狩りの季節(異形コレクションLII) (光文社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (601ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334792718

感想・レビュー・書評

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  • 初めて読む「異形コレクション」楽しかった!
    読書ってこんなに楽しいものだったのね!と感じさせてもらえた15篇でした。

    名前は知ってだけど、初めて読む作家さんばかり。きっと順番も配慮されていて、真ん中あたりにキャラの立ったお話が集中。ここは続きを!是非ともシリーズ化を!の宝庫でした。特にお気に入りは、南北朝時代の妖怪ハンター凸凹バディもの「七人御先」、都会を住処にするの吸血鬼の「昼と真夜中の約束」と「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り」(笑)
    SFっぽい「ヒトに潜むもの」も、久美沙織さんのも、最後の空木春宵さんのも素晴らしくて良かった。

    ホラーでちょっとグロい描写もあるので苦手な方は注意!です。

  • 【収録作品】「天使を撃つのは」 柴田 勝家/「哭いた青鬼」 黒木 あるじ/「ヒトに潜むもの」 上田 早夕里/「贄のお作法」 清水 朔/「赤いシニン」 井上 雅彦/「七人御先」 霜島 ケイ/「えれんとわたしの最後の事件」 澤村 伊智/「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り」 牧野 修/「ゲルニカ2050」 平山 夢明/「インヴェイジョン・ゲーム1978」 伴名 練/「昼と真夜中の約束 王谷 晶/「ドッペルイェーガー」  斜線堂 有紀/「夜の祈り」 久美 沙織/「キングズベリー・ラン」 真藤 順丈/「夜の、光の、その目見の、」 空木 春宵

    Web東京創元社マガジン「深緑野分のにちにち読書」第二回 http://www.webmysteries.jp/archives/28610458.html#chapter5

  • 狩りのシーズンといったら通常は秋なのだろうが、購入から半年以上経ってようやく読了。
    “狩り”がテーマなら当然狩る側/狩られる側の物語となり、そこで繰り広げられる対決やバトルはもちろん、狩る側が気付いた時には“狩られる側”になっていた―というのもまたお馴染みの展開ではある。

    印象に残ったのは、
    ・Iターンで山村に移住したライターが知る山の秘密と惨劇「哭いた青鬼」
    ・薩軍のある兵士による西南戦争《異聞》「贄のお作法」。タイトルと序盤の暗示で展開は読めてはしまうが。
    ・“狩り”テーマで“潮干狩り”を持ってくるとはw「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り」。牧野修作品ってやっぱ好き。
    ・ヒーローが大挙登場してお互いバトル→共闘という、平成以降東西でよく作られたパターンを、なんと昭和のスケバン(但し人外の能力付)でやったみたてな趣の「インベイジョン・ゲーム1978」(これも単純に好きw)
    ・ある理由で人間の生血を摂ることを止めた女吸血鬼が、吸血鬼ばかりを襲う犯人を追う「昼と真夜中の約束」
    ・虐待の対象が○○である場合、それは罪なのか?ある意味収録作で最もアンモラルともいえる「ドッペルイェーガー」等。

    何となくの印象だが、主要キャラクターがやけに立っているというか、キャラ先行、シリーズ化を念頭に置いて書かれてるんじゃないかという感を受ける作品が多かったのは、今回のテーマ故、だろうか。

  • 異形コレクションシリーズ52冊目。
    テーマは「狩り」

    「七人御先」霜島ケイ
    時代小説だけど読みやすい。キャラが立っている。
    シリーズとして1冊になってれば読みたい。

    「夜の、光の、その目見の、」空木春宵
    読後感が良い。最後に持ってきたのも良い。

  • 意味わかんないのもあるけど面白かった

  • テーマが『狩り』というのが魅力的。伴名練の短篇目当てだったが、面白い短篇が多かった。

    以下、覚え書き
    柴田勝家「天使を撃つのは」
    黒木あるじ「哭いた青鬼」
    上田早夕里「ヒトに潜むもの」
    澤村伊智「えれんとわたしの最後の事件」
    牧野修「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り」
    平山夢明「ゲルニカ2050」
    伴名練「インヴェイジョン・ゲーム1978」
    斜線堂有紀「ドッペルイェーガー」
    空木春宵「夜の、光の、その目見の、」

  • 2022夏の文芸書フェア

    所蔵状況の確認はこちらから↓
    https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001014250

  • ダーク・ロマンス、蠱惑の本、秘密は各話の表紙が端まで黒かったからどっからどこまでかわかりやすかったけどこれは端まで塗られてないから実際ページめくらなきゃ各話がどこまでかわからない、デザインは好きだけどちょっと不便

    柴田勝家「天使を撃つのは」
    馬車に乗り合った男の身の上話を聞かされる、という話。男は鳥を狩るように、天使を撃って狩っているという。
    クレマンスとヨルク良かった。天使様に会いたいから子供を虐待する母親。天使は人間の助けてほしいという声に応える、特に子供のものには、だがそれは天使が慈悲深いからではなく単なる天使の習性であり、天使の救いによって救われた人間が幸せになるとは限らない、ってところも。
    天使は結局いないんだろうか。ヨルクの撃った天使は幻だったのかな。天使が本当はいない方が救いがなくて好きだ。

    黒木あるじ「哭いた青鬼」
    ジビエ料理屋をやろうと田舎に移住したがうまくいかない男が山で青鬼に出会う話。面白かった~、すごく文が好きだ、そりゃそうなるやろ!

