意されているけど、日本は挫折した子へ対する子へのケアが弱い。

    少子化でミドル層の教育熱が加速していて、周りがやってるからと塾の低年齢化は日本でも見られる。

    中学受験でただ“周りに打ち勝つ”ということを期待され、本来の勉強の楽しさではなく、偏差値や点数アップをゲーム感覚でやるようなことは、それが可能な環境である事への意識(感謝)が薄れ、

    のちのち個人の能力主義的な思想に偏り、差別的思想に繋がるのではないか(勉強しなかったやつが悪いんだとか)という問いが頷けるところでした。

    息子たちの中学受験を考えるにあたり勉強になりました

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著者プロフィール

ジャーナリスト、東京大学大学院博士課程

「2019年 『なぜ共働きも専業もしんどいのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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