オブリヴィオン (光文社文庫 と 22-3)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 365
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790011

感想・レビュー・書評

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  • 全体的に暗く重い内容で、中盤までは間違えた…と思った反面、物語に引き込まれて行った。
    最後は涙が出そうになった。

  • 過ちを犯した者たちの再生。悪くないがうーん。奇跡?都合よくハーフ美女。物語にこんなとこ突っ込んでもダメだけど、読み時じゃなかったか

  • 何とも言い難い小説だ。妻を殺してしまった理由はわかったが、何故黙って産んでしまったのかは謎だ。でも理由はわからなくても、読んでいればその理由はわかるだろうと思い読み進めてしまった。遠田の作品はそういったところがいいのかもしれないし、最後は自身に考えろと訴えて終わってる気がするところもまたいい。

  • 森二は最初から破滅の匂いが漂っていた。(結果は予想外でホッとしました)
    ボタンの掛け違いで森二が妻 唯を殺してしまうのだが、冬香の実の父親が誰かということを考えると、やり切れない事件ではあった。
    森二含めた残された家族が少しでも幸せになることを望みます。

  • 記録

  • 森二が唯を殺めた理由、圭介と唯の関係、冬香の本当の父親は誰なのか。

    そうした過去の謎に加え、森二に絡んでくる沙羅、光一などとの絡みがどうなっていくのかなど、気になる要素が満載でページをめくる指を止められずに一気読み。更に、森二たちの過去が明らかになるに従い、自分が森二にどんどん感情移入していきました。

    そのため、森二がふいに幸せだったころを思い出すたびに、現状の辛い状況とのギャップの激しさにこっちまで辛い気持ちになってしまったりも…… 森二や圭介、唯たちだけでなく、最初は嫌なヤツという印象だった光一にも、その過去を知った後は同情する気持ちが芽生えたりもしました。

    ここまで人物たちに感情移入させられた本は初めてかもというくらい、のめり込んで読んだかもしれません。人物描写だけでなく、過去の真相、とりわけ圭介と唯の関係には心底驚かされましたし、人物相関の妙などあらゆる点で素晴らしい作品でした。

  • 始めはすごく冷たい印象の小説だったが、読み終わったときは温かい気持ちになった。
    全部がハッピーエンドではなかったが、それが心地よかった。
    遠田さんの本を読むのは初めてだったが、迫力のある文章だと思った。
    森ニの一人称で話が進んでいくため、彼の過去や現在の感情の動きにとても引き込まれた。

    登場人物が皆、自分の過去と戦うとてもよい小説だと思った。

  • 銀花の蔵の遠田さんの一冊。
    あらすじが気になってチェック。
    とある事情から妻を殺した森二の出所から物語が始まる。
    大切な人を殺した男が主人公という設定で、開始から既に救われない感じ。
    最後には救いのようなものが感じられて良かった。
    傷を抱えながらそれでも進んでいく。その姿がとても痛々しかった。

  • 妻を殺害し、出所したところから物語は始まり、なぜ殺したのかわからないまま、進行していきます。過去を振り返りながら、読み手はそれまでの空白の時間を徐々に知ることになります。罪に苛まれながらも生きなければならない人達の痛みや再生が描かれていて、なぜそうなったのか理由を知りたいと思いつつ、グイグイ引き込まれました。

    要となるのは、妻を殺害した動機です。それにより、翻弄される登場人物達が描かれていて、骨太な作品になっていました。

    全体として、陰湿な雰囲気を醸し出していました。実の兄や妻の兄、娘の昔と今の変貌ぶりに冷酷さが加わって、主人公の目線に立つと、絶望という文字が浮かび上がり、この先どうなるんだろうと気持ち重めで読んでいました。

    隣人の女性も加わり、とにかく女性陣の存在感が凄かったです。これが映画だったら、助演賞を獲るのではと思うくらい、発揮していて、より物語を引き立たせていました。
    もちろん男性陣も引き立っていますが、特に陰の部分が際立っていました。ゲス野郎ばかりで、良い意味で腹が立ちました。

    後半になると、様々な真相が段々とわかってくるのですが、その事実がため息をつくくらい、残酷なことばかりでした。
    それでも生きていく登場人物達には、頑張ってほしいと思いました。それまで、淀んでいた気持ちだった分、最後は冷たさの中に温かみを感じたような気持ちになれました。

  • 面白かった。読み進めるのが苦しくなる時もあったけど、心に染みる話だった。

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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