ショコラティエ (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334791827

感想・レビュー・書評

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  • 若者たちが懸命に夢を追う、王道の青春ストーリー。

    ショコラティエになりたい男の子。
    ピアニストになりたい女の子。
    食べる事は大好きだけど、イマイチやりたい事がわからない男の子。

    友情あり、恋あり、挫折あり、反抗期あり。
    みんな壁はあったけど。
    何とか乗り越えスタートラインに立てました。

    壁は人によって違うのだけど、乗り越えられる大きな推進力になるものは、その道がやっぱり好きだという強い思いなのだろう。

    私は子ども頃の夢とは違う職業に就きました。
    昔から好きで少しだけ得意な事がお仕事になりました。
    好きだという思いは道を創ってくれるようにも思います。

    もう一つ、ショコラ食いしん坊として見逃せなかったのは、素晴らしいショコラの表現の数々です。
    華麗すぎる!
    完璧すぎる!!
    おいしそすぎる!!!
    青木定治氏が語っていらっしゃる?って思う程です。
    (青木氏は作品に登場してません)

    今日は友人がチョコレートをくれたので、お夕飯の後にいただいたのですが、なんか、もう、いま、食べたい。
    ちょっとだけなら問題ない、と、思うのですけど。
    23時30分…。
    やっぱりとっとと消灯いたします。



  • 小学校で知り合った二人
    聖太郎と光博
    その二人の成長物語でした
    二人の住む世界の差が序盤から気になりながら
    話は進み仲良くやってた感じ
    中学、高校、大学、社会人と進んで行き・・・
    それぞれの話が交互に語られ、その中で
    凜々花の存在も二人の間でどうなるのかとか
    大地震や留学なども語られそれなりに楽しめました

  • バレンタイン&ホワイトデーシーズンなので、ボンボンショコラが表紙のこちらを読んでみた。

    子供時代と大人時代のページの割合のこと気にかかってたら、最後に著者のあとがきでそのことに触れられていて納得!

    ありきたりな言葉でしか表現できないけど、自分のことをわかってくれる友人がいること、一生懸命になれる"何か"があるのは大事だなって思った。

  • 2人の少年が切磋琢磨してお菓子職人目指す話かと思ったら違った。
    もっと人間らしい感情を煮詰めて大人になっていく…勢いよく読み終わった後に振り返ってしみじみと噛み締めてしまう深いお話だった。

    読んでいて楽しいのは聖太郎のスポンジのように吸収する製菓職人ライフなんだけど、共感するのは光博の周りからの期待に応えられず自堕落になっていく落ちぶれっぷりだった…。

    自分は何も才能を持たない者だからと動き出すことが出来ずに燻っていた光博だけど、免許をとったり工場の仕事を手伝ったりと小さな一歩一歩を積み重ね、視野を広げる事で今までの自分の「思い込み」に気づく事が出来た。その過程が大人になっていく事なんだなと改めて認識した。
    子供の頃から長年続けて来た「思い込み」ってもはや呪いみたいなものなので、何がきっかけで解けるのかは本人次第。
    あんなにウジウジ悩んで動き出せなかったのにきっかけ一つでぽんと動いちゃったりと軽い感じもリアルに描かれていると感じた。

    2人の右肩上がり間違いなしの今後がめちゃくちゃ見たいけど蛇足なんだろうなぁ〜。

    しかし何よりチョコレートやお菓子の食レポ描写が美味しそうすぎて飯テロだった。

  • 完全に題名、ジャケ買い。でも読みやすかったし、展開もめっちゃ面白かった!あとがき読んで、作者の意図になるほど!!!ってなった。ほんと大人になると時間ってあっという間、、、。友達、家族、恋愛、貧富、信仰、夢、才能とは?いろいろ考えさせられたな〜でも重くなくて、食べ物の描写もすごく好き!どんどん残りのページが少なくなるにつれて、え、結末どうなるの!?この残りのページで終われる!?となりますが、安心してください。もう一度読み返したい。

  • 『本質が見えている。そして、本質しか見えていない…』

    商売ってこういうことっていう言葉。

    全体的には、大雑把な感じがした。
    主人公の3人の心の動きとかは引き込まれるものがあるし、丸く治まる感じは良かったけれど、3人を取り巻く人たちと3人の気持ちが希薄な感じがする。なので、地震との関わりも中途半端かな。

