きりきり舞い

著者 :
  • 光文社
3.12
  • (3)
  • (7)
  • (27)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 92
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926786

作品紹介・あらすじ

『東海道中膝栗毛』の著者である十返舎一九の娘、舞。酒に目がなく、時に奇行に走る父の一九には彼女も呆れ果てていた。小町娘と褒めそやされてきた舞だったが、せっかくの縁談もぶち壊され通し。おまけに一九の押しかけ弟子、今井尚武には自信たっぷりに言い寄られるわ、友人で葛飾北斎の娘、お栄は勝手に家に転がり込んでくるわ、騒動が絶えない。そんな舞を見初めた武家の若者、野上一之助…。今度こそ舞の恋は実るのか!?-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 18

  • 楽しい。

  • 久しぶりの再読。
    諸田さんなのでテンポ良く読める。

    十返舎一九の娘・舞の、タイトル通りきりきり舞いな日々を描いた連作短編集。
    飲んだくれているか怒鳴っているか書いているかの奇人・一九と、夫婦別れをして転がり込んできた北斎の娘・お栄と、一九が連れてきた弟子で訳ありげな浪人・今井尚武に振り回される。

    名前の通り踊りが得意な舞だが、それで身を立てる気はなく、行き遅れ気味の彼女が目指すのは玉の輿。
    しかしこれはと見込んだ男との話を一九は片っ端から潰して嫁に行けそうもない。一方で見た目も素性も怪しい尚武を一九は舞と夫婦にしようとしている。
    おまけに居候の癖に堂々としているお栄にもイライラ。
    舞に幸せな日々は来るのか。

    クリエイティブな天才はその才能のためしか生きられず、結局は周囲の凡人が支えるしかないのか。イライラしつつも父や友人を見放すことは出来ない舞に同情しながらも共感もある。
    そこが自分と同じ奇人なれど、自分以上の才を持ちこの世でただ一人心から尊敬出来る父・北斎を見つめるお栄とはちょっと違う。
    一九の意外な前身や尚武との繋がり、実際のところは分からないが北斎の娘お栄との関係は興味深いが、やはり舞のきりきり舞いな日々は続きそう。
    開き直ってとことん付き合うしかないのか。だけどやっぱり借金取りから逃げる生活は嫌かな。

  • 十返舎一九のファンなんです、、、

    光文社のPR(文庫)
    『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘、舞。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘であるお栄たち居候に翻弄される日々だった。十八歳だというのに縁談はみな父が壊してしまう。そんな舞を武家の若者、野上市之助が見初めた。今度こそ恋が実るか!? 奇人変人に囲まれた娘が懸命に生きる姿を、ユーモアと人情味たっぷりに描く時代連作集。
    https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334763503

  • 『東海道中膝栗毛』の著者である十返舎一九の娘、舞が主人公。
    気難しく、変わり者の父・一九を筆頭に、図々しい居候の今井尚武。そして、強烈な自由人、葛飾北斎の娘・お栄・・。こういった奇人変人達に振り回されて、文字通り“きりきり舞い”する、舞の苦労っぷりが楽しく描かれています。
    まぁ、読んでいる分には楽しいけれど、身近に一九やお栄みたいな人がいたら、かなり迷惑かと思います(笑)。

  • 短編集。笑いあり涙あり。
    落語の人情話のよう。
    少しほろ苦い思いもした。

  • 読了。

  • 十返舎一九の娘、美人だが行き遅れになりそうで焦っている舞の話。短編集。
    すすめられて読んだものの展開が読めてしまって途中かなり飛ばしてしまった。

  • 表題通り、最後まできりきり舞いな雰囲気のお話。
    それなりに面白いけど…あんまり好みではなかったかな。
    出てきた有名人さん達の奇人ぶりが、ちょっと…ね。

  • 十返舎一九と葛飾北斎の娘どっちも羨ましい境遇かと思いきや、天才はやっぱり変人なのか世話の焼ける父親に振り回されっぱなし。でもどちらの親も実は娘を大切に思っていて、ほっこりします。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

諸田玲子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×