- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334914943
感想・レビュー・書評
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読み応えありました。
少しずつ分かっていく真実と、それを受け止めながら成長していく菜々子。
それを支えるジヒョンの素直な優しさと、謙太の健気な優しさがすごく良い。
血の繋がりって やはり強いけれど、
それだけではない家族の信頼関係もある。
家族の形について考えさせられる1冊。 -
序盤から取り違えが透けて見え、少し鼻白んだのは確か。しかし想像とは違う展開に、気付くと夢中になっていった。
親子とはなんであろうか、
誕生とはどの瞬間をさすのか、
なぜ実子に拘るのか、
養子ではいけないのか。
卵子と精子が受精卵となり、子宮で育まれ、母体から酸素と栄養を得、自分の肺で呼吸をした瞬間に肺を開き産声を上げる。この世の灯りを求めてそこまでを生き抜いてきた。
それだけで奇跡。
菜々子が韓国を訪れた一つひとつの出来事が美しく、これ以上ない落としどころにホッとした。
初の谷村志穂さん。
次何読もう。 -
あれれ、谷村さん初読みかもしれない(・・;)。
プロローグで描かれる1996年夏の情景から、本書の行方がわかったつもりで読んでいた。まあ、大筋では想像通りだったのだが、そこまで安易な作品ではないのでご安心を。
というか、こんなバレバレなプロットだけで引っ張るはずもなく(もちろん菜々子が真相を探る過程はドキドキなんだが)、むしろ真相がわかってからの主人公たちの行動が主眼なんだと思う。それまでの友情物語や家族関係も読みどころだ。
1点だけ、非常に大きな疑問があるのだが、医療監修者もおられることだし、たぶんぼくの無知ゆえなのだろう。 -
しっかりと丁寧に書いてある。人物描写が、優れている。最後まで、読んで良かった。
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厚いけれど読みやすい文章で夢中になって読みました。読み終わったときはかなり疲労感も感じましたが。
血液型から親子関係を疑う話は少なくないけれど、医学生らしくDNA鑑定まで行う。
その法医学の准教の話も現実味を感じました。
ALSにかかっていた、韓国からの留学生のイジョンが想い続けたタケル。
「自分の病気がわかったとき、線路から外れたみたいな気持ちになった」
「でも、その先にも別の線路がちゃんと延びてた」
「自分の病気がわかったとき、何を知ったかわかる?」
「多くの人が、その答えは絶望だと、想像するかもしれない。
でも違ったよ。
僕が知ったのは、自分の強さだった。むろん、散々挫け続けたあとにだけど」
こちらのストーリーも、深く考えさせられました。 -
読み応えがあった。
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赤ちゃんの取り違え事件の小説は呼んだことあるけど、この本はまさかの仲良くしている韓国人と関係しているとは。
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人工授精卵の取り違えという医療過誤に直面していく主人公菜々子の葛藤や成長が伝わる重く苦しいテーマの一作。そこに集う菜々子を取り囲む仲間たちがとても素敵に描かれていて、輝きも満ちている。ただし、どこかスッキリしない後味感も・・・。