家康の遠き道

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911669

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  • 関ヶ原の戦いの後の家康。貿易、官僚社会、豊臣家の存続問題。諸問題を抱えながら新しい時代の創生と守成を断行してゆく。

  • 徳川家康の天下平定以降を描く。
    手中にした天下を家康亡き後も、無事に保ち続けていくため、苦心惨憺、悩みながら、一つ一つ片付けていく。
    関ヶ原以降の徳川家康に焦点を絞っている。この視点での小説はなかなか少なく、面白い。

  • 家康の関ヶ原の戦い以降天下を取り子孫が将軍を受け継いでいけるように道筋を立てていくかを書いてある。キリシタンや外国からの貿易、そして大阪の秀頼など問題は山積み。汚れ役を家臣に任せて家康は神となるべく論議に没頭。知らなかった家康の事が知れたのはよかったが惹きつける話ではなくハズレだったのは悲しい。多分この本を最初に読んでいたら岩井三四二氏の他の作品は読んでいなくて損をしていたと思う。

  • 関ケ原後。家康目線の歴史語り。
    南蛮、キリシタン、岡本大八、大坂の陣。
    読み応えがあった。面白かった。
    歴史の理解が深まった。

  • 初出 2015〜16年「小説宝石」

    江戸幕府を開き徳川政権の「草創」を果たした家康が、「守成」(=子孫の代までの政権安定)に精力的に励む様を描いているが、史料をきちんと読む作者らしく、続群書類従の「當代記 駿府記」や国史大系の「徳川実記」などを参考文献にあげているのはさすが。

    前半は、スペインとポルトガルによる世界分割の合意を背景とした植民地化の危機を排除する外交とキリスト教対策に割かれ、後半は大坂の陣までの豊臣氏の弱体化、抹殺の戦略が描かれる。

    一方、大名、寺社、公家の統制を法治主義によって行おうという合理主義の反面、山王一実神道によって自身が神となることで政権を守ることを願う。

    子や孫が政権を崩壊させることを恐れ、忠輝を切り捨てる決断をするなど、人間的な苦悩も浮き彫りにして面白い。

  • 「守成(しゆせい)」は「草創」と同様に、いやそれ以上にむずかしい。

    家康は悩んでいた──手に入れた天下を死後もどう無事に守り、保ちつづけるのか? 戦国を勝ち抜いた〈怪物〉が辿り着いたこたえとは。赤裸々に戦国武将の心を暴き、読者を惹きつける人気作家の最新作!

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著者プロフィール

1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業。1996年「一所懸命」で小説現代新人賞を受賞しデビュー。98年『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、04年『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞、08年『清佑、ただいま在庄』で中山義秀賞、14年『異国合戦 蒙古襲来異聞』で本屋が選ぶ時代小説大賞2014をそれぞれ受賞。『太閤の巨いなる遺命』『天下を計る』『情け深くあれ』など著書多数。

「2017年 『絢爛たる奔流』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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