- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334790011
感想・レビュー・書評
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全体的に暗く重い内容で、中盤までは間違えた…と思った反面、物語に引き込まれて行った。
最後は涙が出そうになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
過ちを犯した者たちの再生。悪くないがうーん。奇跡?都合よくハーフ美女。物語にこんなとこ突っ込んでもダメだけど、読み時じゃなかったか
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何とも言い難い小説だ。妻を殺してしまった理由はわかったが、何故黙って産んでしまったのかは謎だ。でも理由はわからなくても、読んでいればその理由はわかるだろうと思い読み進めてしまった。遠田の作品はそういったところがいいのかもしれないし、最後は自身に考えろと訴えて終わってる気がするところもまたいい。
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記録
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始めはすごく冷たい印象の小説だったが、読み終わったときは温かい気持ちになった。
全部がハッピーエンドではなかったが、それが心地よかった。
遠田さんの本を読むのは初めてだったが、迫力のある文章だと思った。
森ニの一人称で話が進んでいくため、彼の過去や現在の感情の動きにとても引き込まれた。
登場人物が皆、自分の過去と戦うとてもよい小説だと思った。 -
妻を殺害し、出所したところから物語は始まり、なぜ殺したのかわからないまま、進行していきます。過去を振り返りながら、読み手はそれまでの空白の時間を徐々に知ることになります。罪に苛まれながらも生きなければならない人達の痛みや再生が描かれていて、なぜそうなったのか理由を知りたいと思いつつ、グイグイ引き込まれました。
要となるのは、妻を殺害した動機です。それにより、翻弄される登場人物達が描かれていて、骨太な作品になっていました。
全体として、陰湿な雰囲気を醸し出していました。実の兄や妻の兄、娘の昔と今の変貌ぶりに冷酷さが加わって、主人公の目線に立つと、絶望という文字が浮かび上がり、この先どうなるんだろうと気持ち重めで読んでいました。
隣人の女性も加わり、とにかく女性陣の存在感が凄かったです。これが映画だったら、助演賞を獲るのではと思うくらい、発揮していて、より物語を引き立たせていました。
もちろん男性陣も引き立っていますが、特に陰の部分が際立っていました。ゲス野郎ばかりで、良い意味で腹が立ちました。
後半になると、様々な真相が段々とわかってくるのですが、その事実がため息をつくくらい、残酷なことばかりでした。
それでも生きていく登場人物達には、頑張ってほしいと思いました。それまで、淀んでいた気持ちだった分、最後は冷たさの中に温かみを感じたような気持ちになれました。 -
面白かった。読み進めるのが苦しくなる時もあったけど、心に染みる話だった。