死の花の咲く家 昭和ミステリールネサンス (光文社文庫 に 3-4 昭和ミステリールネサンス)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334790066

感想・レビュー・書評

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  • 少し昔の雰囲気が楽しめて、元気な仁木悦子に会えて、そのうえ「これはSFじゃん!」な作品も登場して、満足。

  • 昭和の匂いが色濃い、一人称の上手い小説。
    ミステリーと思って読むとSF、昭和の時代の未来感なので古い新しさという不思議な印象を受ける。
    好きなのはねむい季節、それと穴。
    この作者は観察が細かいようで読むのが嫌にならない。穴が特に言えるけれどある部分は細かく、ある部分はほとんど見えていない。子供らしく感じる観察眼の書き方がうまくて好き。

  • 良質な短編集。良いミステリは時代を超えるのだとしみじみ思う。
    裏表紙に"爽やかな読後感"とあるのに、冒頭に収録の『金ぴかの鹿』の後味が悪すぎで笑う。
    『ねむい季節』は空飛ぶ車、牛乳でてくる蛇口、高性能ヒューマノイド等々未来感満載なのに、文書はワープロで作ってたり、監視カメラの録画映像はマイクロフィルムに記録されていて暗室で現像しないと見れなかったり、1960年代の未来感が面白い。
    解説もよいし、表紙に猫がいる。でも話に猫は出てこない。

  • 昔、仁木悦子氏の本を読んで、女性ミステリーの夏樹静子氏と同様に、好きになった。
    ふと、見つけた仁木悦子氏の本。
    読んで見て、昭和の香り一杯であり、探偵の如くの主人公に作者を思い浮かばせる。
    8話からなるのだが、「ねむい季節」は、昭和から見た未来像。
    この時代、鉄腕アトムのような二足歩行ロボットでさえ、夢物語りであったのだから。
    1970年の大阪万博で、未来は、どのようになるのか?と、ワクワク感が、この小説を書かせたのだろう。

    「暗い日曜日」ムラサキシキブ。
    我が家でも、今10月初旬、昨月から、紫の実を沢山付け出している。
    紫式部と、聞いても、花には結びつかないのが一般的であるのだが、作者も、お花が好きであり、この花の名前に惹かれたのだろう。

    最後のショート・ショートも、面白かった。

  • 「有栖川ファンならきっと好きですよ」とお勧めしていただいて初めて手に取った仁木悦子。

    なるほど文章に品があって読みやすくて、読後感も良くて、お勧めいただいた訳がわかった。文の流れる美しさに連城三紀彦っぽさも感じたけど、的外れな感想かな。あの、美文にうっとりしてる間に謎が解かれて「いつの間に!?」ってびっくりする感じが近い。

    「金ぴかの鹿」 読後感良いと書いた直後だけど読後感悪い!笑 
    「暗い日曜日」 はじめての仁木兄妹。可愛いけど、悦子すごい行動力!自分でスカートを縫ったりしている描写に時代を感じたな。最後、舘岡博士のために喜ぶ悦子に爽やかな気持ちにさせてもらった。
    「一日先の男」 これは、小説のジャンルとしては何になるのだろう? ミステリかと思いきや……ドグラ・マグラ的な感じもするけど。こんなものも書いたのか!という作者への驚き。
    「ねむい季節」 SF!1960年代に描かれた21世紀かと思うと、とても興味深かった。でもここまでで1番ミステリっぽいミステリというか、私はこれが1番好きかも。
    「隠された手紙」 母子の間の秘密。爽やかでよかったな。すごくいい話だった。
    「遠い絵図」 これも、母子の間の秘密の話。母子家庭の話が多い感じがするのは、時代的にそういう家庭がままあったということなのかなあ。戦後の混乱期過ぎて、夫の居なくなってしまった家庭は多かったんだろうな。「隠された手紙」といい、母子家庭の親子への暖かな眼差し、幸せになってね、という気持ちが感じられて、好き。
    「死の花の咲く家」 ダイイングメッセージはちょっとなぁ…。でも面白かった。なるほど。
    「穴」 子ども大活躍!これは、もう、設定が好み過ぎて、どんぴしゃり。しかも面白い。仁木さんは、子どもの気持ちがよくわかる作者なんだな。ひろきくん好みの。笑

    ショートショートはどれも毒が良く効いてて面白かった。

  • 2020年5月18日購入。

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著者プロフィール

1928 - 1986。小説家。ミステリーや童話を手がけ、1957年に長編デビュー作『猫は知っていた』で江戸川乱歩賞を受賞。明快で爽やかな作風で、「日本のクリスティー」と称された。1981年には「赤い猫」で日本推理作家協会賞を受賞。無類の猫好きとして知られる。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

仁木悦子の作品

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