- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334790080
感想・レビュー・書評
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口の悪さって不思議だ。
もう二度と話したくない!と思わされるようなイヤな物言いをする人もいる。
でも、この作品で描かれる星ばあは、キツいことを言うのに、近くて、優しいとは思わないのに、また会いたくなる。
そんな毒舌家、私は割と好きだ。
つばめにとって、父と継母の三人家族が定型文すぎる反面、笹川くんや、この星ばあとの出会いは、きっと彼女の芯の部分に近かったんだろう。
彼女が通う、書道教室のエピソードも面白い。
その時の気分に合った字を書いていいよ、という先生に対して、つばめが思い付く字「結婚」「勇気」
が彼女の思いを表していて。
ああ、この部分、もっと読みたいなーって思わされたのだった。
星ばあを通して、感情をぐるりと掻き回され、日常に楽しいを見出していく、つばめ。
対照的に、星ばあは、少しずつ元気がなくなり、どこか切羽詰まったように見えていく。
今秋、映画化されるとのことだが、秋の夜に見たい映画だな、と思った。覚えておこう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『時間をもっと気持ちよく使うため色々頭使うんだよ。有意義なんかじゃなくていいから、心地いい時間がだいじなんだ。』
星ばあは、いいこと言うね。 -
清原果耶主演映画の原作は再婚家庭の中学生の娘が綴る物語。読んだばかりの瀬尾まいこの本から偶然バトンがつながった? 似通った主人公だが、ここでは裏返しのように内面がじっくりと語られ、美しい情景の描写と合わさって、満たされた読後感をもたらす。
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映画公開に合わせて初読の著者だが読んでみる。映画の出来もかなり良かったがやや現実路線気味だった。原作はファンタジーだが、家族と言うのが危ういバランスで成り立っていることを示しており、ちょっと加納朋子っぽかった。この著者をフォローした方がいいのだろうか、他におすすめ作は何なのだろうか。
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先に映画を観ました。
映画の思い入れが強くなってしまったのですが、この何とも言えない世界観は好きです。
不思議で終わらず、現実味があり、それ分かる!となるところが逆に不思議。 -
大人が楽しむ児童小説ファンタジー。
少し泣けて気持ちが温かくなる。 -
とびきりたいせつなひとと、糸電話してみたいな。
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しっとりと心に響く作品でした。主人公の心の揺れ動きが甘酸っぱく、一歩一歩成長していく姿が、じんわりと温かくさせてくれました。
目の前に現れた星ばあの正体とは?児童文学ともとれるし、ファンタジー小説とも青春小説とも解釈できるほんわかストーリーでした。
自分が成長していくとともに周りの人も成長していきます。
昔は、こんな人だったのに今は・・・と昔とのギャップに戸惑うのは誰しもあったかと思います。現実を受け止める登場人物の心理描写が痛々しく、共感するところもありました。
主人公の視点で物語が進行するので、出来事が登場するごとに心理描写が繊細に描かれています。時に甘酸っぱく、時に元気になったりと思春期ならではの気持ちが凝縮していて、それがこの作品の醍醐味かなと思いました。
また、星ばあの存在感も発揮していて、言葉の一つ一つが汚いながらも、心に響きました。
なかなか他人の心の中を知ることはできませんが、みんな一生懸命生きている感が伝わり、余韻が後からあとからグッとくるものがありました。
夜に読みたい作品でした。暗闇から光が照らされることで、魅力が増す感じがしました。
この小説の後に映画の予告編を見ましたが、実の母親が登場したり、両親との言い争いなど、より具体的に立体的に描かれている雰囲気でした。観た後、爽やかにさせてくれるのではと楽しみです。 -
ほんわか系なのか…?すれた女子中学生と、口の悪い老女が出会うお話で、最後には涙さえ浮かぶようなステキなお話だったのですが、これはなんと表現して良いのか。悩みます。
あらすじには、ファンタジーと書いてありますが、まあそれは否めんけれどもそれだけじゃない。ただのほんわか系でもない。
登場人物たちのそれぞれが、自分なりに一生懸命生きていて、自分を振り返って改めて人生について考えさせられる本だったなあと感じています!
読後感も良く、長編なので物語にものめり込めて楽しめました〜◎
星ばあのいくつもの名言にハッとさせられ、つばめの素朴な幼いけれど当たり前の問にどきりとする。考えさせられる読書体験をしたい方におすすめ! -
14歳って、わたし何してたかな…?
特に何かに打ち込んでいた記憶はなく、流行ってる曲を聴いて、友だちとマンガ回し読みしてって、持て余していたような…