ZOKU

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924089

作品紹介・あらすじ

正体不明。目的不可解。壮大なる悪戯の組織「ZOKU」と、彼らの企みを阻止しようとする「TAI」。いったい何者?何のために!?連作ミステリィ短編集。

感想・レビュー・書評

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  • お金をかけた悪戯組織ZOKUと、それに対応する組織TAI。
    おとなの悪戯あそび。
    C0093

  • テーマは面白いのだが、やはり文章が説明口調になってしまうのがなぁ…

    悪くはないはずなのだが。

  • 漫画っぽい

  • どうして無愛想で無表情な揖斐君にどんどん惹かれてしまうんだろうか

  • 「ただ今、博士は、その、分析中です」
    「分析中?」
    「ええ、分析中です」
    「何を?」
    「分析対象を」

    「だいたいさ、人に優しいとか、地球に優しいとか、押しつけがましいんだよね。上品さがまったくないっていうか。ここまでくると、かえって鬱陶しい」

    『彼の場合、この顔しかない。神様にお願いして、このままの顔で星座にしてもらったら良いのに、と思えるほど、いつも同じ顔なのである。』

    『「危険はありません」と叫べば叫ぶほど、「危険だ」という意味に取られる。どの言語であっても、語意は、文法よりも優先されることは確実だ。』

    「そもそもが、芸術とは押しつけがましいものなのだ。自分にとって美しいものが、他のみんなにとっても美しいはずだ、と楽観する、錯覚する、思い込む。つまり自惚れだ。そういう心理と、それらに圧倒される集団催眠的なシステムの中に、芸術は蜃気楼のごとく存在しているのだよ」

    『夜中にこんな寂しい場所で、彼と二人きりではないか。
    今現在、半径百メートル以内には、自分と揖斐しかいないだろう。ほ乳類を入れたら、猫くらいいるかもしれない。脊椎動物となると、蛙もいるか。』

    「まあ、秘密兵器といえば、秘密兵器だが、ここで公開してしまうと、もう秘密ではなくなるわけで、正確には、今まで秘密だった兵器というのか、うーん、しかし、そんなことを言っていたら、公開するまでは、どんなものでも秘密だしな」

    『ミュージカルは猫の格好をした人間が、猫の振りをしながら、猫らしくない社会を描く、という凝ったテーマの作品だった。何が一番猫らしくないかといえば、急に歌いだしたり、みんなで踊るところだ。ああいう団体行動は猫は取らないだろう』

    『妄想が約十秒間。
    ほう…、これは、その、何が何して、あれよ、わりと、もしかして、なにげなく、そこはかとなく、悪くないじゃないか、などと考えても良いかもしれない、かもしれない、といえなくもない。六重否定である。どっちなんだ?』

    『ずっと良い。
    ずっとずっとずっと。
    ずっとで、しばらく踊れるほどだ。』

    『きっと何かの縁に違いない。神様の奇跡のミラクルな特別のスペシャルなお導きかもしれない。アーメン。』

    「で、何? 特等って何がもらえるの?」
    「なんだと思う?」
    「電動自転車より上のもの? うーん、そんなもの、私には思いつかない。何だろう、フォークリフト?」

    「技術的には、それくらいのサイズのロボットを作って、人間が乗って歩き回るくらいのことは難しくないよ」
    「安定が悪いから、足がもの凄くおっきくならない?」
    「なるね」
    「まあ、しょうがないかぁ ー 運転してみたいなあ」
    「何をするわけ? 土木工事?」
    「え?」
    「たぶん、建設工事に一番向いていると思う。現に今でも、その手の重機というのは、ほとんど建設機器だよね」
    「ああ、ブルドーザとか、クレーンとか、あと、パワーショベルとか」
    「そう」
    「あれを全部集めて、一つのロボットにすれば良いのに」
    「一つにしない方が便利だ。それぞれの仕事に特化して適したデザインができる。その方がわ使いやすい形になる」
    「でも、ロボットだったら、歩き回れるよ」
    「歩き回るくらい、ロボットに乗らなくてもできる」
    「やっぱ、敵がロボットで来ないと駄目なんだ」
    「たとえ敵がロボットで来ても、ロボットでないもので応戦した方が有利だね」
    「そう?」
    「うん。 人間の形にする理由が全然ない。何一つない。」
    「フレンドリィじゃん」
    「そう、それくらい」

    『どういうわけか、化粧をしているときだけ時間の経過が早い。余裕を持って準備するのに、気がつくとぎりぎりになってしまう。おそらく、化粧をしている間に、無意識にタイムスリップして、別の惑星のスターゲートから出て、その王国で暴君を倒す戦いに参加し、レジスタンスのリーダとの恋に落ち、しかし、そのリーダが暗殺されたために、彼女も囚われの身となり、記憶を消されて地球へ強制送還されたからではないか、と思われる。』

    「昔からな、そういった仕組みで金を稼ぐ奴らは、大勢いたのだよ。まあ、ヤクザがそうだろう。他にもいろいろあった。少々の小銭をやれば、帰っていってくれる。何事もないで済むのなら、払ってやろう、と思う。そこにつけ込んでくる。町内会費とか、PTA会費とか、同窓会費、親睦会費、すべてそうじゃないか」
    「ヤクザと一緒にしても良いの?」

  • 悪の組織って、なんだっけ。
    タイムなんちゃらのように、馬鹿らしいお茶らけた悪の組織もいるけれど、ここまで真面目に、よく分からない迷惑行為を遂行している組織は、この世の中そうそうないんじゃないだろうか。
    はっきり言ってくだらないのに、一週間くらい、いや、一か月くらいZOKUかTAIに所属してみたいと思わずにはいられない。
    疲れているのかな、なんて。

  • 悪戯宅ごっこ最高〜イエーイ

  • 相変わらずの森的なストーリーつい読んでしまう感覚がいい
    よく考えたら若干「クダラナイ」

  • 面白かった!!!
    大人がまじめに考える悪戯が最高にいい!
    こんな組織がある世の中は、きっと平和なんだろうな〜

  • 2012/09/03
    復路

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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