- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334718343
作品紹介・あらすじ
首が、ない。警視庁刑事・明日香井叶は絶句した。教団ビルで"お篭り"の儀式中だった「御玉神照命会」教主・貴伝名剛三が、なぜか別の建物の屋上で死んでいたのだ。しかも、頭部と左腕を切断されて。なぜ犯人は死体を切断したのか?叶の双子の兄・響が怪事件の謎に挑む。読者を必ずや驚倒させる極上の本格推理、待望の文庫化。
感想・レビュー・書評
-
1994年発行、光文社の光文社文庫。まずまず面白かった。それにしても犯人はその人ですか、という感じである。トリックはなんとなくそういう方向性なんだろうと想像がつくのではないだろうか。
他:「文庫版あとがき」(1993年12月)綾辻行人、解説:「解説」由良三郎(作家)、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とある新興宗教の教祖が電車に轢かれて死亡した。他殺と自殺の両面から捜査が行われていた。その新興宗教の新たな教祖として死亡した教祖の夫が「お籠り」と称して修行を行っていた。しかし、川を挟んだマンションの屋上で首無し遺体となって発見されたのであった。
ミステリーとしては面白かったし、主人公の刑事さんの一卵性双生児の兄が出てきて、弟に扮して捜査にあたるのも別にいい。だけど、なぜか許せなかったのが主人公が叶うと書いてキョウ。兄が響くと書いてキョウ。双子で同じ読みの名前なんて実際につけられないでしょとかどっちでもいいことを思いながら読んでしまった。
屋上で発見された教祖もなんだか殺されても仕方ないのかもしれないとか思ってしまった。悪どい新興宗教って今も昔も変わらない。たぶん、このときってオウムの事件のなんかなとかも思った。じゃなかったら、もっと刑事さんの反応がやばいでしょ。
最初に死んだ教祖様の謎も最後に解き明かしてくれたが、なんだかみんなが被害者みたいな感じがしたなぁ。彼女は彼とどうなるのだろうかなぁ。
2021.11.3 読了 -
「殺人方程式 シリーズ」第1作。新興宗教団体「御玉神照命会」の教主が殺された、見つかったのは頭部と左腕を切断された死体だった。発見場所は教団本部ビルの川の対岸にあるマンションの屋上、しかし教主は儀式の為に教団本部ビルの神殿に籠っており、教団の規則で表に出ることは許されない。厳重な監視の目をかいくぐり、いかにして不可能犯罪は行われたのか·····?なぜ犯人は死体を切断したのか·····?この怪事件に警視庁刑事の明日香井叶と響の兄弟が謎に望む。
本作は推理小説の原点に回帰した作品と言える、事件を追う刑事と頭脳明晰な探偵役、そして犯人当てと大掛かりな物理トリック。綾辻行人氏の作品には数少ない「本格」推理小説だと思う。
推理小説の王道ではあるが、読みやすく楽しい、バラバラ殺人が題材なだけに怖いホラーかと思ったがそんなことはなく、最後まで推理を楽しめた。自分の推理はことごとく覆され、まさかの展開に驚愕させられた。
「新本格」の先駆者が送る、極上の原点回帰王道「本格」推理小説。
★★★★★ 5.0
「殺人方程式―切断された死体の問題」
目次
プロローグ (1) ────ある犯罪の光景──── 7
プロローグ (2) ────新聞記事──── 10
プロローグ (3) ────犯罪計画──── 12
Ⅰ 事件を演出する七つの場面 ························· 16
明日香井叶のノートより (1) ·········· 65
Ⅱ 刑事たちによる事件の捜査 ························· 67
明日香井叶のノートより (2) ··········164
Ⅲ 明日香井家における事件の再検討 ·············166
明日香井叶のノートより (3) ··········210
Ⅳ 偽刑事たちによる事件の再捜査 ················217
明日香井叶のノートより (4) ··········287
Ⅴ 明日香井家における事件の「不可能性」の検討
·····290
明日香井叶のノートより (5) ··········331
Ⅵ 罠、そして事件の終局 ································333
エピローグ (1) ────電話──── 383
エピローグ (2) ────回想──── 389
文庫版あとがき 綾辻行人 397
解説 由良三郎 401 -
今まで読んだ綾辻さんの作品が面白かったので、この作品を本屋で見つけて読んで見ました。今回こそは犯人を捕まえるぞ!っと意気込んで読んだのですが、今回もえっ!その人??っと・・・最後にやられました。
このお話の設定が、刑事が街中で起こったバラバラ死体の事件を解決するという内容のため、館シリーズのような特異的な設定の感じがしないので、非常に読みやすく、主人公の刑事も面白い設定がされていて、綾辻さんという作家の魅力がより強くなりました。また、タイトルにある「方程式」というのは、本当に作品の中に方程式が出てきます。タイトルがこの事件の鍵を握っていました。 -
殺人鬼の次に読了。バッサバッサのご遺体がでてくる世界に対して1体の遺体に対する考察。
張り巡らされた伏線は最後の最後まで次々に回収。
予測できない〇〇〇い結末にとても満足な内容でした。
綾辻先生のまた違った作品で楽しめました。是非。
-
再読第2弾
これは15年振りくらいだろうか。
この時代は綾辻行人や有栖川有栖を読み漁っていた気がする。
久々に館シリーズが読みたくなってきた。 -
同僚からお借りしました。
綾辻さんは館シリーズしか読んでないので新鮮な読書でした。
探偵役は響ということになるのかな…物理トリックは文系脳には???でした。
でも犯人にはおおお、となりましたし、エピローグの回想にはそんな!となりました。
新興宗教はろくなことにならないのでこれからも関わらないでおこうと思います。仏教徒でいます。 -
物理はよく分かりません。
まぁ、それを差し引きしても、伏線とか正統派な感じでおもしろかったです。
ただ、双子設定も、別にそこまでこだわるほどのことでもないような気がするし、深雪さんのキャラも何だかよく分かんない…。
結局のところ、響さんが主役てことなの? 何なの?