夜桜: 吉原裏同心 17 長編時代小説 (光文社文庫 さ 18-39 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2012年10月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334764722
作品紹介・あらすじ
金子をかけて早脚自慢に走り合いを挑む若侍が日本橋に現われ、江戸が沸いた。「御免色里」の吉原が騒動に巻き込まれ、裏同心・神守幹次郎は、若侍の正体を暴くため探索に動く。一方、吉原の大籬で人気の振袖新造に異変が生じ、やがて惨劇が訪れる。そして、幹次郎にも罠が-。か弱き女と正義、そして人の心を幹次郎の豪剣が守る。人気爆発のシリーズ、17弾。
感想・レビュー・書評
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足抜け新造とかけっこ浪人の話。
足抜け新造は、在所にいた頃から吉原に売られてもなお足抜けの計画を温め続けていたというある意味あっぱれ。
せっかく三浦屋のような大籬に入れたというのにもったいない気も。
逆に萩野はいい身受け先が見つかって、早々に吉原を出ることに。
薄墨太夫は身受けも断り、幹次郎を思うあまり吉原に骨をうずめる覚悟、らしいのですが、いっそ吉原を出たほうがよかろうに。
かけっこ浪人は、かけっこに勝ったら一両やり、負けたら二分もらうという取り決めで始めた商売。
どうやら何か裏があるようでも、その足の速さに足自慢の男たちが軒並み撃沈。
そこに目を付けた読売と吉原の春の企画でそのかけっこを吉原前の道で五夜にわたって行うことに。
こちらは最後はすっきりとしてよかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
足の早さを競う謎の武士、足抜きをした武士と同じと思ったら全く違った。謎の武士の謎の行動。結局は戦いの場面が無く、ガックリ!
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本作の一番の読みどころは、幹次郎と村崎同心の絡みです。村崎同心は登場した頃はカネに汚く威張り散らす嫌な奴という印象しかなく、ゆくゆく吉原に災いをもたらす存在になる予感があったのですが、今では分かりやすくて実はそこそこ気の良い愛嬌がある人に思えてきた。またそれを上手く転がす幹次郎も、最初の頃の堅物感が解れてきて、すっかり心の機微が分かる男になってきた印象です。
今回は刃傷沙汰が殆ど無い平和な展開で癒されました。 -
17巻も全巻に続いて比較的に安心して読み進むことができる巻だった。謎の走り屋が金銭をとしての競い走り、その裏に何があるかの展開が主のストーリーだ。
ただ、花邨の足抜け騒ぎの最後で、居合の間合いの描写も忘れていない。 -
ラストで
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七助親分もさることながら、その娘の粋な姿も良いな。佐伯作品の江戸っ子の描き方が大好きだ。韋駄天勝負、読売、猪牙舟…。江戸の風情を感じられる巻だったな。
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シリーズ17巻目。
毎回、新しい事件の謎解きや江戸情緒が面白いです。
心に残るセリフ(10年前まで大工の棟梁だった、小三郎親方の、朝風呂での言葉P-130)があったので、引用に記載。 -
17巻目になるが、手を変え品を変え、いろいろ楽しませてくれます。特に走り屋は目新しくて面白かった
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内容(「BOOK」データベースより)
金子をかけて早脚自慢に走り合いを挑む若侍が日本橋に現われ、江戸が沸いた。「御免色里」の吉原が騒動に巻き込まれ、裏同心・神守幹次郎は、若侍の正体を暴くため探索に動く。一方、吉原の大籬で人気の振袖新造に異変が生じ、やがて惨劇が訪れる。そして、幹次郎にも罠が―。か弱き女と正義、そして人の心を幹次郎の豪剣が守る。人気爆発のシリーズ、17弾。
9月22日~25日 -
薄墨太夫も落籍せてくれる人は沢山いるだろうに、幹どのを思って吉原に骨を埋めるのね。