- Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334791063
感想・レビュー・書評
-
女子大生殺人事件の容疑者として浮上した大村は、既に別の殺人事件で本所署に勾留されていた。
その別件殺人事件の真相を求め捜査一課の姫川玲子が動き出す。しかし事態は単なる殺人事件ではなく、国際レベルの犯罪へとシフトしていく警察小説。
姫川玲子シリーズ作品とのことだが、私としては原作初読。よって著者も初めましてである。
しかしながら、ドラマは飛び飛びながらも視聴済み。
よって姫川玲子とガンテツ、菊田までは何とか脳内映像変換することができた。無論、私の中での姫川玲子は絶対的に竹内結子である。とても好感が持てる女優だった。ありがとう竹内結子。合掌。
率直に面白かった。
私は警察小説が好きなのだなぁと改めて感じさせてくれた。そして著者の綴る文脈がシュール。各登場人物視点による語り部からの独りごち。
これは著者お決まりのフレーズなのか。
『ま、そういうことだ』
何が。 ←コレだ。
本作の見どころは、某国による拉致問題と自衛隊を題材とした憲法改正などテーマが非常に重く、拉致被害者の苦悩も介在する内容となっている。著者の勇気や主張、エネルギーが感じられた。
私はどちらかと言えば、著者が登場人物に託した思想に肯定した派であった。このように読者へ社会問題の是非を暗に問うてくるとともに、かなりグロテスクな描写もあるので、本作未読で気になる方はあらゆる覚悟とご注意をば。
誉田哲也。
また新たに気になる著者が増えた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
姫川シリーズ…
もう第何弾か忘れた〜(^◇^;)
今度もエグいとこもあるけど、20年前の女子高生の失踪から始まる。
でも、その失踪が、北朝鮮の拉致!
今まで、このシリーズって、あんまり国家とか、政治思想的なのない気がしたけど、ジウシリーズと絡んだ影響かな?
もう、一事件としては、規模が…
玲子さんは、林さんの件を引き摺って、ちょっとテンション低い状態。周りが殉職していくんで、「死神」というナイスなニックネームまで得て。
そこへ殺人事件やけど、何か、人が変わってる?それもお隣の国の人。
そこから、色々な真実が。
拉致とか、もうテレビには現れる回数少なくなったけど、今も拉致されたままの人もおるし、何とかならんのかな…
もう、ロケット打ちまくるだけで、何も反応ないし…拉致家族からしたら、いたたまれん。
でも、一刑事とかいうレベルでは何ともならんのがツラい。
今後、どういう方向に向かうか分からんけど、新しく登場した武見検事絡みで進んでいく予感!
この次のも、もうすぐ文庫化!
楽しみ!
あっ!発売、今日や! -
切ない物語でした。善悪について考えさせられました。これでジウシリーズ、姫川シリーズは一旦読了。一気読んだ冬でした。
-
シリーズ第九作。久々にこのシリーズを読んだが、やっぱり面白い。今回は女子大生殺人事件の捜査のはずが、北朝鮮の拉致問題にまで話が及んだ。主人公・姫川玲子は美人で、捜査能力の高い優秀な刑事なのだが、一方で危なっかしく、また一方ではユーモラスなところもある。悪役、ガンテツこと勝俣刑事の存在感が増してきた。
-
誉田哲也『ノーマンズランド』光文社文庫。
久し振りの姫川玲子シリーズ。
何時になく、可愛らしげな独り言の多い姫川玲子が描かれ、アレッと思う。と、油断させておいて、今回の誉田哲也はとてつもない巨悪への怒りを描いて見せた。まるで『ジウ』の世界観ではないか。非常に面白い。
冒頭に描かれた高校のバレー部に所属する庄野初海と江川。この先、二人は物語にどのように関わっていくのか。
場面は変わり、過去に多くの仲間を亡くしたことに苦悩する姫川玲子。そんな姫川玲子が率いる新生姫川班が関わる殺人事件は不穏な様相を見せる。東京葛飾区のマンションで発生した女子大生の殴打縊死事件。容疑者の男は別な事件で既に逮捕され、挙げ句に捜査情報が遮断され、捜査は行き詰まる。事件の周辺で蠢く悪徳刑事の勝俣……
姫川が捜査する事件と冒頭に描かれた女子高校生・庄野初海のエピソードは、やがて20年前に起きた北朝鮮の工作員にる拉致事件とつながっていく……
北朝鮮による拉致事件の被害者家族は事件解決への手立ても、道筋も無く、さぞや苛立ちを覚えていることだろう。犯人は明らかであるのに、腰抜けの日本政府は何ら解決に向けた直接行動取らないで時間ばかりが過ぎていく。本書にはそんな被害者家族の怒りを代弁するかのような展開が描かれる。
本体価格780円
★★★★★ -
事件のスケールの大きさからか、今回の姫川玲子はいつもと違う感じでした。それでも楽しく一気に読了。
日下がなんか段々優しくなってきてる感じが。それはそれで何かいいかも。