息をつめて

著者 :
  • 光文社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334914998

感想・レビュー・書評

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  • 斬新な物語だと思いました。
    主人公の麻里は職場や近所でトラブルが起こる度にすぐに引っ越し、職も変えます。あまりにも引越しを繰り返しているので、手際が良すぎて引っ越し業者にも感心されるほど。
    きっと何か、人に言えないような事情を抱えているのだろうと想像がつきます。
    徐々に麻里の抱えている問題が明らかになってくるのですが、その問題に対する麻里の受け止め方が、私が今まで読んできた小説や観てきたドラマ、映画とは全く違っていました。
    家族との向き合い方‥‥いつの時代もとても悩ましい問題です。家族の問題は家族が引き受けるべき‥‥どうしてもそう思ってしまいます。そして、そう思えば思うほど苦しくなっていきます。
    しかし、そこから一歩踏み出すのは覚悟のいることです。でも!息をつめて生活していくのも辛い!
    本当に悩ましい問題です。
    きっと踏み出すべきなんでしょうね。

    • みんみんさん
      こっとんさん♪こんにちは〜(^^)
      わたしもこの作品はゾクゾクしながら読みました。
      斬新!本当に初めての設定ですよね_φ(・_・
      こっとんさん♪こんにちは〜(^^)
      わたしもこの作品はゾクゾクしながら読みました。
      斬新!本当に初めての設定ですよね_φ(・_・
      2023/05/21
    • こっとんさん
      みんみんさん、こんにちは♪
      みんみんさんのレビューを読んで手に取りましたよー
      ありがとうございました♪
      本当に展開が斬新でしたよね。
      え?そ...
      みんみんさん、こんにちは♪
      みんみんさんのレビューを読んで手に取りましたよー
      ありがとうございました♪
      本当に展開が斬新でしたよね。
      え?そんなこと思っちゃいます?みたいな。
      どんな結末になるんだろうか、と私もゾクゾクしながら読みました。
      2023/05/21
  • 引越して近所で仕事を探す。人と関わらないように暮らす麻里はちょっとしたトラブルでも引越します。
    物語の合間に少しずつ以前幸せだった頃の話があり少しずつ理由がわかってきます。

    ハァ〜息がつまります…まさにタイトル通り(*_*)

    親だって子供から卒業してもいい。

    桂望実さんの作品は
    人に言ったらおかしいんじゃないか?
    こんな事を思う自分がおかしいんじゃないか?
    そんな考えを「大丈夫、あなただけじゃないよ」
    といってくれる。

    今まで読んだ桂さんの作品は明るい話が多かったからちょっと驚きました。

    • おびのりさん
      私もおかしくてね、我慢できずに、異世界社畜4巻Amazonしちゃった。
      私もおかしくてね、我慢できずに、異世界社畜4巻Amazonしちゃった。
      2023/05/03
    • みんみんさん
      大丈夫あなただけじゃないよ笑
      (=´∀`)人(´∀`=)
      大丈夫あなただけじゃないよ笑
      (=´∀`)人(´∀`=)
      2023/05/03
    • おびのりさん
      安心
      安心
      2023/05/03
  • 人目を忍んでひっそりと暮らす女。
    働く先で警察沙汰が起こると即刻辞めて、住居も変える。
    極端に少ない荷物で場所を変え、勤め先でも喋らずに孤独で単調な日々を送る。
    過去に何かあったのだろうと想像しながら読み進める。

    何故なのか…理由がわかったときにこれはどうしようもない誰にも言えないことだと感じて辛くなった。
    自分を否定したくなるような気持ち、と言った方がいいのだろうか。
    生きていく限り、ずっと気になり続けることで、だけど自分の思うようにはできないし、存在が恐怖だと感じることに嫌悪しながら隠すことすら限界を感じている。
    母親を降りたい。
    その思い、痛いほど感じた。

    まさしくタイトルどうり、息をつめて。

  • 桂望実さん二冊目。
    「諦めない女」がかなり気に入ったので。

    やっぱり好きだと思う。
    この最初の暗〜い感じが好きなんです。
    女が一人で地味に何かに逃げながら、ひっそりと暮らす。こういう設定が大好きなんです。
    だから、たっぷり堪能しました。

