ホイッスル

著者 :
  • 光文社
3.72
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本棚登録 : 193
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334928438

作品紹介・あらすじ

平穏に暮らしていたはずの両親。その父が突然いなくなった。思い出の詰まった実家も売却されていた。何一つ身に覚えのない母は、なぜと叫びながらも、答えを手繰り寄せていく。不倫・離婚・裁判、家族の再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大義は何処に?
    思う事は、多いけど、気持ちよくホイッスルを吹けない読者も多いのでは?

  • 登場人物の多くがク○でしんどかったけど、主人公の言葉に救われた。「不幸せの量はみんな同じ。幸せの量はその人それぞれ」

  •  藤岡陽子さん、「陽だまりのひと」(2019.2)に続く2冊目は「ホイッスル」(2012.9)です。一言で言いますと、読み応えはあるけどストーリーがネガティブ。74歳で66歳の妻聡子から、愛人沼田和恵48歳のもとに行ったダメ男園原章。かつ、章は、和恵に騙され全財産を貢がされる。実にさびしい話が展開する。聡子が和恵相手に訴訟を起こし、そのサポートをするのが芳川有仁法律事務所長と沢井涼子事務員。章も和恵も、最後は情けない結末に。自業自得。読後感が爽快とは言えないけど、記憶には残る作品です。

  • 重たい。でも明るい未来がみえて終わって良かった。

  • 警察から、離婚した父の死を知らされることから始まるこの物語は、夫婦や家族の意義などについて色々考えさせられる話でした。善良に生きる人々と、相手が傷つくことよりも自分の利益のことしか考えられない人種が交わることにより生じる不幸は、確かにあると思います。最後は納得のいく結末で、面白かったです。

  • 10年前の単行本。そこまで古い感じはなかった。
    不倫、しかも高齢者男性を騙すような内容に生臭さが強かった。男は弁護士の芳川と娘婿以外みんなダメ男な感じ。
    看護師という職業はみんな清廉なイメージだけど、中にはこんな人もいるのかな。


    自分は恵まれてると実感。

  • 思ってた内容と違った。表紙からしてもっと爽やかな話かと思った。
    初老も通り越した夫が突如恋愛に暴走する。一人娘も家庭を持ち、かわいい孫娘もいて、後は長年連れ添った夫婦二人で穏やかに人生の終盤を過ごせていけたら思っていたら、夫がたまたま入院した病院で優しくされた看護師に金目当てで騙される。老人から搾り取れるだけ搾り取ってやろうとする看護師の愛人とその仲間。どうして寄りにもよってこんな人に誑かされちゃうのっていう程のえげつない人たち。相反して、妻や娘、周りの支えてくれる人たちは本当にいい人たち。助け合って励まし合って裁判を乗り越えるという話。
    中年女が老人を性で誑かす場面は本当に気持ち悪い、反面、結婚後専業主婦となり全く社会を知らない60代の女性が、夫と離婚後、清掃の仕事に就き強くたくましくなっていく姿はとても美しかった。聡子さんの人柄が素晴らしくて最後は涙でした。

  • こういうお話で、こんなにも登場人物が嫌な人、苦手なタイプばかりというも珍しいかも。とにかく男性陣も女性陣も、魅力の無い人が集まっているのに、小説として組み立てると読めるようになるんだなぁ、というのも発見でした。
    2022/1/31読了

  • 熟年夫婦の夫の不倫と言う重いテーマにメスを入れる考えるさせる作品です。
    法律事務所の芳川弁護士と事務員、沢井涼子の活躍も目を引きます。

  • 娘家族らに救われのが良かった。安心した。

    聡子さんのこれからの人生がどうか幸せでありますように

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著者プロフィール

藤岡 陽子(ふじおか ようこ)
1971年、京都市生まれの小説家。同志社大学文学部卒業後、報知新聞社にスポーツ記者としての勤務を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後に塾講師や法律事務所勤務をしつつ、大阪文学学校に通い、小説を書き始める。この時期、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師資格も取得している。
2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー。看護学校を舞台にした代表作、『いつまでも白い羽根』は2018年にテレビドラマ化された。

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