インサート・コイン(ズ)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928070

作品紹介・あらすじ

スーパーマリオ、ぷよぷよ、スト2、ゼビウス、そしてドラクエ、ビデオゲーム史に燦然と輝く巨大タイトルを、さんざん遊び倒したプレーヤーの視点から描く、まっとうなゲーム小説って、ほんとうは、こういうことだ。ビデオゲームの高度成長期に青春を費消したファミコン世代、必読。シニカルな仮面の奥深く、やわい心を突き刺す傑作。

感想・レビュー・書評

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  • マリオ、ぷよぷよ、スト?、シューティング、ドラクエ。それぞれがテーマになったミステリ短編。好みとしては甘酸っぱい青春を感じるぷよぷよパート。でもラストのドラクエが秀逸でした。謎が解けたときの一文に「ああ…」と思い、読後章題に息をのみました。ゲームを体験していない方や世代でも読めないことはないのでしょうが、私自身ドラクエはもちろんマリオも落ち物もシューティングも呆れるほどやりこんだのでそれぞれの薀蓄も楽しく読めましたが、全くしたことのないスト?パートはよくわからなかった部分があり、読者を選ぶかもしれません。

  • 懐ゲーをモチーフにした日常の謎系連作ミステリ。マリオとかドラクエ3とか。度々挿入されるゲームのうんちくが好ましい。そして最終話のタイトルの仕掛けが秀逸。同世代ゲーマーとして感じるものがあったけど、STG愛だけはよくわかんないんだよね。

  • これと、ナウローディングは個人的にたまらなく好き。
    名作ゲームを題材にして、こんな話が出来上がるのか!と各章ワクワクした。

    ドラクエプレイしてなくてごめんなさい。

  • 古きよきゲームを題材とした連作短編集。俺らからちょい年代下ぐらいまでのゲーマーにとっての日常ミステリーもんと言えば良いのかなぁ、日常とは思えないこともあるけど。
    ミステリーとしてなら、ぷよぷよを題材とした「残響ばよえーん」が一番の出来だが、俺的には最後の作品「そしてまわりこめなかった」が一番好き。

    題材のゲームの中ではダントツに、ドラクエをやりこんだもんなぁ。格ゲも落としモンもシューティングもド下手だったからだけど(笑
    ゲームをやりこんだ経験者なら、やりこんだゲームの種類によって好きな作品はバラけるのかも。っちゅうことで野球とかシュミレーションとか3Dダンジョンとかを題材にした作品も読んでみたい。

    そういや、俺にもゲームにハマりまくっていた時期があったんだよなぁ。「さぁ、この連休は旅に出るぞ」と言って食糧買いこんで布団部屋に持ち込んで、3日連続ゲームやりこみとか…。今から考えると不健康だったなぁとは思うが、数千円(中古で買うと数百円の場合も)のソフトで長く楽しめたのだから、コンシューマー機で遊ぶ分には、お財布に優しい娯楽だったわけだ。

    課金やなんやと、たかり体質な業界になってからはすっかり身を引いてしまったけど。
    今や、経験値を稼いでレベルアップすることが現実世界ではどんだけ難しいかを、山とカベとランで身をもって痛感してるんだけど。

    そんな色んな思いが胸中を去来する、そういう意味でも良い本だった。好みは分かれると思うが、俺は結構高めに評価します。

  • ばっちり作中でのゲームにリアルタイムで接した世代なので実に楽しく読めました。ぷよぷよの色の話とか作者の想像の範囲でもあるんだろうけど結構納得できました。
    反面、ゲームにさほど興味のない人とか世代的にあんまり接してない人とかだとそんなには楽しめないんじゃないかなあ・・・と想像するピーキーな一冊。

    次回作もあるようなのでぜひとも読んでみようと思います。

  • 各作品で考察したゲームのテーマがあまり共感できなかったというのと、ミステリーとしての解決を放棄して「おそらく彼等はこういう心境だったんじゃないかな?」という締め方なので終始モヤモヤした状態でした。ただ、スーパーマリオブラザーズ、ぷよぷよ、ストリートファイター、シューティングゲーム全般、ドラゴンクエストⅢに熱中した読者なら共感出来るかと思います。
    個人的に【そしてまわりこまれなかった】のドラクエⅢに関する謎は共感することができ、一番面白かったです。
    【残響ぱよえ〜ん】はテトリスじゃなくぷよぷよだからこそ可能なネタでなかなか巧妙でした。ミステリーとしては一番の出来でした。

  • 「残響ばよえーん」は星5つ

  • Continue or Reset ? つづけるか、やりなおすか?
    人生(ライフ)を削ってPLAYしてきたすべての仲間たちへ。
    この本を読んで泣け。これが青春だ。――大森望
    ゲーム、雑誌、先輩。三度、泣いた。
    ゲームをつくってきて良かった。――米光一成(ゲームクリエーター、「ぷよぷよ」開発者)

    投入せよ。コインもライフも全部。おまえの頭がよくなってしまう前に。
    スーパーマリオ、ぷよぷよ、ストⅡ、ゼビウス、そしてドラクエ。
    ビデオゲーム史に燦然と輝く巨大タイトルを、さんざん遊び倒したプレーヤーの視点から描く。
    まっとうなゲーム小説って、ほんとうは、こういうことだ。
    ビデオゲームの高度成長期に青春を消費したファミコン世代、必読。
    シニカルな仮面の奥深く、やわい心を突き刺す傑作。

    直接ゲームを扱うというよりは若干無理やりな気もしないでもないが、
    とにかく本作は「スーパーマリオ、ぷよぷよ、ストⅡ、ゼビウス、ドラクエ」に関わってくる短編集である。
    第5章『そしてまわりこめなかった』ではドラクエを扱っているのだけれど、その中で著者はミステりにおける伏線回収について深く触れている。
    詳しくは以下URLを参照ですが、なかなか考察されています。
    http://www.ne.jp/asahi/kaigo/aiai/p00_999_20120308.htm
    文庫化したら読む順番を変えてみようかしら。

    ミステリ  :☆☆☆
    ストーリー :☆☆☆☆
    人物    :☆☆☆☆
    文章    :☆☆☆☆

  • ノスタルジーとミステリー、ほろ苦い思い出が交錯する。やについたゲーセン、ゲーメスト、コインいっこいれる、あこがれて飛び込んだゲーム業界だったけど……てなところにツボった人はぜひ読んでほしい。登場ゲームはマリオ、ぷよぷよ、ドラクエ(3)など。

  • マリオ、ぷよぷよ、ストリートファイターなど往年の懐かしいゲームの思い出や蘊蓄にからめた日常の謎系連作短編集。
    ゲーム誌に記事をかくライターが主人公なので、ストーリーよりも作中人物が語るゲーム関係の考察がすばらしく面白く、懐かしさで胸がいっぱいになった。ドラクエ1〜3はたぶん私はプレイしていないが、「そしてまわりこまれなかった」というタイトルにはしてやられた。
    ただ、当時のゲームを全然知らない人が読んでもちょっとピンと来ないだろうなとは思う。

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著者プロフィール

1979年生まれ。2007年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「Kappa‐One」に選ばれ、『リロ・グラ・シスタthe little glass sister』でデビュー。クールな文体で構成される独特の世界観と、本格マインド溢れる謎解きがミステリ通の熱い支持を受けている。

「2022年 『君待秋ラは透きとおる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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