    それでも、お話としては面白いし、この3人のこの後、見てみたい。

  • まんまと時間と年代の罠に掛かってしまった。同じ時期を同じ年齢層で過ごしたからか、より一層感じるものがあり、クライマックス近くには涙が出てしまった。あの4つのショコラを味わってみたい。

  • 羽野聖太郎
    小学四年生のときに同じクラスになった大宮の誕生日会に参加。チョコレートに魅せられた。

    大宮充博
    小学四年生で同じクラスになった学年一の肥満児。『ピースチョコ』で有名な大宮製菓の御曹司。

    源二
    光博の祖父。充博をいろんな店に連れて行き、味覚の英才教育を施している。大宮製菓の創業者。

    源一
    源氏の兄。

    石橋アキラ
    裕福な家の子で、光博をライバル視いている。

    村井凛々花
    光博とは母親同士が仲良く、赤ちゃんのころからの幼馴染。

    牧瑛士
    光博の高校のクラスメイト。

    神庭柊人
    ピアニスト。

    美結
    高校生の時の光博の彼女。

    相馬隆平
    洋菓子店『ソマリ』のオーナー。

    横尾哲也
    『ソマリ』で十年近く働いている職人肌といった無愛想な男性。

    砂田玲子
    化粧っ気がなく、年齢不詳。

    榛名秀明
    オーブンを担当している職人。すらりと背が高く、整った顔立ちをしており、女性客に人気がある。

    堀佑真
    聖太郎を除いて厨房で最も職歴が浅い。新婚。向いてないと辞めてしまう。

    鎌塚忠行
    製菓学校で教えている。聖太郎が出場する新人部門の審査員。

    和久山欣也。
    料理研究家。聖太郎が出場する新人部門の審査員。

    水瀬孝司
    『水瀬屋』オーナー。聖太郎が出場する新人部門の審査員。

    川合義治
    相馬の古い友人。聖太郎がフランス滞在中に間借りさせてもらう。

    柴村
    川合の飲み仲間。白髪の痩身でスーツを着こなす。

  • チョコレートが食べたい。
    と、読後必ず読者は思うだろうと思われる小説。笑

    聖太郎、光博、凜々花。
    それぞれがそれぞれの道で悩んで、やがて答えを見つけて行く。そんなストーリー。

    思わず自分の学生時代と比べてしまった。
    本当に幼かったなぁ。。と。。
    この3人のように悩んだりしなかったなぁ。

    私は取り立ててずば抜けた才能もなく、好きな物もなく、人生に悩んだりもせず、誰かと比べて落ち込む事はあるけど、だからって、なにくそ!とか奮い立つこともなく。。。
    本当、何もない学生時代、人生で。。

    でも、今もし戻れるなら、絶対今の人生は歩みたくない。なんて思うのは、今の人生を後悔してるのか?な?
    なんていろいろ考えてしまいました。

    個人的に好きなシーンは、光博君がティファニーのオープンハートを欲しがってる彼女に、タツノオトシゴモチーフのチョコをあげるとこ。

    もちろん、彼女激怒→ジ・エンドとなるのですが。

    私だったら。。。やっぱりがっかりするだろうな。笑

    なんだろ?女の子って十代って、まだまだ子供で、相手の気持ちまで考えられないのですよね。。
    光博君にはちゃんとその良さを分かってくれる凜々花ちゃんが一番だよ。

    これ、続きあるのかな?
    文中に出てきた神庭柊人も気になる。
    どこかでいつか出てきそう。。
    光博君のライバルとして。なんて。

    とにかく今は(零時過ぎ)チョコレートが食べたいのだ。。。

  • 小学生で出会った聖太郎と光博、家庭の環境が全く違う2人がお菓子作りを通して仲良くなる。その2人が大人になるまでの物語。中学生で疎遠になっていく2人だったけれどリリカの存在が2人を再び結びつける。著者があとがきで語っているように実際この物語も大人になるにつれて展開が早く月日の流れも早くなっていく。チョコレート、美味しそうで、その後高級チョコレートがブームになったから、その後の2人が成功しただろうことは間違いない。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。2004年、第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞した『ねこまた妖怪伝』でデビュー。児童文学のほか、ミステリーや恋愛小説も執筆する。著書に、「2013年 文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)となった『ハルさん』、『初恋料理教室』『おなじ世界のどこかで』『淀川八景』『しあわせなハリネズミ』『涙をなくした君に』、『きみの傷跡』に連なる青春シリーズの『わたしの恋人』『ぼくの嘘』『ふたりの文化祭』などがある。

「2023年 『初恋写真』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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