    上田早夕里「ヒトに潜むもの」
    「me」という装置が普及しているというSF設定。個人認証に使ったり、SNSができたりする。フック付きのワイヤレスイヤホンっぽい形で、それに寄生する虫の話。
    気持ち悪くて好き、寄生生物好きだ…

    清水朔「贄のお作法」
    時代設定は西南戦争。人を殺すことに憑かれた男が、ある男を殺すところを女に見られてしまう。命乞いをする女の美しさに気を変え、村まで案内する、温泉に入ってゆっくりしてから、と言う女についていくが…
    これめっちゃ好きだな、文がすごく良かった、日本語の良さ・美しさが味わえる。立場が入れ替わるの気持ちいいな~百代、素敵だ…

    井上雅彦「赤いシニン」
    「蠱惑の本」と同設定。たぶん元ネタ知ってたら面白く読めるんだろうな、大変不勉強

    霜島ケイ「七人御先」
    これ、「酒の夜語り」と同設定!酒の夜語り大好きだ~。一人を殺したら一人が成仏できる七人御先が不死の捨丸を殺したせいで一人成仏したのに死人が増えず力を失うっていうの、面白くて良かった。
    一応時代小説だから言葉は古いんだけど、文体が軽快だからすごく読みやすい、好きだ。

    澤村伊智「えれんとわたしの最後の事件」
    ゴーストハンターみたいなことをしている「えれん」と「わたし」の話。
    作中で起こる怪異がなかなか良かった

    牧野修「ブリーフ提督とイカれた潮干狩り」
    「ダーク・ロマンス」と同設定の魔術医の話。この潮干狩りの設定が面白い~!今の世とは異なる歴史・物理法則・生命進化なんかを持つ異世界が今の世に染み出てくることがあるんだけど、その異世界の空気はこの世とは屈折率が違って陽炎みたいに見える。異世界が押し寄せては引き、引いては押し寄せ、潮騒みたいな音がする。この異世界が引いていくときに、しばらくその痕跡が残る。そこに異世界から打ち上げられた漂着物が残されることがある。これを取りに行くことを潮干狩り、っていう。
    犬、やっぱりいいやつ

    平山夢明「ゲルニカ2050」
    ゲームやってたら実際の戦争だった、ってよくある設定だけど、この話の展開…キャラクター…めちゃくちゃ好きだ…ゲームを装って操作させてたアンドロイドの名前がゲルニカっていうのもすごくいいな~
    ゲルニカとても好き、日曜美術館のゲルニカ回すごく良かったな~

    伴名練「インヴェイジョン・ゲーム1978」
    これめっちゃ面白い!!話としては昭和版ダーウィンズゲームに近いかな
    スケバン×SFってすごく新鮮だしキャラがとても良くてめちゃくちゃ面白かったな~!!最後にゲーマスに殴り込みにいこーぜってなるのも好きだ~

    王谷晶「昼と真夜中の約束」
    あるはみ出しものの吸血鬼が吸血鬼狩りの犯人を探す話。
    主人公の吸血鬼がある女性をずっとずっと引きずってとうとう同胞から追放されてしまうのがめっちゃ良かった…たった一度の約束に縛られている激重感情とても良…

    斜線堂有紀「ドッペルイェーガー」
    これ面白い~!斜線堂有紀、好きだな。
    写真から正確な3DCGモデルを作るライカスという技術に、脳波から作り出した意識モデルをインストールする。それで作り出したモデルを虐待するという話。作中では他人のモデルを虐待する事件が出てきて、それも面白い。主人公は己の嗜虐性を満たすために自分のモデルを虐待する。
    最後婚約者くんが主人公が作って虐待していたライカスモデルを救い出しにいくところ好きだ、人間は所詮愚か。婚約者くん現実世界でどうなるんだろ?

    久美沙織「夜の祈り」
    初夏の風みたいに軽くて透き通った文で描かれるセイとチカのクソデカ感情…

    真藤順丈「キングズベリー・ラン」
    最初の引用文すごく好き


    空木春宵「夜の、光の、その目見の、」
    「夜気」をすくい上げることができるある画家の話。
    最後、駐禁切られて大笑いするシーンすごく好きだ
    ずっと夜なのにあったかくて爽やかな話だった

  • ふむ

  • 読後感が良かったのは空木春宵「夜の、光の、その目見の、」、続きが読みたいと思ったのは澤村伊智「えれんとわたしの最後の事件」、物語として良く出来てると思ったのは柴田勝家「天使を撃つのは」、

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著者プロフィール

鳥取大学大学院 医学系研究科

「2019年 『公認心理師 実践ガイダンス 2.心理支援』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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