- Amazon.co.jp ・本 (500ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751135
作品紹介・あらすじ
幼くして両親を亡くしたジェイン・エアは、引き取られた伯母の家で疎まれ、寄宿学校に預けられる。そこで心を通わせられる人々と出会ったジェインは、8年間を過ごした後、自立を決意。家庭教師として出向いた館で主のロチェスターと出会うのだった。ジェインの運命の扉が開かれた。
感想・レビュー・書評
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この作品は、亡き母の愛読書でした。母は貧しい家庭の育ちでしたが、師範学校を出て教員をしていました。現在の国立大学教育学部に相当する師範学校は、優秀な学生を集めて教員を育成する為に、学費がかかりませんでしたから。
私は高校生の時にこの本を手にしましたが、母は「今の時代には合わない、古い小説だよ」と言って笑っていましたっけ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ブロンテ姉妹のシャーロットによる、ヴィクトリア朝文学の名作。孤児となった少女が力強く生きていく波瀾の物語。
冒頭からもう面白い!幼少からいじめにあい、愛情をそそがれるべきはずの人物からそれを受けられず、それでもいじけず言い返す姿が主人公として最高。子供の頃こんなふうにものを言えなかったよなぁと。家を追い出されるように寄宿学校に入るが、そこで良き出会いがあり……この流れってどこか既視感がある。同時期に書かれたディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』の少女版といっていいような展開。しかしジェイン・エアの個性はコパフィールド以上に強烈なのが魅力だ。賢く誇り高い、しかし未知の世界への冒険心も持ち合わせた彼女の精神性に引っ張られるようにして物語は進んでいく。アニメ世界名作劇場の香りがするのもこの時代の作品の特徴か。
後半でミステリーと恋愛の要素が高まっていくのだが、「え、そうなるの?」と肩透かしを食らいそうな感じで上巻終了。謎もわけがわからぬまま下巻へおあずけか。先が気になりすぎるので、上巻を読んだまま下巻に手を付けないという人はきっといないだろう。とにかくジェインへの感情移入とスピード感ある筋書きが面白くてむさぼるように読める。「古典」「名作」=堅くて真面目で小難しいというイメージが払拭される傑作。 -
約500ページのボリューム満点の文庫本。
主人公、ジェーン エアの子ども時代から家庭教師として働く様子が描かれています。
面白いのは、ジェーンの心情の変化を客観的に見ることができる点です。
彼女の発する一言一言からは、彼女の考えがひしひしと伝わってきます。
下巻も楽しみです。
2019年6月 勤務先の図書館にて閲覧 -
ええええロチェスター様なんなん!?
(下巻への引き)
あんなにちょいちょい思わせ振りな事言っておいてなんなんよ…
それにしてもイギリス古典の少女漫画性よ
ジプシー占い師の下り完全に漫画でしょこれw
レディ達もなかなか凄まじい
そしてジェインの冷静な目
ゲイツヘッド・ホールでのいじめられ振りに
ローウッド養育院での奮闘と成長、
どれだけの女の子がジェインは私だと思った事か
そして自然の描写、
イギリス人にとっての田舎、花鳥風月への愛情は
格別なのよなー。 -
テンプル先生がマクゴナガル先生とダンブルドア足して2で割ったみたい。
ミセス・リードの我が子を夫がかわいがってくれなかったってところからジェインのその後の軌道に少なからず影響を与えてる気がする。
パンとミルクとチーズをもらいたくなる。「バタ」って表記がおいしそう。
古典というけどあんまり堅苦しくなくて、先が気になるロマンスの物語だった -
ジェーン気が強くて最高。
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小尾さんの翻訳が読みたくて再読。小尾さんの日本語も勿論いいのだけど、ジェインの語りはかろやかに饒舌。シャーロッテ ブロンテも三姉妹の中で一番快活で社交的だったらしい事をうかがわせる。
子ども時代の話が意外と面白い。小公女や秘密の花園を彷彿させる。お屋敷に来てからもある種の謎が潜んでいて、どちらかというと秘密の花園のほうが近いかもしれない。 -
「嵐が丘」に引き続き、ブロンテ姉妹の作品を読むこととしました。こちらは古典的な恋愛もの。現代だったら少女マンガになりそうな展開。ヒロインが不幸な生い立ちなのだけれど、上流階級のきらびやかな世界で自身の叡智と公正な立ち居振る舞いで、人生を切り開いてゆく物語。典型的なシンデレラストーリーだけど、名作だけあってなかなか面白い。
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男女雇用機会均等法などなど、本当に平等になった?ジェンダーの現実を生き抜く女子のための入門書。
【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
https://opc.kinjo-u.ac.jp/ -
▼恥ずかしながら、まだ読んでなかったので。
▼読了。なぜに子どものころの私にこれを薦める大人がいなかったのか、はなはだ疑問である。とりあえずほぼ絶対、私は子どもに読ませる。
▼不覚にも、学校生活のところで泣いた。「わっ、微笑んでくれた……!」のところ。あと、彼女亡くなったのねのところ。
▼訳文がいいのか何なのかわかんないんだけど、引っかかりがないのが怖いと思った。通りがいいのだ。私の共感力が上がってるだけかもしれないけど、「私ならこう思う」っていう気持ちをスラっと書いてしまっているのが凄い。つまり「すわ、貴様が俺か」モードになるということ。普通に、「あ、私は元みなしごで、家庭教師としてだんな様にときめいております」と自己紹介しそうになる。なんのことやら。そうじゃなくて、牽引力のある書き方をしているってことかもしれない。ケータイ小説より『ジェイン・エア』ってことかも。(10/1/24 読了)