飲み水すら事欠く山村も、戦と無縁ではいられなかった。落ち延びた若殿を追う敵兵が村を荒らし、秀太ら5人の子供たちは連れ去られてしまう。運良く逃げ出せたものの、5人は次第に山の奥へ入り込んで行く。この世とあの世の境目、鬼や化け物が棲むという“逢魔が山”へと……。
図書館本。
ホラーな雰囲気のタイトルだが、ホラーとは言えない。ついでに、時代小説らしさも求めてはいけない。
少年たちの成長物語といった内容で、スケールの小さい「十五少年漂流記」といったところ。「小説宝石」での連載だったようだが、小学校高学年でも読めそうなレベル。
ドキドキハラハラはするが、残念ながら読後に残るものが無い。恐ろしい山へ入って無事に戻ってめでたし!……お化け屋敷体験レポートでも読んだ感じ。
難しい人名が出てくるわけではないし、時代背景を知っている必要性もゼロなので、和風の冒険小説的なものを手軽に読みたいなら、いいかも?