シェリ (光文社古典新訳文庫 Aコ 5-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334754013

感想・レビュー・書評

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  • 美しい。プルーストやジョットが称賛するのが納得。フランス文学って恋人たちの表現が愛おしい。ルパンも好きだ。
    コレットの書く色や自然、食事、家具なんかの雰囲気がこんな風だと知ったので、他の本も是非と思って買ってみた。フランス語で読めたら素敵だろうなあ。他のを読む前に他の訳のシェリも読んでみたい。
    ミシェル・ファイファーの映画も観たいなあ。

  •  時は19C末~20C初頭のフランス、49歳の元高級娼婦(ココット)が、24コ下の恋人と別れなくちゃいけなくなって色々悩んじゃう話。
     正直なところ、何もかも自分の境遇と違い過ぎており、感情移入は難しかった。同じ娼婦を取り扱った小説でも、ゾラ『ナナ』とかデュマ・フィス『椿姫』なんかの方が、ド直球で分かりやすかった。

     まぁ、もちろんこの小説はこの小説で面白かった。特徴的なのはやはり主人公のレアが持つ気高さだろう。
     現代日本の娼婦(売春婦)ってのがどういう生活をしているのか全く知らないけど、ここで描かれる高級娼婦というのは、フランスの裏社交界の花形で、美人で頭も良い才色兼備な女性で、彼女たちに熱を上げすぎて破滅する富豪もたくさんいたのだとか。ゾラ『ナナ』はそういう話だったはず。
     最近はAV女優の人がエッセイか何か本を出して話題になっていたし、恋愛って観点から考えたらただ体をかさねるより、ちゃんと文化人たる知性があった方が良いんだろうな。
     で、そんな彼女だから、高級娼婦としての引退後も、そうやって生きてきた自分自身に誇りを持っている。でも、好きになっちゃった25歳の青年は、そんな自分でも気が付けばのめり込み振り回されちゃって、もう大変。彼の気持ちがわからないの。外国人と話してるみたい。そんな不安も抱いちゃう。49歳の、恋愛の達人とでも呼ぶべき人生を歩んできたのに。

     それが辛い道であろうとも、自分の生き様を貫き、相手にとっても自分にとっても最後まで素敵な人であり続けた、そんな人間の物語なのかなと思った。
     円熟した大人の恋愛など私が理解できるはずもないのだが、これからまた素敵な人と巡り会って、そしてこの小説を再度紐解いたら、沢山のものが見えてくるんだろうな。

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