- Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334926786
作品紹介・あらすじ
『東海道中膝栗毛』の著者である十返舎一九の娘、舞。酒に目がなく、時に奇行に走る父の一九には彼女も呆れ果てていた。小町娘と褒めそやされてきた舞だったが、せっかくの縁談もぶち壊され通し。おまけに一九の押しかけ弟子、今井尚武には自信たっぷりに言い寄られるわ、友人で葛飾北斎の娘、お栄は勝手に家に転がり込んでくるわ、騒動が絶えない。そんな舞を見初めた武家の若者、野上一之助…。今度こそ舞の恋は実るのか!?-。
感想・レビュー・書評
-
18
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽しい。
-
久しぶりの再読。
諸田さんなのでテンポ良く読める。
十返舎一九の娘・舞の、タイトル通りきりきり舞いな日々を描いた連作短編集。
飲んだくれているか怒鳴っているか書いているかの奇人・一九と、夫婦別れをして転がり込んできた北斎の娘・お栄と、一九が連れてきた弟子で訳ありげな浪人・今井尚武に振り回される。
名前の通り踊りが得意な舞だが、それで身を立てる気はなく、行き遅れ気味の彼女が目指すのは玉の輿。
しかしこれはと見込んだ男との話を一九は片っ端から潰して嫁に行けそうもない。一方で見た目も素性も怪しい尚武を一九は舞と夫婦にしようとしている。
おまけに居候の癖に堂々としているお栄にもイライラ。
舞に幸せな日々は来るのか。
クリエイティブな天才はその才能のためしか生きられず、結局は周囲の凡人が支えるしかないのか。イライラしつつも父や友人を見放すことは出来ない舞に同情しながらも共感もある。
そこが自分と同じ奇人なれど、自分以上の才を持ちこの世でただ一人心から尊敬出来る父・北斎を見つめるお栄とはちょっと違う。
一九の意外な前身や尚武との繋がり、実際のところは分からないが北斎の娘お栄との関係は興味深いが、やはり舞のきりきり舞いな日々は続きそう。
開き直ってとことん付き合うしかないのか。だけどやっぱり借金取りから逃げる生活は嫌かな。 -
『東海道中膝栗毛』の著者である十返舎一九の娘、舞が主人公。
気難しく、変わり者の父・一九を筆頭に、図々しい居候の今井尚武。そして、強烈な自由人、葛飾北斎の娘・お栄・・。こういった奇人変人達に振り回されて、文字通り“きりきり舞い”する、舞の苦労っぷりが楽しく描かれています。
まぁ、読んでいる分には楽しいけれど、身近に一九やお栄みたいな人がいたら、かなり迷惑かと思います(笑)。 -
短編集。笑いあり涙あり。
落語の人情話のよう。
少しほろ苦い思いもした。 -
読了。
-
十返舎一九の娘、美人だが行き遅れになりそうで焦っている舞の話。短編集。
すすめられて読んだものの展開が読めてしまって途中かなり飛ばしてしまった。 -
表題通り、最後まできりきり舞いな雰囲気のお話。
それなりに面白いけど…あんまり好みではなかったかな。
出てきた有名人さん達の奇人ぶりが、ちょっと…ね。 -
十返舎一九と葛飾北斎の娘どっちも羨ましい境遇かと思いきや、天才はやっぱり変人なのか世話の焼ける父親に振り回されっぱなし。でもどちらの親も実は娘を大切に思っていて、ほっこりします。