- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334923242
作品紹介・あらすじ
自分で自分の人生を選び取ったという実感はありますか?失踪をテーマに、現代女性の「意志」を描く恋愛小説の名手待望の文芸ミステリー。
感想・レビュー・書評
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大好きな佐藤正午さんの本。ちょっと優柔不断で話がまだるっこしい、けれど不思議とちょっとモテる男性があれこれ考える。この雰囲気、この文体が好きでたまらない。
なぜ『ジャンプ』というタイトルなのか。毎日繰り返す同じような日々からえいやっ!とジャンプするようなイメージかな。
余談だけどリンゴが食べたくなり久しぶりに買いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
彼女の失踪
5年後に秘密が話される
秘密はネタバレになるので書かない
仕事を取るか彼女をとるか
難しい選択 -
ありえない話だとは思うけど、もしかしたらこんなこともあるかもしれない、と思わせてしまうのはやはり彼の文章力だ。
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りんごを買いに出たまま行方知れずになった彼女を追い求める男。
ドミノ倒しの様につながる〝事情〟。
探して探して、いなくなった理由を求めて‥。
読みやすかった。 -
直木賞とる前から気になっていたが、これがこの作品最初の読了。すごく読みやすく、展開も良かった。最後のの方は少しダレたがテンポがいい。
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私向けではなかった…
彼女がリンゴを買いに出たまま行方不明に!
彼女はどこに行ってしまったのか…
と、彼女の足取りを追うのですが
この彼氏さん、他にもデートする女はいるは、自分勝手だわ、どうなるのか頑張って読んだのにラストそれかいーーーって内容でした -
消えてしまった女性の痕跡をたどっていく
こんな奇跡的なアクシデントが
次々に起こってしまうなんて
と思いながらも、ないこともないかも。
人生、明日のことも分からない。
だから、面白い。 -
2015/7/18
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なぜかこの作品を今まで読んでいなかった。それを後悔するほど本当に面白い小説だった。「身の上話」「Y」と佐藤さんの作品を読んできたが、この作品も話がどこへ行き着くのかまったくわからないままに読み進めることとなった。リンゴを買いに行くといったまま戻らない恋人。いったい何が?読者はただ著者の手中で事の成り行きを眺めることしかできない。みるみるうちにいろんな人物が登場し、話の行方はスピード感を増す。この感覚には、なんだか小ボートで川をくだっている様子を連想させられた。
リンゴやアブジンスキーなどのアイテムを上手に使い、一人称の語り口で効果倍増。ちょっとした謎も見事に伏線として回収される。しかも読後感は甘くて切なく、そして苦い。順序だてて語ってしまえば味気ないのかもしれないただの恋愛物語を、ここまで見事な小説として構築した手腕は、もっともっと高く評価されるべきものだと思う。