- Amazon.co.jp ・本 (133ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334784119
感想・レビュー・書評
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本書の出版は2006年だから、パリのライヴなグルメ・ガイドブックではない。ただし、食を軸としたエッセイとして、パリの雰囲気は濃厚に伝わってくる。つまり「食べよう」本ではなく、パリを伝える本だ。マグレブのエスニックなクスクスから、トゥール・ダルジャンに集う人々にいたるまで、パリの素顔の側面を実にうまく描いてみせる。それには著者の絵もまた寄与するところが大きいだろう。そして、ここに語られているように、多様性こそがパリの本質であることに気づく。パリを懐かしみ、そして強烈にパリを再訪したくなるなる本だ。
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読書録「パリを食べよう」3
著者 こぐれひでこ
出版 知恵の森文庫
p38より引用
“昔から(昔は、かな?)女が料理するっていうのが家庭のふつう
の姿だったはずなのに、レストランの料理人が男の仕事というこ
とになったのは、いったいどういう事情なんだろう。”
イラストレーターでエッセイストである著者による、パリの食
文化について書かれた一冊。
レストランとビストロの違いについてからフランス料理とイタ
リアンの関係についてまで、淡い雰囲気のイラストと共に書かれ
ています。
上記の引用は、女と男の味について書かれた一文。
これは多分、体力勝負になってしまうからではないでしょうか?
大勢のお客のために料理を作るには、多くの仕込みと調理をし続
けなければならないでしょうから。まぁ勝手な推測ですが。
文章とイラストの味わいがよく合っていて、味についての偉そ
うな講釈もないので、気持ちのよい一冊です。
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こぐれさんの文章って凄く面白い!
ここに載っている、パリの下町の、別に星つきとかじゃない(でも美味しい)昔ながらのビストロでゴハンが食べたいな、と思う。 -
二つ星に格上げされた人気沸騰の女シェフのレストラン、ワインバーで楽しむグラスワインあれこれetc. パリをこよやく愛する著者が、美味しい味を求めて東奔西走したパリの「レストラン・食べ歩き探訪記」。下町ビストロの気前のいいシェフからいじわるなギャルソンまで、イラスト入りで綴るパリの人々との触れ合いも読んでいて楽しい一冊です。