アンと愛情 (光文社文庫 さ 24-6)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334100018

感想・レビュー・書評

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  • 「和菓子のアン」が2012年、続く「アンと青春」が2018年、で3冊目のこれが2023年って、細かなことはすっかり忘れてしまっている。
    最初の自分のレビューを見れば、『楠田さんの話も、単純に佳いお話しで、ホロホロっとしてしまう』などと書いてあり、お酒売り場の楠田さんはその頃から登場しているのだな。今回も仕事人みたいな表情のまま、アンちゃんの晴れ着の写真を褒めてくれたり、フロア長より偉そうだったり、なかなかいい味。

    成人式の着物選びに迷ったり、催事場で同い年の優秀な子に煽られたり、金沢旅行でおいしいものを堪能したり、椿店長の不審な動きに惑わされたり。それにわらび餅だのせんべいだの色んな和菓子の蘊蓄がオンパレード。
    どれも最後には佳い話になるのだけれど、相変わらず自己肯定感が低くてちょっとしたことで悩みまくるアンちゃんにはちょっとイライラ。もっと自分の良さを知って欲しいぞ。
    「アンと愛情」となっているので、そんなアンちゃんにも春が来るのかと思っていたら、全然違ってた。椿店長が去った後、新しき良い展開があると良いな。

    本筋とはあまり関係ないのだが、『そのゆったりとした気分を与えることこそ、デパートの仕事なんじゃないかなって思ったんです』って、デパートが好きな人間としてはとても同意。

  • 和菓子のアンシリーズ、本作が3作目だそうです。
    私はこのシリーズを初めて読んだので、所々過去作と関連しているエピソードは分からないところもありましたが、楽しく読めました!
    和菓子にまつわる歴史やエピソードがとても興味深く、著者の方の和菓子に対する愛情が読んでて伝わってきました!

    • のんのんさん
      私もアンシリーズ好きです。日常のエピソードがさり気なく繋がっててとても示唆に富んだ作品だと思います!
      和菓子は日本の四季が一つのお菓子の中に...
      私もアンシリーズ好きです。日常のエピソードがさり気なく繋がっててとても示唆に富んだ作品だと思います!
      和菓子は日本の四季が一つのお菓子の中につまってますよね。
      2023/10/06
    • ダザイさん
      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りだと思います!
      和菓子って奥深いんだなと感じました。
      アンシリーズ新作が10月に出るみたいなの...
      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りだと思います!
      和菓子って奥深いんだなと感じました。
      アンシリーズ新作が10月に出るみたいなので
      楽しみです!
      2023/10/06
  • 前作を読んでから一年半以上経っているので、細かい設定を忘れてしまう。裏表紙を読むと「美味しいお仕事ミステリー」とある。お客様からの問いに、調べて行くところがミステリーということだったようだ。
    アンちゃんも成人式を迎えることになるが、相変わらず自分に自信が無く、アルバイトから社員へ目指す事もなく歯痒さを感じてしまう。これだけ熱心に和菓子のことを調べてお客様に対応しているのに、と思ってしまう。
    同い年の社員の仕事に驚異を感じ、落ち込むアンちゃん。でも、周囲はちゃんとアンちゃんの良さを認めている。頑張れと応援したくなってくる。乙女の心を持つ立花さんとはどうなってくるのだろうか?

  • 読み進めれば読み進めるほど和菓子が食べたくなる。そしてほっこりとした気持ちにさせてくれる作品。

    東京デパート地下1階の『みつ屋』で繰り広げられる謎解きストーリー。椿店長はじめ、乙女ちっくな立花さん、元ヤンの桜井さん、皆いい人ばかりでそれぞれがその人らしさを出している。

    アンちゃんは、和菓子に関して自分なりに知識を深め、お客様に対峙する姿は2作目以上に成長振りを感じました。

    1000年以上も前の平安時代から続く和菓子のルーツ。丁度今放送されてる大河ドラマくらいの時代かな。皆さん和菓子を堪能してください。

  • ずーっと読みたかったシリーズ。
    ようやく読むことが出来ました。
    主人公のアンちゃん、可愛です。
    まだ20歳のアンちゃんは和菓子屋さんで働く厳しさを学びます。
    まだまだ若いのに仕事って厳しい。
    優しい人達との出会いももちろんありますが、アンちゃんだから周りの人が優しくなれるのかも。
    そしてアンちゃんにも20歳らしい楽しい出来事ももちろんあります。それがまた懐かしく感じます。
    舞台は和菓子屋さんなので出てくる和菓子に知らなかった事も知れて楽しく読み進められます。
    アンちゃん、可愛くて応援したくなる主人公です。

