- Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334763206
作品紹介・あらすじ
あなたに知っておいてほしいのは、人間にとって秘密を守るのはむずかしいということです。たとえひとりでも、あなたがだれかに当せんしたことを話したのなら、そこから少しずつうわさが広まっていくのは避けられないと考えたほうがよいでしょう。不倫相手と逃避行の後、宝くじが高額当選、巻き込まれ、流され続ける女が出合う災厄と恐怖とは。
感想・レビュー・書評
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冒頭と最後の雰囲気がまるで違う化ける小説だ。
穏やかに、しかし過激的に、衝撃的にぐわんと変化する。
全てがまとまった時に、とどめを刺されるように鳥肌が立ちました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「誰からも逃げ隠れする必要がない」状況に置かれることでやっと、ミチルも「私」もこれまでの様々なことに正面から向き合っていける。
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静かに淡々と語ってるけども怖いよ?!?!
宝くじ高額当選した女の人がキラキラハッピーに人生変わる話かと思いきやそんなわけもなく、、じわじわと心にくるホラーって感じでした
章が変わるごとに展開がどんどん複雑になっていくのだけど静かに、親しみを込めた感じの語り口調だから逆にこわい
でも振り切ったお話だからどこか他人事というか、共感しすぎたりとか引っ張られることなく面白く読めました、すごかった -
この作者の「ジャンプ」や「Y」などの小説は、日常的なありふれた光景や何の変哲もない淡々とした生活を営む人たちを取り上げるのですが、ふとしたことからその光景が全く違った様相を見せる・・そのダイナミックともいえるような展開にいつも息を呑みます。今回のこの小説は、ミチルという自分の妻の身の上を語る夫の視点で話は進んでいきます。もしもあの時・・こうしていたなら、とかあっちの道に進んでいたならとあとで思い返すような人生の岐路は誰にでもあるものです。ミチルもふとしたことから、尋常ならざる人生を歩むことになります。いつのまにか生まれ育った地元を離れ、転々とすることになった彼女の交友関係でも目立たない人物が
実は重要な鍵を握っていることに気づくのですが・・・
忍び寄る恐怖とでもいうような怖さがこの小説にはあります。最後の展開でもまた驚くような真相が明かされることになります。
それにしても、凡人は高額の宝くじなどには当たりたくないものだとつくづく思います。 -
半ばまではぐいぐい引き込まれてしまうけど、ネタばれ以降の展開は期待外れだった。主人公の夫が淡々と物静かに語る形式で進行するのが変わった感じでとても面白いのだけど、それだけに半ば以降の尻切れトンボ感が残念です。初めての作家だったけど、ん これは大当り!と感じながら読んでいたら途中でハシゴを外された ような印象(笑)
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最初、ダラダラと身の上話が綴られててこれちょっとしんどいかも!?とおもったけど、どんどん面白くなってのめり込んだ
もっと書きたいことあったけど感想温めすぎて忘れた(^.^) -
後半から先、ぼんやりしつつもいざというときには頭の回転が速く、ときには思慮深ささえ感じるミチルと、冒頭で不倫相手を追って衝動的に東京に出てきてしまうミチルが上手くわたしの中で噛み合わなかった。たぶん、その男となぜ付き合う気になったのかとか彼にどういう魅力があったのかという背景が語られていないからだと思う。でもまあ面白かったことには違いなく、ほぼ一気読み。ミチルと香月さんの数年後の再会と幸せを祈る気持ち。
って書いたけど、ある出来事を経験して見える景色や考えること(というか、考える習慣)がガラリと変化するということは、やはりあり得るな、と思い直した。自分自身を振り返ってみて。 -
なんてつまらない話。ずーっと一人称での単調な語り。色彩もなく、楽しさもドキドキ感もない。なのに、新幹線の中で時間も忘れ夢中で読みました。きっとすごい実力のある書き手さんなのでしょうね。もう一冊読んでみようと思います。