百怪祭: 室町伝奇集 (光文社文庫 あ 22-4)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334730833

感想・レビュー・書評

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  •  「魔蟲伝」「水虎論」「小面曾我放下敵討」「豊国祭の鐘」「かいちご」「飛鏡の蠱」「『俊寛』抄―または世阿弥という名の獄―」の7編を収録。いずれも中世後期~近世初頭を舞台とし、真言「立川流」を下敷きにした伝奇色の濃い時代小説である。この中では「『俊寛』抄」が格別に優れている。

  • 短編7篇収録。室町時代を舞台にした伝奇小説集。
    歴史的には今一つマイナーな(?)イメージを持たれがちな室町時代だが、ここを舞台に著者が小説を書くに至った経緯はあとがきに記されている。

    仏教における異端とも言うべき「立川流」が全作を通じて登場し、この作者ならではの衒学的作風と相俟って作品における妖異的要素を担っている。各作品において、主人公や他の人物がそれぞれに放つエネルギーは、一種の凄味すらも見せる。
    巻頭の書き下ろしを除く6篇は、これまで異形コレクションに収録されていたもの(つまり殆どが既読)。購入してから気付いたのだが、まとめて読んでみてもやっぱり面白い。

  • 2011.10.05

  • 時代小説。伝奇。室町時代もの。短編。
     411頁で七作品。ちょっとヘビー。説明書きばかりになって、年表と人物評を見ているようになっている。そういうところが読みにくい。
     それでも気に入ったのは世阿弥の話。綺麗。能の俊寛に囚われ、神がかりになる世阿弥。
     それを弟子が見つめ、憎しみさえ抱く。彼がたどる道はユダに似ている。
     全編を通して妙に邪淫教立川流が出張っている。そんなにすごい秘教なのか、これは。

     織田信長が好きな人は最初の物語はなじめるかも。
     斉藤道三の物語だから。

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著者プロフィール

一九五六年、北海道生まれ。東洋大学文学部仏教学科卒業。
国書刊行会に入社し、ラヴクラフト作品などの企画出版を手掛ける。八六年、『魔教の幻影』で小説家デビュー。オカルト・伝奇小説を中心に幅広く執筆し、近年は室町時代を題に取った作品を精力的に発表している。二〇〇五年、短編「東山殿御庭」が日本推理作家協会賞候補。アンソロジストとしても高い評価を得ている。

「2023年 『一休どくろ譚・異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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