    ただ中盤からは、どうにもならない家族の問題が出てきて、これはどの家庭にもありうることで。
    これは怖いよなぁと。

    すごく好きなんだけど星3つなのは、ちょっと盛り上がりがないこと。
    淡々すぎるというか。
    でも好きなんだけどね。

  • 一気読みさせられたのは、主人公の麻里が身元がばれそうになると、たちどころに住まいを変え、それまでの仕事を止めあらたな仕事を探すことを頻繁に繰り返しているからだった。引っ越しの手際も良い。目立たないよう、誰とも親しくならないようにと心を配って生活をしている。理由はDVの元夫、それとも借金取り、まさか麻里が罪を犯したのかと推測するが、今まで読んできた訳ありとは少し違うような気がするのだ。章を追うごとに彼女の背景があぶり出されてきて、真実はと先を急ぎたくなった。
    随分前にテレビ番組でアメリカの犯罪学者が出演して「犯罪を繰り返す人の脳を研究したところ、脳に機能的な疾患が見られた」と話していたのが思い出される。ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、麻里の最後の決断を責めることはできない。でも、解決法は本当にこれしかないのだろうか? 今でも気になっている。
    麻里が異なる場所や仕事先で出会った人々も興味深かった。特に麻里がヘルパーとして訪れた数名の高齢者らとの接触や会話は意義深い。彼女が決断を下す伏線ともなり現実を抉り出していると思う。

    ※桂望実さんは2作目だったが、「結婚させる家」https://booklog.jp/users/lemontea393?keyword=%E7%B5%90%E5%A9%9A%E3%81%95%E3%81%9B%E3%82%8B%E5%AE%B6&display=frontの視点も面白かった。

  • 息をつめて | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4334914993/

    14歳で事件を起こした息子の出所が怖くてたまらない。世間に受け入れられない特殊な子を、親はどうすべきなのか~『息をつめて』【東えりかが読む】 【書評】『息をつめて』著◎桂 望実|教養|婦人公論.jp
    https://fujinkoron.jp/articles/-/7545

    『息をつめて』著者新刊エッセイ 桂望実 | 本がすき。
    https://honsuki.jp/pickup/55611/

    息をつめて | 桂 望実 オフィシャルホームページ
    https://nozomi-katsura.jp/books/ikiwotumete.html

    Jiwoon Pak
    http://jiwoonpak.com/

    박지운 Jiwoon Pak(@jiwoon_pak) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/jiwoon_pak/

    息をつめて 桂望実 | フィクション、文芸 | 光文社
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334914998


  • 人に話すことのできない重い罪を背負い、
    誰とも深く関らず息を潜めて隠れながら
    ひっそり生きる主人公。

    いつまで続くかわからない絶望感に苛まれながら、
    それでも親の役割を果たすために、我慢し続けて
    懸命に生きる姿に胸が痛み息苦しさを感じます。

    なので、生まれ落ちた瞬間から子どもは
    子どもの人生を歩きだしていて、親とは
    別なんだという言葉にハッとさせられました。

  • うーん、結局何が言いたかったのだろう。

    (ある理由で)仕事と住処を転々とする麻里。
    その理由は・・・
    【ネタバレ⚠️あり】

    子どもは親の所有物ではないし親の思う通りには
    生きてくれない。
    勿論そうだ。

    もし子どもが犯罪加害者になったら親はどう
    すればいいのか?

    麻里の決断は納得できる。
    でも正直この本から得たものは何も無かった。

  • この作家さんの本を読んでしまうのは、「大きな声では言えないけれど、実は私もそんなこと考えてるのよね」という共感が得られることが多いからかもしれない。

    実際には、ラストに登場するような「本人に罪の意識がないために再犯の危険が極めて高い場合、人権は最低限守りながら、社会から疎外するための施設」が出来るのは難しいことだと思うのだけど、心のどこかで「それもアリだよね」と思ってしまう。更生を諦めてるいるみたいで、希望がないけれど。

  • 子どもを生む、ということに元々疑問があった。
    果たして、親のエゴなんじゃないか?と。

    この作品は、また違った角度から
    親子について考えさせられる作品だった。

    子どもを設けることを考える上で
    「子どもは凄く素敵で尊い存在だ!」という
    キラキラした面だけでなく、
    産み落としたら「親子」であることから
    一生逃げられないし、
    子どもがどんな人間だとしても世間からは
    「親」として見られる、などの
    不安要素をきちんと描き切っていて考えさせられた。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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