地羊鬼の孤独

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914974

感想・レビュー・書評

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  • ホラーミステリの一冊。

    読後感はさておき、なかなか興味深い呪術の世界とミステリが絡み合うホラーミステリだった。

    棺に入れられ、内臓を模型に代えられた遺体が次々と発見された事件を機に中国の妖怪・地羊鬼、呪術と拡がりを見せながら犯人と過去の連続殺人事件までの繋がりを探るストーリー展開。

    彼らは地羊鬼に選ばれた被害者?選ばれた者の共通点は?と、じわじわと地道な時々光る推理が導いたこの結末に言葉が出ない。

    最近、思う。

    呪詛や人の恨みも怖いけれど、淡々と話す人間が一番怖い。

    心は空っぽか、模型なのか、怖い。

    つくづくそう思う。

  • 日本や中国の鬼や妖怪や幽霊の蘊蓄は楽しく読めたけど、うーん。とりあえずサイコパスがいっぱい的な話だった。

  • 林原さんと八木沢刑事のコンビで事件を解決すると
    思いきや、十年前の連続殺人の真犯人は林原さんで、
    動機が驚き、八木沢さんも殺されてしまいました。
    怪談を収集している船井さんも常人ではなかった。
    林原さんのキャラクターいいなぁと思ってたのに…

    中国妖怪
    地羊鬼 内臓や手足を木に替える
    金蚕 錦の布を食べ持ち主に富を与える

  • 全裸遺体の入った棺が市内で次々に発見された。動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事八木沢は警部補林原とコンビを組み捜査を進めるのだが…。
    ホラーミステリーと銘打っているのですが、どっちも中途半端な感じ。どうせならホラーに振り切って欲しかった!読後感、あまり良くありません。

  • ホラー➕ミステリー小説。文章は読み易い。

  • 推理小説は大抵犯人が捕まって綺麗にまとまり終わる物しか読んだことがなかったから、結末に驚き。
    サイコパスと呪いが噛み合わさって、そういう世界観もあるのだなと。心霊現象は信じてないけど、人の念は存在するしそれで人が殺せてしまうのかと、考えてしまった。あと人死にすぎ。
    続編でも出て、犯人は捕まって欲しいなぁ。

  • ホラーなのか?
    ミステリーなのか?
    ハラハラドキドキ面白ければ
    どちらでも関係ないのだけれど
    どっちつかずで
    中途半端だったように思う。
    ミステリーとしての整合性と
    理由づけのために
    得体の知れない不気味さ
    怖さ、禍々しさを失ってしまっている。
    中国の妖怪とか興味深かっただけに
    思いっきりホラーに
    振り切って欲しかった…

  • 今までのシリーズとは別の新作。前作も読みましたが、こちらは間違いなく最高傑作。最後に「怖っ!」と震えて終われて、妖怪、呪い、幽霊と盛り盛りで、満足感が凄いです。次回作も買います!

  • 怪異譚は大好きですが、大抵日本の伝承ですよね
    中国の怪異譚は全く知らなかったので新鮮で楽しめた
    ホラー色もそこまで強くないので、苦手な人でも読めると思います

  • 感想

    ミステリ本来の楽しみもありつつ、最後まで読んだらこれはホラーだったと思い知らされた。
    ゾクッとする読後感。

    事件の猟奇性と動悸の乖離は賛否ありそう。
    個人的には逆に狂気的にも感じたし下手に狂った動悸を捻りすぎると冷めちゃうからなんとも言えないかな。

    あとなんで校庭の棺を『弐』にしたんだろう。
    これ、作中で言及されてたら読み落としてるだけだからめちゃくちゃ恥ずかしいんだけど。
    ほぼ同時に設置したとしても場所的に一番最初に発見させる可能性がいちばん高い校庭に『壱』を置く方が効果的じゃないかな?と思ってしまった。
    『弐』にすることによってもしかして『壱』があるかも、『参』やそれ以降があるかも、ということを示唆したかったのかと思うけど。

    ラストがとても良かった。
    ミステリよりホラーが主体な感じもしたし、密室トリックという点でミステリとして遜色なく楽しめた。

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著者プロフィール

1982年、栃木県生まれ。筑波大学大学院修士課程修了後、妖怪研究家として研究・執筆・講演を行う。2020年、「影踏亭の怪談」で第17回ミステリーズ!新人賞を受賞。他の著作に『赤虫村の怪談』『地羊鬼の孤独』。

「2023年 『最恐の幽霊屋敷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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