だいこん

著者 :
  • 光文社
3.69
  • (20)
  • (29)
  • (46)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 199
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (482ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334924492

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 商いの才覚に優れた女の子が飯屋を商い繁盛させていく。ストーリーとして面白かったけど、時系列が少しごちゃっとして読みづらかったのと、似たような展開、文章が散見されて後半少し飽きてしまった。

  • 『つばき』を読み、すっかり忘れていた本書を読み返したくなり、12年ぶりに再読。
    序章と終章で、つばきが浅草の繁盛する「だいこん」を店じまいし、深川で新たに一膳飯屋を始める経緯が書かれており、『つばき』へ繋がっていることに気が付いた。
    本書は、つばきの回想が折に触れて綴られ、つばき一家の家族物語ともなっている。
    酒が入るとだらしなくなり、よその女に目移りしてしまう父親の安治。
    つばきの才能を認めながらも、母親の意地もあり、ひとたび怒りの火がつくと、話が支離滅裂になるが料理上手な母親みのぶ。
    それぞれ個性ある妹二人。
    そして、火事の炊き出し時に教わった美味しいご飯の炊き方が天下一品のうえ、独創的なアイディアで人気の一膳飯屋を営む長女つばき。
    彼らを取り巻くのは、下町人情溢れる人々。
    読者は、心温まる「だいこん」の世界を堪能できる。
    そして何よりも、この物語を魅力的にさせるのは、主人公つばきの人物造型だろう。
    「眉は細くて黒い。ものをしっかり見定める瞳は、漆黒で、しかも大きい。わずかにとがったあごは、ひとたび決めたことを貫き通す、芯の強さを表して」いて、「負けん気が体の芯から湧き上がって」いるという、そんなつばきには、誰でもがもつい、肩入れしたくなってしまうだろう。

  • 人情味あふれた小説です。
    楽しく読めました。
    つばきのその後の小説もあるのかな。

  • 姉妹の長女つばきは、幼いころ、父が負った借金の取り立てにやってきた伸助と再会する。
    幼いながらも懸命に妹の世話をし、両親を手伝う、貧しい暮らしの思い出から始まる。
    やがてつばきは、炊飯の腕前と持って生まれた才で、一善飯屋をかまえる。

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    江戸に心から愛されている一膳飯屋がありました。知恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流したおんなの生き方。直木賞作家の魅力あふれる細腕繁盛記。

    10月15日~27日

  •  会社の先輩に、「おいしい食べ物が出てくる小説」と聞いていたので、『みをつくし料理帖』みたいなおはなしを想定して読んだら、みをつくし〜の方が断然好み! 食べ物の描写が、こっちはそこまでかな…。
     しかも、回想がメインで、はじめの時間軸に戻って終わりなので、はじめに話されていた「今後のつばきちゃん」は結局どうなるんだ〜? というところで終わり。ちょっと物足りない…。

  • 江戸は深川の下町で繰り広げらる人情物語。主人公「つばき」を中心に営む居酒屋が舞台に、そこに下町ならではのなりわいや、親子の情愛、お客とのおもてなしなどなど・・・いまの日本人が忘れかけていた心通じる「暖かさ」や「寂しさ」などが本当に日本人の良さですらをしっかり伝えられる小説です。

  • こんなに染み入る話は無い

  • 初めての山本作品。 読後感がさわやか。
     だいこんは煮物でも漬物でも、味噌汁の具にも使える。大根が嫌いと言う者を聞いたことがない、きっと店の名物になると手作りだいこんの一膳飯屋をはじめた「つばき」。
    智恵を使い、こころざしを捨てず、ひたむきに汗を流せば道は開ける。 お客を大事にし仕入先に可愛がられ人に喜ばれる。
    商売人の鑑のようだ、 若くて美人なのに所帯を持つ夢を捨てたことは可哀想であり残念だった。

  • 時代小説ってあんまり読まないんですが、
    「あかね空」で山本一力さん結構いいなぁと思ったのでこれもw

    主人公の女の子のがんばる姿が読んでてとてもきもちのいい作品でした。

全35件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本一力の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×