花氷: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-57 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)

著者 :
  • 光文社
3.13
  • (0)
  • (1)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (537ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334777180

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 女性遍歴も多く、色んな稼業を経て不動産業に携わる粕谷。国有地払い下げを企て、過去の女性と偶然再会したのを契機に、銀行員、その支店長、代議士、その派閥のボスなどに近づく。

  • 天網恢恢疎にして漏らさず
    まさにこの主人公の事
    松本清張作品の中で、読んでいる途中気分が悪くなった作品

  • 不動産ブローカーの粕谷為三は、一攫千金を狙って、策を弄し、女を使って、銀行員、代議士、官僚に接近していく。
    1966年、腐敗した政界裏面を描いた作品というが、とにかく主人公が悪い奴で、女性に暴力をふるい道具としか思っていない。同情すべき点も共感できるところもない。
    主人公がどこでつまずくか、それを楽しみに読んだ。

  • 久しぶりに松本清張の小説を読んだ。昔はすごく好きだった。松本さんの小説に出てくる今の言葉で言えばサイコパス。この小説も自分が大金を手に入れる為に女を利用する、悪知恵を働かせるサイコパスの男が主人公。どこで主人公がつまづくのか、破滅するのかと読み進めた(松本さんの小説は悪人は最後に必ず破滅するから) ラストはやはり主人公の一攫千金は叶わない。悪人は徹底的に破滅するストーリーだからスカッとするかな。たまに読みたくなる。松本さんの小説って。

  • 粕谷というのは労働が嫌い、人に使われるのが嫌、だが目端が利くので自信がある、職をあれこれ変えながら、挙句に詐欺まがいのことをしてしのいでいる男。今は不動産ブローカー。国有地払い下げで儲けようと欲に駆られている。
    作者は描いていないがきっと姿かたちのいい男なのだろう、今でいうイケメン、もてるから3人の女性をうまく操り(だから氷の中に凍らせた花=「花氷」にたとえられて)利用しながら、金融界、政界、官庁にと必死に画策するストーリー展開。悪なのに惹かれてしまう女性もだめだなあと思うが、また、その女性に操られる男性も哀しい。
    清張さんだから結局悪事は成功しないのだし、書かれたのが1960年代、昭和どっぷりで古めかしいとはいえ、近々でも似たようなことはありそうなのが読ませるというもの。

    *****

    清張作品はたくさん読んでいるけれども、まだまだ読んでいないものがたくさんあるのに驚く、と共に60年代当時の清張さんの創作活動がすごかったのだと知る。

  • 主人公はアカン奴だし、女に暴力ふるうわで、最初読むの辛かったけど、とにかく最後まで読み切らせるその手腕はホンマに凄い。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松本清張の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×