伊達邦彦シリーズ、「蘇る金狼」、「汚れた英雄」などなど 大藪春彦作品は以前から読んでみたかった。
今回、初の大藪作品は氏では珍しいらしい女性主人公のこの作品。
何故か?
ブックオフで100円だったから。
たまたまですわ。
そして、ハードアクションで女性主人公となれば、ムフフな…(笑)
山田風太郎の「くノ一忍法帖」なんぞ、えげつないエロ忍術が登場するみたいですからね。
期待と股間を膨らませ、読み始める。
ハードアクションですが、ライトスピーディに読めました。
ストーリーは単純で舞台は一部ケニヤ、日本 東京辺り、アメリカ ボストン辺りなんですがね、入り組んで複雑ではない。
膨らんでいた期待は爆発する事はありませんでした。
股間の方ですが、ハードなエロスシーンはやはり多々出てきます。
が、表現がワンパターンなんです。
興奮した性器は「それ自体が独立した生き物の様に収縮活動を繰り返す」やら、「コーラ瓶2本分の男根…」これらの表現が何度も出てきます。なんかタブロイド紙のエロ小説みたいです。
読み慣れてるからか、村上龍が描くエロスの方が生々しくまさにeroticなんです。
(ガン)アクションシーンでも銃弾で撃たれた傷を表現するのに「ザクロの様な…」ってこが何度も出てきます。
行間の余白に血が滲んでくる事はなかった…
そして、これはガンマニア垂涎モノかもしれません。
衒学趣味とまでは言いませんが銃の説明が多い(笑)
大藪ファンにはガンマニアも多いと思うので、彼らにはふむふむ、なるほど、ふぉーふぉー、そう来るか!!と楽しいのかも知れませんが、知識のない私にはなんじゃらほい ですわ。
そんくらいのガンの知識のない奴が大藪作品を読むな!って言われそうですがね。
きっと正確な内容で、このメカニックでマニアックな記述が小説にリアリティを与えているでしょうね。
という事で、銃の説明と銃をぶっ放すシーンとエロシーン。この三つがだいたいの構成である、下手したら「トンデモ本」で、ほろ苦い大藪作品デビューでした。
もちろん、この一作品だけで評価は出来ないので機会があれば評判の良い作品を読んでみようと思います。