花実のない森: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-30 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)
- 光文社 (2013年6月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334765842
感想・レビュー・書評
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あまりありそうにもないことなのだが、夏の終わりの夜十時、秩父方面からのドライブの帰り道で手を振る人がいる。そのヒッチハイクの二人はそれぞれ落とし物をしていく。これがすべての始まりだというかなんというか… 四十前後の小太りの男は茶色の名刺入れを、どこか古風な品を感じさせる女はペンダントをイチャついたせいで落とす。銀のペンダントに刻まれていたのは、もみじばの ちりゆくなべにたまつさの つかひをみればあひしひおもほゆ という万葉歌であった。わからんね。 これに梅木って人はやられた。 まず妙な組み合わせだと、結局梅木は自分には理解の及ばない産みや育ちの世界に惹きつけられてしまう。これはつまりその梅木さんなしでなりたち完結する世界なんだな。であればこそ梅木は語り手になり得たんだろうけどさ…
楠尾英通、山辺菊子、そしてあの女と1人目2人目3人目の男。ただ哀しいかなあの女の好みのタイプから梅木ははずれてたのだろう。彼からしてみればよく言えばそのせいでかえって魔性をちらつかせる精神的世界の魅力と心を求めていくことになり、そのせいで結果的には助かったことになる。最後にたどり着いた風景は、所沢街道からはかなり離れた上げ潮ののぼる川の旧い町の旧い通りであった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ドライブの途中、ある夫婦を自分の車に乗せることとなった主人公・梅木隆介。
冴えない亭主には不釣り合いなほど若く美しく上品な妻は、万葉の歌が刻まれたペンダントトップを車内に落としていった。
ネット検索もできず個人情報保護の感覚も低いご時世ならではの追跡劇にいつ主人公が危険な目に遭うのではとひやひやしながら読み進め、なんともいえない結末を迎えた。 -
ヒッチハイクしてきたカップルの容姿差(そもそも失礼な話だ)が気になり女の方に一目惚れした青年が事件を追うサスペンス。彼女が居るのにここまで執念を燃やして女を追うコイツの方が恐い気がする。
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自家用車を買ったばかりの主人公は、若いが、しがないサラリーマン。秩父からのドライブの帰り道中、夫婦らしき男女のヒッチハイクに遭遇し、車に乗せる。車に残された夫と思しき名刺入れ、それを返却しに行ったことから、ストーリーは深みにはまっていく。
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主人公の男に偶然に偶然が重なって露見していく殺人事件。美しすぎる女性が悪いのか執着する男性が悪いのか……。読了後にやるせない気持ちになる。
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ドラマを見ました。美しい女に中山美穂、彼女に惹かれる男に東山くん。オトナのドラマ…
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P267
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さすが松本 清張氏の著書。一気に読ませます。