- Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334924492
感想・レビュー・書評
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商いの才覚に優れた女の子が飯屋を商い繁盛させていく。ストーリーとして面白かったけど、時系列が少しごちゃっとして読みづらかったのと、似たような展開、文章が散見されて後半少し飽きてしまった。
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『つばき』を読み、すっかり忘れていた本書を読み返したくなり、12年ぶりに再読。
序章と終章で、つばきが浅草の繁盛する「だいこん」を店じまいし、深川で新たに一膳飯屋を始める経緯が書かれており、『つばき』へ繋がっていることに気が付いた。
本書は、つばきの回想が折に触れて綴られ、つばき一家の家族物語ともなっている。
酒が入るとだらしなくなり、よその女に目移りしてしまう父親の安治。
つばきの才能を認めながらも、母親の意地もあり、ひとたび怒りの火がつくと、話が支離滅裂になるが料理上手な母親みのぶ。
それぞれ個性ある妹二人。
そして、火事の炊き出し時に教わった美味しいご飯の炊き方が天下一品のうえ、独創的なアイディアで人気の一膳飯屋を営む長女つばき。
彼らを取り巻くのは、下町人情溢れる人々。
読者は、心温まる「だいこん」の世界を堪能できる。
そして何よりも、この物語を魅力的にさせるのは、主人公つばきの人物造型だろう。
「眉は細くて黒い。ものをしっかり見定める瞳は、漆黒で、しかも大きい。わずかにとがったあごは、ひとたび決めたことを貫き通す、芯の強さを表して」いて、「負けん気が体の芯から湧き上がって」いるという、そんなつばきには、誰でもがもつい、肩入れしたくなってしまうだろう。 -
人情味あふれた小説です。
楽しく読めました。
つばきのその後の小説もあるのかな。 -
姉妹の長女つばきは、幼いころ、父が負った借金の取り立てにやってきた伸助と再会する。
幼いながらも懸命に妹の世話をし、両親を手伝う、貧しい暮らしの思い出から始まる。
やがてつばきは、炊飯の腕前と持って生まれた才で、一善飯屋をかまえる。 -
内容(「BOOK」データベースより)
江戸に心から愛されている一膳飯屋がありました。知恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流したおんなの生き方。直木賞作家の魅力あふれる細腕繁盛記。
10月15日~27日 -
会社の先輩に、「おいしい食べ物が出てくる小説」と聞いていたので、『みをつくし料理帖』みたいなおはなしを想定して読んだら、みをつくし〜の方が断然好み! 食べ物の描写が、こっちはそこまでかな…。
しかも、回想がメインで、はじめの時間軸に戻って終わりなので、はじめに話されていた「今後のつばきちゃん」は結局どうなるんだ〜? というところで終わり。ちょっと物足りない…。 -
こんなに染み入る話は無い
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初めての山本作品。 読後感がさわやか。
だいこんは煮物でも漬物でも、味噌汁の具にも使える。大根が嫌いと言う者を聞いたことがない、きっと店の名物になると手作りだいこんの一膳飯屋をはじめた「つばき」。
智恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流せば道は開ける。 お客を大事にし仕入先に可愛がられ人に喜ばれる。
商売人の鑑のようだ、 若くて美人なのに所帯を持つ夢を捨てたことは可哀想であり残念だった。