おもいでの味: よりみち酒場 灯火亭 (光文社文庫 い 51-4)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334778637

感想・レビュー・書評

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  • 路地奥にある「灯火亭」は、主のユウさんのもてなしに心を癒され、笑顔になれる居酒屋である。

    ユウさんを挟んだ客同士の親近感と適度な距離感のバランスが、居心地の良さに繋がっている。

    そして、お通しからして丁寧でおしゃれに盛り付けていて、いっさい手を抜いてなく、美味しい。
    庶民の味なのにとても素敵で深い味わいになっている。
    料理を口にすると思わず唸る。
    お酒を呑めば、あぁ幸せだとなる。
    そして、目の前にはユウさんの包み込むような優しさ笑顔。
    それで、すっかり落ち着いてしまうのだ。
    料理が来るたびに深刻だった悩みが、途端に消えてしまう。
    ちょっとした、ユウさんのひとことで落ち着いてしまう。
    次々といろんな悩みを抱えた人が、やってくるのだが、帰るときには重い荷物など背負ってなかったかのようである。

    表題の「おもいでの味」を含む6編の短編集。
    ちょっとホロリとくる話もあり、どれも料理と同じく味わい深い話だった。

    一人飲みが、気軽にできるお店って最高だと思う。
    お酒が飲めない自分には、縁がないと思っていたけどこんなお店に行ってみたくなる。

  • 石川渓月『おもいでの味 よりみち酒場 灯火亭』光文社文庫。

    シリーズ第2弾。書き下ろし。

    居酒屋『灯火亭』を舞台にした連作短編集。前作同様、面白味に欠ける。この種の作品は多くの傑作があり、今更ながらという感じで何も心に響くものも無い。

    物語が余りにも平坦で、つまらないのだ。人生に行き詰まりを感じた迷い人が店を訪れ、店主ないしは他の客に救われるということもなければ、物凄く美味い創作料理に触れて何かに気付かされることもない。

    石川渓月のハードボイルドも何作か読んだがいずれも気に入らず、この作家とは相性が悪いのだということを再認識した。

    本体価格680円
    ★★

  • 心づくしの料理と酒、気のいい常連客、ほどよいもてなし。「灯火亭」には、心の荷物を軽くする魔法の時間が流れている。今夜も人生に迷う人々がやって来て…。

  • 悩みを持って来店する客に対し、料理と気遣いと常連客との連携プレイによって甘やかすわけではなく自ら出口を見つけられるように優しく導く話はどれも心地よい。
    だけど実際にはこんな常連が集まる居酒屋は少し行きづらいし、ユウさんも架空の人だからこその完璧な魅力なんだろうと思う。

  • ほっこり

  • 一作目を読んでからだいぶ間が空いてしまったけれど「灯火亭」も「ユウさん」もちゃんと記憶があったのでスムーズにお話しに没入。

    やっぱいいなぁ…灯火亭。
    1人で気軽に入れて優しい料理と温かいもてなしに触れ、明日も頑張ろう!と励ましてくれたり、リセットさせてくれたり…そんな居場所があったら生きていくのに心強い!
    どうにもそんな店には巡り会えていないからせめて本の中だけでもその空間と料理を味わわせてもらおう!
    「お酒とお料理で明日につながるひと時を」って素敵!
    個人的には「夢の味」と「一人の味」が好きだったなぁ(^^)
    その中に出てくる「お金は与えられるものではなく自分で稼ぐもの。女にとって大切なのは経済的に自立したうえで結婚すること。」というセリフがすごく印象的だった。
    居酒屋灯火亭には関係のないところで出てくるセリフであくまでその女性の「信条」、これが正解でも不正解でもないのだけれど…読んでいてなんか思わず付箋貼ってしまった!笑

  • じゅるっ

  • シリーズ第ニ弾。本作も面白かったが、特に亜海の話、夢の味が良かった。ユウさんの過去は明かされなかった。

  • 前作より面白かった。
    料理で美味しそうで試してみたい!

  • 石川渓月 著「おもいでの味」、よりみち酒場 灯火亭シリーズ№2、2019.6発行。夢の味、おもいでの味、笑顔の味、再出発の味、一人の味の5話と火点(とも)し頃にを加えた全6話。どれもいい話で楽しめました。ただ、店主の女装と女性言葉は馴染めませんし、気持ち悪いです。

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