  • ☆4

    シリーズ第3弾

    前作を読了してからかなり経っていたのですが、久しぶりに「みつ屋」のメンバーに会えて楽しく読ませてもらいました❁⃘*.゚
    今作では和菓子の知識はもちろん、アンちゃんの成長を感じられた一冊でした!
    続編も発売されるとのことなので、今から楽しみです(*´˘`*)

    わらび餅が食べたくなりました…♡

  • 京友禅と加賀友禅の話がとても好きだった。
    どちらも良くてどちらも悪くない。
    お互いがいがみ合うのではなくて、良いところを認め、新たな気付きもあってほっとした。和解出来て良かった。

    椿さんいなくなってしまうのは悲しい…。出会いがあれば別れがあるけど、次回のみつ屋は少し雰囲気が変わるのかな。今のメンバーが好きだったから受け入れられるのだろうか。
    気になるので早めに本屋へ行こう!

    また金沢に行きたくなってきた。
    レアンドロのプールは予約必須でこれをみるために朝早く頑張った…。とても幻想的で素敵だった。
    和菓子が有名とは知らなくてノドグロと金箔ばかりに目がいってしまった。もっと土地のことを学んで再挑戦したい。巻き柿も食べてみたいな。
    本当に良い所だったけど、年始の震災被害が記憶に新しく読んでいて少し辛くなった。少しでも早い復興を祈っています。
    そしてまた必ず行きます。

  • シリーズ3作目!
    読めば読むほど癒されて、心があたたかくなる。

    アンちゃんが段々可愛く思えてくる。悩みながらも、自分でもちゃんと調べて成長して、本当に偉い。アンちゃんの食べ物の表現が秀逸で、思わず食べたくなる。実際にこの前、上生菓子を初めて食べてみました。こんな味なのかっていう発見と、何より見た目が美しかった。小説を通して、和菓子についての知識が増えるのも楽しい。

    何よりも立花さん。可愛くて、かっこよくて、知識豊富で。アンちゃんとの関係が本当に微笑ましい。あんなスイーツのこと詳しいスイーツ仲間欲しい!

    椿店長のことはびっくりしたけど、頼れるボスには遠くから見守ってほしい。登場人物みんな優しくてあたたかい。

    自分では絶対選ばない小説だけど、義父から借りて読んでみて良かった!読んだことない作家さんも積極的に読んでいこう。

  • 文庫化されるのを楽しみに待っていました。
    今作もデパ地下店舗の「みつ屋」が舞台です。
    そして、和菓子に関する話がたくさんありました。
    一作目から、お菓子にまつわる色々なことが書かれていて、それを読むのが楽しみでした。
    今作もとても良かったです。

  • わくわくしながら手に取った、和菓子のアンシリーズ3冊目。アンと愛情もアンちゃんの成長と和菓子豆知識に溢れていて読んでいて楽しかったです。
    今作はこれまでのシリーズと比較して、アンちゃんの内側の気付きや成長が丁寧に描かれているなと感じました。20歳の、子供っぽさとそこから一皮剥けた大人っぽさが入り交じるアンちゃんの心の機微が豊かで、読んでいて気付かされることがたくさんありました。
    それにしても和菓子の世界は深いなぁ。
    いつもアンちゃんを読み終わったあとはデパ地下に和菓子を買いに行きたくなります(笑)。

    心に残った言葉をいくつか。

    「私たちもね、和菓子屋さんと同じように物語を売っているのよ」(こころの行方)
    「不完全こそ完全」(こころの行方)
    「甘いってそんなに悪いこと?甘口のお醤油をうまくちと言い換えるように、甘すぎないがお菓子だけじゃなくてファッションの売り文句になるように。甘くたっていいじゃない。」(あまいうまい)
    「同じことなのかもしれない。弱い人の強さと、強い人の弱さ。」(あまいうまい)
    「違う文化を取り入れて、包み込んで、新しいものを作る。いいと思ったもの、おいしいと思ったものをすぐに取り入れるのが、日本なんじゃないかって。」(かたくなな)

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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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