白昼堂々 (光文社文庫 ゆ 4-2 結城昌治コレクション)

著者 :
  • 光文社
3.41
  • (4)
  • (10)
  • (20)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 118
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334744342

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  この人、名前は知っているが読むのは初めて。ゴメスがなんとかというスパイ小説が有名なので、そっち系なのかと思い込んでいたが、秀逸なユーモアミステリを書くというので読んでみたのがこれ。これはこれはおもしろい。痛快無比。テンポがよく語り口がうまいのでどんどん読み進める。舞台は1960年代の華やかなりしデパート。計画的万引き集団と取り締まる警察官が虚々実々の化かしあいを繰り広げる。どうみても個性派ぞろいで憎めない万引き団の方が役者が上で、捜査陣は右往左往させられるが、それでもじわじわと網を絞られて、最後の大勝負に追い込まれる。どう始末をつけるのだろうと思いきや、奇想天外な結末には呆れるやら感心するやら。まあ最後まで楽しませてくれる。「カラスの親指」のようなコンゲームとはちょっと違うけど、雰囲気的にはよく似ている。まあホロリとする深みはないけれど。ともあれこれはおすすめ。

  • 昭和40年代が舞台なだけに、今からでは考えられないような犯罪の手口が描かれる。

    クライムサスペンスと言えそうな部分はラストに向かう一部だけで、後は刑事と主人公たちのいたちごっこが描かれるのみなのが残念。

  • 黒い家に出てくる指狩り族のモデルだとして手に取ったものだから、当初の印象とずいぶんと違う作風で肩すかし/ もっと凄惨な、炭坑街の陰鬱な話かと思っていた/ しかしユーモラスで怪盗的で、良い/ 炭坑街の悲劇というのは琴線に触れる/ 個人的にはもう少しえぐ味があった方が良いかなと思う/ 

  • 個性の強いキャラクターばかりが登場。場面展開も早く読書を飽きさせない。さらっと読みやすい一冊

  • 伊坂さんがエッセイのなかでこの作品のことを書いていて、読んでみたくなって購入。探すのにちょっと苦労して、古本屋さんで見つけて買った。
    伊坂さん作品とはもちろん全然違うが、スリ改め、万引き犯一味の人情味あふれる魅力に、ついつい応援する気持ちで読んでしまっている自分に気付き。。。
    読んでいる最中も気持ちのいい、読書体験でした。純粋に楽しかった!

  • 集団万引。ユーモラスに書かれているが、ニヤニヤや吹き出すような面白さでもない。ラストは漫画みたいな終わり方。伊坂幸太郎さんオススメで読んだけど、やはり古い小説だからか、伊坂さんが書いた方がもっと面白くなりそうとは思う。

  • スリと万引きの楽しい仲間たちと、警官の知恵比べ。明るくユーモラスに書かれています。現実ではありえないのかもしれませんが、登場するのは悪意の少ない犯罪者ばかりで、面白く読めます。

  • あらすじに悪漢小説(ピカレスク・ロマン)とある。
    初めて知ったジャンル。

    泥棒の話です。現実的に考えるとあまり楽しく感じないのに、フィクションとして考えると、なんだか底抜けにワクワクしてくるのはなぜでしょう。

    伊坂幸太郎さんの推薦小説その1を読み終わりました(笑)。

  • テンポの良いストーリー展開。老若男女にオススメできる。

  • 集団窃盗団の話。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

結城昌治

一九二七(昭和二)年、東京に生まれる。四九年、早稲田専門学校を卒業し、東京地検に勤務したが、結核が発病し三年間の療養生活を送った。五九年、短篇「寒中水泳」によって認められ、『ひげのある男たち』『ゴメスの名はゴメス』等を執筆し、ユニークな推理作家として注目された。七〇年、「中央公論」に連載した『軍旗はためく下に』で第六十三回直木賞を受賞。ほか『夜の終る時』『志ん生一代』など著作多数、「結城昌治作品集」(全八冊)がある。九六(平成八)年一月没。

「2020年 『軍旗はためく下に 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

結城昌治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×