中年以後 (光文社文庫 そ 3-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334742591

感想・レビュー・書評

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  • 私…もう中年だったんですね…(T_T)
    と、初めて気づいた時にはショックでしたが(笑)、母からこの本を勧められて読んでみたところ、なるほど!と思うことがたくさんありました。

    例えば小学生の頃に読んだ「星の王子様」なんて、今読み返した時とでは捉え方も違うし、理解度も深くなっているのと同じように、年齢を重ねてからでないとわからないことがたくさんある。
    悩みも歳と共に複雑になっていくけど、失うことを恐れずに、色んなことを覚悟しながら生きていくしかないんだな~と思いました。

    そして、印象に残った言葉は、旧約聖書の「コヘレトの言葉」

    「天の下の出来事にはすべて定められた時がある」

    うん、ホントそんな気がするー!

  • 芯のある曽野さんらしいエッセイ。だけれど普通の人ではなかなか現実は厳しい

  • 図書館で何気なく借りましたが20年前に出版されたエッセイでした。立派な中年になるのは大変だなと思いました。

  • 時間があれば

  • 上手いエッセイは人を魅了する。中年以降の季節とはそんなエッセイに似ている。

    『「奥さん、サハラに行くんだって?」と当時他人に言われる度に、夫は、「砂漠に行くと神が見えるんだそうですよ。しかし砂漠に行かないと神が見えないというのは、不自由なことですなあ」と笑っていたのである。』

    中年以降ともなれば、心の中に何人ものアリエッティたち(こびと)が住む。懐かしさと苦さを抱え、ものごとは一概には言えないと感じながら、その曖昧さに耐え、歯切れは当然わるくなる。そして心の中に様々なもやもやと許しと帰還とを抱えている。

    若さはかならずしも輝くばかりではなく、『青春にはどこか「ものほしげ」なところがある』とも感じている。

    著者の言葉はかならずしもまっすぐではない。『不幸という得難い私有財産を、決して社会にも運命にも、税務署にも返却しない』。そう著者は言い切る。

    『人は会った人間の数だけ賢くなる』。わたしもそうありたい。

    『徳は広範で、私たちが見ている天空のようなものである。そこにはあらゆる人間の、人間だけが持つ不思議な輝きが光を放っている。光は、人生の黄昏から夜に近い頃になって始めて輝き出して当然だろう。』

    中年以降とは、俵屋宗達の風神雷神のようなものなのかもしれない。宗達の風神と雷神は、自身は輝かず生身だ。そしてわずかばかりに彼らの周囲が光を放っている。心は自由になり、風神と雷神のごとく、すべてのことが柔らかな笑いで受け止められる。それは多くの人々の共感を呼ぶ中年以降のカタチだ。

  • このエッセイは本当にお薦めです。
    なぜもっと早く読まなかったのだろうか。
    中年じゃなくても読んで欲しい。
    このエッセイで特に注意して欲しいのは
    作家としての曽野さんの意識や振る舞いです。

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著者プロフィール

1931年東京生まれ。聖心女子大学卒。93年恩賜賞・日本芸術院賞受賞。2003年文化功労者に。2012年菊池寛賞受賞。著書に『人生の収穫』『「群れない」生き方』『人間の道理』『老いの道楽』等多数。

「2022年 『未完の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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