獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334952600

感想・レビュー・書評

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  • 紙媒体からデジタルコンテンツに軸足を移そうと
    模索するメディアの、貴重な内幕。
    文春砲を打てる組織を維持するリーダー論も
    学ぶ点が多い。

  • 最近、文春以外のメディアでも著者を目にする機会が増えています。スクープだけでなく、裏事情を披露することで、国民の理解を得る作戦でしょうか。
    上手い戦略ですね。

  • 2021年8月23日読了。

    P4
    藤原ヒロシ
    「ファクトを掲載するという意味で、
    百歩譲って下世話なネタっていうのはあっても
    いいかもしれないし、メディアとしてお金を
    稼がなくてはいけないのはもちろんわかりますが、
    そういう具体的なビジネスの話を聞いてしまうと、
    道徳的にどうなんですか?という気持ちになりますね」

    「その問題ってメディア云々というより、
    デジタルのあり方ですよね。デジタルになった途端、
    その記事が300円で買われるとか、ダイレクトな話
    になってしまう。それはメディアのせいだけでは
    なく、世間の人々の下世話な気持ちの金額でも
    ありますからね」


    P30
    ビジネスの幹が何かを見極め、そこにダイナミックな投資を実行したのが、JR東海の名誉会長、葛西敬之さんだ。

    P33
    楠木建「ストーリーとしての競争戦略」
    戦略の実行にとって大切なのは、数字よりも筋の良いストーリーです。
    過去を問題にしている場合であれば、数字には厳然たる事実としての迫力があります。しかし、未来のこととなると、数字はある前提を置いたうえでの予測にすぎません。戦略は常に未来にかかわっています。だから、戦略には数字よりも筋が求められるのです。
    (中略)筋の良いストーリーをつくり、それを組織に浸透させ、戦略の実行にかかわる人々を鼓舞させる力は、リーダーシップの最重要な条件としてもっと注目されてしかるべきだというのが私の意見です。

    P50
    私が最初に決めたのは、命令しないことだ。
    感想は伝える。提案もする。
    だが「こうしろ」と命令はしない。すべて任せる。

    P69
    週刊新潮の伝説的な編集者・齋藤十一(じゅういち)氏も完全に閉じた存在で、人前はおろか社内ですらその姿を見たものは少ないと言われた。それでいて絶大な権力を持ち、四十年間、企画やタイトルにまつわる全ての決定権を握っていたという。

    P75
    P.F.ドラッカー「イノベーションと企業家精神」
    企業家精神の4つの条件
    ①イノベーションを受け入れ、変化を脅威でなく機会
     とみなす組織を作り上げなければならない。
     企業家としての厳しい仕事を遂行できる組織を
     作らなければならない。
     そして、企業家的な環境を整えるための経営政策と
     具体的な方策のいくつかを実践しなければならな
     い。
    ②イノベーションの成果を体系的に測定しなければな
     らない。あるいは少なくとも評価しなけれなならな
     い。
    ③組織、人事、報酬について特別の措置を講じなけれ
     ばならない。
    ④いくつかのタブーを理解しなければならない。
     行ってはならないことを知らなければならない。

    P80
    デジタルの世界では、社会的インパクト、社会的意義と、実際の収益、読まれる数は相関しない。

    2016年に<ベッキーさんの禁断愛>と<甘利明大臣の金銭授受疑惑>を同時期にスクープしたが、デジタル上のPVだけを比べればベッキーさんの記事が10倍読まれた。

    ジャーナリズムという大義よりもむき出しの欲望に人の心は動く。これがデジタルのリアリティだとまず認識しておく必要がある。

    P82
    「GAFA 四騎士が創り変えた世界」
    大事なのは、人間の脳みそと心と性器を掴むことだ。
    脳みそは、知識欲、知りたいという欲望。心は感動したい、泣きたい、あるいは起りたい、喜びたいという欲望。性器は要するに性欲だ。そのどれかを刺激すれば、人はクリックする。つまり数字を上げ、稼ぐことができる。GAFAは人間の本能を支配しているから強いのだ。

    P86
    私はリーダーが判断を下す上での三条件を「正当性」「合理性」「リアリズム」と考えている。

    P184
    ブランディングとは、自分たちの強みや美点がどこにあるのかをしっかりと見定めて、それを磨き、伸ばしていくことだ。

    P234
    ※海外の「調査報道」の在り方。
     寄付を元に運営され、記事を無料公開しているなど。

    捲土重来(けんどちょうらい)
    →一度負けた者が勢力を盛り返して攻め寄せること。
     一度失敗した者が再挑戦すること。

  • ここまでオープンにしちゃってよいのかしら・・・

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著者プロフィール

1964年群馬県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。1989年に文藝春秋に入社。『Number』『マルコポーロ』編集部、『週刊文春』記者・デスク、月刊『文藝春秋』編集部、ノンフィクション局第一部長、『週刊文春』編集長などを経て、2018年より『週刊文春』編集局長。2020年からは執行役員として『Number』編集局長を兼務。2021年7月より『文藝春秋』編集長に就任。著書に『「週刊文春」編集長の仕事術』(ダイヤモンド社)など。最近著に『獲る・守る・稼ぐ 週刊文春「危機突破」リーダー論』(光文社)がある。

「2022年 『編集とは何か。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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