- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334791353
感想・レビュー・書評
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将軍の毒味役である御膳奉行・矢背蔵人介は、幕臣随一といわれる田宮流抜刀術の達人であり、密命により幕臣の不正を断つ暗殺役という裏の顔があります。
【色無き風】
矢背蔵人介は、江戸城中で若年寄・遠藤但馬守胤統が、元宇和島藩士・糸川小十郎に命を狙われた所を助けます。これは、宇和島藩の特産である干鰯の金肥の囲い荷を行っていた、宇和島藩伊達家の留守居役・稲森重綱と御用商人の干鰯問屋・堺屋八十吉などによる不正の……。
――― 蔵之介が、伊達家の留守居役を守ろうとする旧友と斬りあう所では、ハラハラしました。
【国芳受難】
浮世絵師・国芳の危難を蔵之介が助けた事がきっかけで、出羽山形藩6万石を治める秋元家の不正をただします。大奥の表使・磯山、御広敷用人・戸賀崎新十郎を大奥で蔵之介が成敗し。妖術遣いの紅花問屋・冬木屋治平、秋元家の紅花奉行・村地主水を……。
【去り行く者】
海防策のため江戸、大阪の大名、旗本の知行地を取り上げ、代替地を与える「上知令」を進める老中首座水野忠邦を助けた蔵之介は、上地令で儲けようとする公儀勘定奉行・井出沼内膳、熊野屋七右衛門を……。
――― 蔵之助が、上知令に振り回された若侍と、その病弱の母、目の悪い妹を助けるくだりが身につまされます(涙)
【読後】
勧善懲悪で、テンポがよく、斬りあいが多くて面白いです。
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※シリーズ
「暗殺 ― 鬼役」シリーズの30作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4334790771
「大名 ― 鬼役」シリーズの29作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4334790151
「黒幕 ― 鬼役」シリーズの28作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/433477945X
「公方 ― 鬼役」シリーズの27作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/433477900X
「金座 ― 鬼役」シリーズの26作目
https://booklog.jp/users/kw19/archives/1/4334778429
※鬼役シリーズの25作目以前は、ブクロク登録前に読みました。
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殿中 ー 鬼役シリーズの31作目
2020.12発行。字の大きさは…中。2021.03.17読了★★★☆☆
色無き風、国芳受難、去り行く者、の短編3話。
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2022.09.11修正詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2020年12月光文社文庫刊。書き下ろし。シリーズ31作目。色無き風、国芳受難、去りゆく者、の3つの連作短編。老中水野忠邦失脚までの話に蔵人之助が絡む。いつもの流れとは少し違う行動をとる蔵人之助が面白い。随所に救いが多いのも楽しい。
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鬼役31巻目。
今回は珍しく志乃さんがたくさん出てきて
普段とまた違う面白さたるや
上役との騒動やらなんやら、まだ全然終わりそうにない -
三十巻より先に読んでしまった
舞台が大きくなったようなきがする -
鬼役が優しくなった?
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第三十一弾
絵文を交わす友、剣を交える時二人の胸中は
恩ある秋元家の危機に、義母志乃の活躍、国芳の絵から紅花、御金蔵破りの泥棒まで
老中水野を助けたことから逆に狙われ、養子と同じ年頃の刺客に興味を持ったことから老中の失脚に立ち会い 、策謀した裏切りに鉄槌を