ヴィラ・マグノリアの殺人 (カッパ・ノベルス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334073411

作品紹介・あらすじ

海に臨む瀟洒な邸宅、十棟が並ぶ「ヴィラ・葉崎マグノリア」。その一棟、密室状況の空き家で死体が発見された。所持品もなく、顔と手が潰され、身元の特定は困難。聞き込みに懸ける葉崎署員だが、ヴィラの住人は皆、一癖も二癖もある人間ばかり…。聞き込みのたびに、担当の一ツ橋巡査部長と駒持警部補の眉間の縦皺が増えていく。そんなおり、さらにヴィラ内である人物が殺害される!連続殺人により、住人たちの秘められた事実が次々と明らかになり…!?洒脱な語り口で、ミステリーの縦糸とユーモアの横糸とで織りあげる、著者会心の書下ろしミステリー快作。

感想・レビュー・書評

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  • 架空の街「葉崎市」を舞台にしたコージー・ミステリ。
    海を望む傾斜地に立つ10棟の家「ヴィラ・葉崎マグノリア」で発見された身元不明死体。そこから始まるコージーと呼ぶにはちょっと物騒な事件の顛末を抜群のユーモア感覚と、若竹七海らしいシニカルでブラックな味付けで描く。

    ひと癖もふた癖もあるヴィラの住人たち。殺人事件を契機にそれぞれの隠れた秘密が徐々に明らかになっていく面白さ。コンビの刑事二人のバランスも絶妙で飽きさせない。
    複雑に絡んだ人間関係と過去の事情を整理するだけで大変だけど、軽く読めるのもウイットに富んだ会話の妙。

    肝心の事件の真相がちょっと物足りないけど、犯人が捕まってめでたしめでたしと一筋縄では終わらせないところがいい。
    このシリーズ少しずつ読んでいきます。

  • 人物が個性的で面白かったが、何人か区別がつきにくい人いたなあ…そして何ですかあの結末は、?予想だにできない

  • 架空の街・葉崎市を舞台にしたシリーズの一作目。
    ジャンルをコメディにシフトしても違和感がないように思えるほど登場人物が個性的。
    特に、トラブルメーカー的な存在の女性の言動は強烈で、読んでいて終始イライラ。
    ご近所ならきっと耐えられないと思います。
    作者流のコージー・ミステリということですが、ユーモアの中に潜む毒は控えめながらも健在ですね。
    最後まで楽しませていただきました。

  • 海に面した家、の案内をしていただけなのに
    開けてびっくり、中に死体。

    そこの地域住民(?)がすべて容疑者。
    親子あり、夫婦あり、友人同士での暮らしあり、で
    やたらに人が多いです。
    皆様心当たり(?)が多すぎて、容疑者多数。
    誰がどこに住んでいて、誰がどういう職業なのか。
    うっかり忘れそうになります。

    空き家死体については、ヒントはあるけれど
    そこまで考え付きません! という理由でした。
    次の殺人については、なるほどというか
    納得、という理由。
    迷路は、抜け出したつもりで、抜け出せないものです。

    そして最後の独白。
    結局、そこが黒い部分ですか!?

  • ヴィラ・マグノリアを舞台とした殺人事件。あちらこちらほつれた糸を解してたどり着いた真相。…と見せかけて、まさかの大どんでん返し。
    そして、また変わらない日常に戻っていく。

  • やや陸の孤島ちっくな10軒の集合住宅で殺人事件が連続で起こって…ってお話。
    文はうまいけど、内容はイマイチだった。
    いわくありげな住人が集まり過ぎてて、三谷幸喜さんの喜劇映画みたいでした。
    舞台ならいいけど、小説や映画ではちょっとね…って感じ。

  • 葉崎市シリーズと読んでもいいんじゃないかな。


    葉崎市のヴィラ・マグノリアという戸建て住宅で起こった殺人事件。
    一癖も二癖もあるヴィラ・マグノリアの住人たち。
    殺されたのは誰か。犯人は誰か。


    かなり癖のある住人たちだったが、松村さんの奥さんは、かなりヤバい人だったなーと思った。今の時代なら、精神科案件みたいな。

    あと「黄金のスープ亭」に行ってみたいなーと思った。葉崎市シリーズに出てくるとこって、行ってみたいとこいっぱいある。

    2014.8.16 読了

  • 予想以上に面白かった笑
    東川篤司が好きな人は度はまりするはず。
    個性的な人たちが事件をかき回し、混乱させ、でも丸く収まる。
    でも刑事さんは切れ者です。
    双子がいいキャラしてる。

  • ヴィラ・マグノリアという婦人が殺害される話…ではありませんよ?

    鎌倉や藤沢に近い架空の街「葉崎市」にある10棟の邸宅地・ヴィラ葉崎マグノリア3号棟で、無残に損壊された男性の死体が発見されます。身元は不明。殺害推定日は台風の夜なため目撃者もほぼ無く、おまけに周囲の残り9棟の住人たちも一見普通人なのに、なんだかひと癖ふた癖ありそうで、しかもヒミツを抱えているのも1人や2人じゃなさそうで…。そんな中、もうひとつ殺人がおきてしまった……。

    『小さな町を舞台にし、主として誰が犯人かという謎をメインにした、暴力行為の比較的少ない、後味の良いミステリ――これすなわち、コージー・ミステリです』
    巻頭・著者のことば

    そんなジャンルがあるなんてこの本で初めて知りました…。勉強になりまちた。
    確かに典型的に「コージーミステリ」です。海沿いの田舎町が舞台ですからの~んびり、登場人物もあまり危機感がありません。けれど、人間関係の中に結構暗いものがあって「後味のよさ」は…ビミョー…。大団円、ではあるんでしょうけどね。
    ところで、双子の女の子が出てくるんですけどね。小学生が「せんに、海岸に出た時」なんて言葉使わないんじゃないかと思うんですけど。(せんに=先に)……ねぇ?

  • 裏表紙の解説通り見事ににやりとさせる毒がありました。初若竹先生、満足です!ラスト一行でニヤリ。

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著者プロフィール

東京都生まれ。立教大学文学部史学科卒。1991年、『ぼくのミステリな日常』でデビュー。2013年、「暗い越流」で第66回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞。その他の著書に『心のなかの冷たい何か』『ヴィラ・マグノリアの殺人』『みんなのふこう 葉崎は今夜も眠れない』などがある。コージーミステリーの第一人者として、その作品は高く評価されている。上質な作品を創出する作家だけに、いままで作品は少ないが、受賞以降、もっと執筆を増やすと宣言。若竹作品の魅力にはまった読者の期待に応えられる実力派作家。今後ブレイクを期待出来るミステリ作家のひとり。

「2014年 『製造迷夢 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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